今では音楽のジャンルとして確立しているEDM。その歴史とルーツとは?

何となくは知っているけれど、今更聞けないEDMって何!?
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2018.12.20 03:40

何となくは知っているけれど、今更聞けないEDMって何!?


EDMという音楽ジャンルを知っている人は多いはず。しかし定義や歴史など詳しい説明をできる人はどれくらいいるだろう。今更EDMは何? と人に聞くのも恥ずかしい、そんな人の為にEDMを解説しよう。何年何月何日にEDMという新ジャンルが誕生! と明確な年表は付けられないが、程よく肩の力を抜いて見て欲しい。



これを知らずに語れないEDMと呼ばれる起源とそれまでの歴史


まず最初にEDMとは「Electronic」、「Dance」、「Music」これらの頭文字をとって、EDMとなる。このEDMという言葉自体は、今日のEDMブーム以前からあった。しかしそれを省いた今日の世界的なEDMブームの事をEDMと定義している。そのブームに至るまでの歴史などの話をしていこう。


元々大きくまとめてエレクトニックミュージック(電子音楽)という括りで、DISCO・NEWWAVEを起源とするハウス系EDM(四つ打ち系)と、EMO/PUNK・HIPHOPを起源とするBASSMUSIC系EDM(非四つ打ち系)との大きく2つに分かれる。しかし、日本では一般的にハウス系EDMの事をEDMと認識している場合が多い。そして、BASSMUSIC系EDMの事はEDMとまとめて呼ばずに、個別にそのジャンルとして呼ぶ場合が多い傾向がある。


このEDMという新ジャンルを確固たるものにした火付け役が、様々なアーティストとコラボし、ポップミュージックでEDMを大ブレイクさせたデヴィッド・ゲッタ(David Guetta)。デヴィッド・ゲッタと同じくEDMのブーム当初に数々のヒット曲を生んだアフロジャック(Afrojack)だ。それからトランス時代から活躍をしていて、EDMへと転身して今日のEDMを牽引してきたティエスト(Tiesto)。EDMシーンの先駆者的存在のデッドマウス(Dead mau5)など数々のアーティストによって今日のEDMが築かれてきた。





日本以外での独自に形成されたEDMの歴史


アメリカでのEDMというカテゴリーの認識は、DISCO・NEWWAVEを起源とするハウス系EDM以外の今日のEDMまでのすべてをまとめてEDMという認識がある。トランス・ハウス・テクノも含め、すべてをEDMという括りでまとめて知られているようだ。


一方イギリスでは、日本に近い括りのEDMという認識がある。イギリスでは、ハウス、テクノ、ドラムンベースを省いた昨今のEDMのみをEDMと呼ぶ傾向がある。何故このような認識の違いが生まれるのだろうか? 答えは、EDMという新ジャンルが浸透する前に、今日のEDMが形成される以前のジャンルが一般レベルで浸透していた歴史があるかどうかという所にある。


日本では、ユーロビートに合わせて踊るパラパラが一世風靡した。その流れで、トランスやテクノでもパラパラの振り付けをつけて踊っていた歴史がある。一般レベルでエレクトロニックミュージックが浸透していて、トランスやテクノといったジャンルにも馴染みがある。イギリスでもそれらのジャンルが確立されていた。そのため、EDMという新ジャンルを昨今のエレクトロニックミュージックのみをEDMとして認識するという経緯があるのだ。


アメリカではEDMブームが起こる以前に、それらのジャンルが一般レベルに浸透した歴史が無かった(アンダーグラウンドのみ存在していた)。だから突然ブームが起こったEDMというジャンルで、以前のジャンルもまとめてしまっても違和感が無かったという事である。





EDMの歴史を分かってもらえただろうか。音楽の大々的な流行は世界的に共通している部分がある。しかし国ごとに微妙に流行する音楽の歴史に違いがあり、こういったカテゴライズする領域の違いがあるところを考察すると、違った観点から地域ごとの音楽の文化を見ることが楽しいものである。



written by 編集部


photo: facebook


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