かねてより噂されていたウッドストック50周年記念フェスティバルの開催がオフィシャルアナウンスされた。50年前のオリジナルウッドストックの仕掛け人Michael Lang(マイケル・ラング)が企画する。
block.fmでもその噂をキャッチしていた「ウッドストックフェスティバル」の50周年を記念するフェスの開催が決定した。50年前いわゆる「オリジナル・ウッドストック」に携わったマイケル・ラングが企画し、仕掛け人本人の証言を基に、米メディアでは40〜60組を超えるアーティストの出演が決定していると報じられている。
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関連記事でもお伝えしたとおり、伝説的バンドから現代のロック、ポップ、ラップ・スターまで、幅広いラインナップが期待できそうだ。第1弾ラインナップは2月に発表される見通し。
ラングは米・ローリングストーン誌に、「ウッドストック50」では、ジャニス・ジョプリン、ジェファーソン・エアプレイン、ザ・バンドなど、「オリジナル・ウッドストック」のアーティストを称えるトリビュート・パフォーマンスがあることも示唆している。リアルにウッドストックを体験したヒッピー世代から現代のネオヒッピー、ミレニアルズ世代まで楽しめるイベントになったら、これは夢があるね。
そして3つのステージが用意され、関連したイベントも近隣で行われるとのこと。それぞれに音楽、コメディ、トーク、映画、フードなどコンセプトに沿ったプログラムが実施される予定だ。
フェスの模様はライヴ・ストリーミングされるそうなので、現地に行けない人も伝説を体感できる絶好のチャンスだ。
今回「ウッドストック50」が開催されるのはオリジナル・ウッドストックが開催された場所ではなく、ニューヨーク州北部のワトキンズ・グレンにある1,000エーカー(東京ドーム約86個分)の緑地。
「オリジナル・ウッドストック」が開催されたニューヨーク州サリバン郡ベセル・ウッズ芸術センター(Bethel Woods Center For The Arts)では、ウッドストック50周年を記念した「Bethel Woods Music and Culture Festival」を2019年8月16日〜18日に開催する予定。Live Nation ConcertsとINVNTと共同で主宰する。
こちらはマイケル・ラングは関わっていないものの、新鋭からベテランまで多彩なジャンルのアーティストたちによるライヴ・パフォーマンス、とTEDスタイルのトークが行われるそうだ。ベセル・ウッズ・ミュージアムが2019年に行う特別展『We Are Golden: Reflections On The 50th Anniversary Of The Woodstock Festival And Aspirations For An Aquarian Future』を観覧することもできるようになっているとのこと。
image:Bethel Woods Music and Culture Festival
「オリジナル・ウッドストック」跡地、ベセル・ウッズ芸術センターで開催される「Bethel Woods Music and Culture Festival」
という人もいるかもしれない。カルチャーに触れていた人は多いかもしれないが、1969年に開催された伝説的野外イベントをリアルに体感した日本人はかなりレアなのではないだろうか。調べればすぐ出てくるがざっくり説明すると、1969年8月15日(金)から17日(日)まで行われた野外イベントで、カウンターカルチャーのアイコニックなイベントとして語り継がれている。
ロック、フォークを中心とした30組以上のアーティストが出演し、約40万人の観客を集めた。昨今のフジロックの3日間の合計が、12万人前後であることから、その規模が想像できるだろう。コミケ並である。(2018年の「コミケ 94」の3日間の来場者数は53万人。音楽イベントではないけど、エンタメとして考えるとコミケってあらためてヤバイな)
「オリジナル・ウッドストック」にはジミ・ヘンドリックスやボブ・ディランも出演して、チケットの実売だけで18万枚以上、当日入場者で20万人を越えると予想されていたが、フタをあけたらその倍以上の人たちが押し寄せて、結果、フリーイベントになってしまった。冗談みたいな実話である。
イベント自体は当然赤字になったwのだが、その後のメディアミックスで収益化に成功。「ウッドストック」はヒューマン・ビーイング(人間らしさをとりもどそうぜっていう芸術、表現活動)の集大成であり、ヒッピーカルチャームーヴメントの頂点といわれている。
そんな「ウッドストック」の50周年を記念し、当時のイベントの仕掛け人のひとり、マイケル・ラングが企画するのが今回の「ウッドストック50」なのだ。
リアルにこの時代を経てきた人はパパママどころか、もうじーじばーば世代なのか。「今年、ウッドストックが復活するみたい」なんて話をしたら目を輝かせるかも。ジミヘンやサンタナと、エミネムをつなぐ親子3世代のウッドストックツアーなんてのも粋だね。
written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki
source:https://www.nytimes.com/2019/01/09/arts/music/woodstock-50th-anniversary-festival.html
photo:Woodstock50 press release