Travis Scottの影響を受け、バーチャル・コンサートはどこまで進化するのか

亡くなったアーティストのライブを観る事ができる未来ももう間も無く!? Fortnite以外でも多くのイベントが開催されている。
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2020.05.07 09:00

4月23日、オンラインゲームの『Fortnite』内で行われたTravis Scott(トラヴィス・スコット)のイベントには1200万人以上のユーザーが集結し、宇宙空間を体験した。Fortniteを手がけるEpic Games社によると、各回10分ずつに及んだこのバーチャル・コンサートはゲーム業界においてこれまでで最大のイベントとなった。さらにコンサート内で発表されたニューシングル「THE SCOTTS」は初登場全米1位のシングルとなり、イベント成功の余波は続いている。


Fortniteでのバーチャル・コンサートでは2019年にMarshmello(マシュメロ)が1000万人以上を集め新たな可能性を見出し、今は感染症の影響でアーティストやファンが物理的に集まる事が不可能な状況が続く中、バーチャル・コンサートはさらなる発展を遂げそうだ。






バーチャル・コンサートはここまで進んでいる!!


バーチャル・コンサートは10年以上前から様々な形で試されてきており、ギネスブックでは「最も成功した架空のバンド」として登録されているGorillaz(ゴリラズ)や全編VRのミュージックアルバムをリリースしているBjörk(ビョーク)が例に挙げられる。2016年になるとノルウェー最大のコンピュータ大会「The Gathering」がサンドボックスゲーム「Minecraft」内にてバーチャルと現実世界をクロスオーバーさせたライブコンサートを開催。以降『Coalchella』や『Fire Festival』といった音楽フェスも開催されている。


モーションキャプチャーテクノロジーを駆使し、アーティストをデジタルアバター化しコンサートを開催しているのが新興会社の「Wave」は、John Legend(ジョン・レジェンド)、Tinashe(ティナーシェ)らが出演するコンサートシリーズ「ONE WAVE」の開催を先日発表し、昨年はdubstepプロデューサーのKill the Noise(キル・ザ・ノイズ)によるコンサートも開催。この時は参加者がゲーム形式のボスバトルに参加し、ステージの背後にある巨大な悪魔を倒してショーを続行できるようになるといった、一体型のゲーム感覚も取り入れた。




不可能を現実にするバーチャルの世界


さまざまなリアリティ体験を可能にするxR会社「V.A.L.I.S. Studio」の代表はすでに亡くなったアーティストたちをバーチャル・ワールドで生き返らせる、あるいは伝説的なアーティストを若返らせてパフォーマンスさせる可能性がある事を示唆しており、Bob Marley(ボブ・マーリー)やMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)らのライブ実現に向けて話し合っていると話す。すでに同社はアメリカのタイム誌と共同でキング牧師による1963年の有名なスピーチを再現し、今年2月にはシカゴで披露する予定だったそうだ。


またアーティストだけでなくライブ会場においても様々な可能性があるだろう。すでに数百台のカメラを備えた大きなドームで実際のパフォーマンスを撮影する事で視聴者はその会場を3D空間としてリアルタイムで動き回る事ができるといった話もある。もはやバーチャルの世界では不可能な事はないのかもしれない。



もちろん配信で”生”のアーティストを楽しむのもいいし、バーチャルの世界でキャラクター/アバター化したアーティストを楽しむのもいい。テクノロジーが向上することによって楽しみ方が増えたのは音楽ファンにとって嬉しいこと!!


ではあるが、早く現実世界でのコンサートも選択肢に入れたいところだ...。




written by BsideNews


source

https://pitchfork.com/thepitch/virtual-concerts-travis-scotts-fortnite-100-gecs-minecraft/


photo: https://www.youtube.com/watch?v=wYeFAlVC8qU





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