トラックメイカーのIn the blue shirtがドラマ『電影少女-VIDEO GIRL AI』の音楽を担当!!

気鋭のトラックメイカー・In the blue shirtの人気の秘密とは?
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2020.03.25 00:00

気鋭のトラックメイカー・In the blue shirtの人気の秘密とは?


トラックメイカーのIn the blue shirt(イン・ザ・ブルーシャツ)は、ドラマ『電影少女-VIDEO GIRL AI』の音楽制作に参加していることで注目を集めている。In the blue shirtは多数のクライアントワークもこなし、CMへ楽曲の提供をおこなうなど様々なシーンで活躍している。独自のボーカルチョップ手法で世界を描いているIn the blue shirtの音楽性や人気の秘密などを詳しく解説する。



『電影少女-VIDEO GIRL AI』の劇伴を担当したIn the blue shirtとは?


In the blue shirtは、トラックメイカーとして活躍している兵庫県の西宮出身の男性だ。1991年生まれ。In the blue shirt名義でトラックメイカーとしても、ソロプロジェクトとしても活動している。須磨学園高校を卒業した2010年に京都大学に通うために京都に移住した。その後、京都大学の大学院へ進学するという学歴を持っている。本名は有村崚であり、音楽活動が本格化する初期の頃には本名名義での活動も見られた。在外中から意欲的に音楽制作に取り組み、tofubeatsや虹のコンキスタドール、Porter Robinson(ポーター・ロビンソン)などにリミックスの提供を行った。


この頃から業界の注目を集め、2016年にはファーストCDとなる『Sensation Of Blueness』を世に送り出すことになった。2018年には「TREKKIE TRAX THE BEST 2016-2017」を、2019年にはセカンドアルバムとなる『Recollect the feeling』をリリースするなど勢いのある活動を続けている。ファーストアルバムの『Sensation Of Blueness』で多くのファンを獲得したIn the blue shirtは、一気に音楽シーンに飛び出すことになった。楽曲の制作および提供、企業とのタイアップ、『テレビドラマ電影少女-VIDEO GIRL AI』での劇伴と活躍の場は多岐に渡っている。特に週刊少年ジャンプコミックで漫画家桂正和の代表作である『電影少女-VIDEO GIRL AI』の音楽制作に携わったことで、世間にその名を広く知られることになった。自身の作品だけではなく、様々な形での楽曲提供にも積極的に対応し、その多才ぶりがうかがえる。



In the blue shirtの音楽とは?


トラックメイカー・In the blue shirtは、その多彩な音楽構築ロジックによる彼独自の世界観を持っている。大きな特徴となるのがボーカルエディットだ。ボーカルエディットを使用し他にはない旋律を作り出したり、サンプリングされた人間の歌声を再構築し新しい音楽を創造するなどオリジナルティーに溢れている。歌声を加工することで、何かを歌っているのに意味を聞き取ることができない、意味を理解することができないという不思議な状態に陥る。これはIn the blue shirtがわざと意味を消し去っているからだ。彼は歌声をチョップし新しい歌声として再構築する「逆転現象」を狙っている。


本来ボーカルチョップという手法を使用した場合には、機械的になるため歌声に聞こえなくなったり、無機質な感じになることが多くみられる。しかしIn the blue shirtは、あくまでも自然に歌っているように聞こえることを追求している。不自然になることが当たり前だったボーカルチョップで歌声を作り出すという発想と技術はトラックメイカー・In the blue shirtにしかたどり着けなかったひとつの到達点だ。ボーカロイドなどを使用せずに、人間の歌声のバイブスにこだわっているところも彼の音楽の特徴である。『電影少女-VIDEO GIRL AI』ではtofubeatsを中心として音楽制作チームを結成した。複数のミュージシャンと共同作業を行い『電影少女-VIDEO GIRL AI』の世界観を盛り上げるような劇伴に取り組んだ。


個人ではなくチームで取り組むことで、より様々なアイディアが取り入れられドラマの世界を深く掘り下げることに成功した。In the blue shirtはほぼすべての楽器の演奏ができるため、ドラマの音楽制作には心強い存在だったとtofubeatsは語っている。In the blue shirtは『電影少女-VIDEO GIRL AI』のポップな明るい曲や、切なさを感じさせる暗めの曲の両方を書いている。



In the blue shirtが就職決定? その後の音楽活動は?


活躍に注目が集まるトラックメイカーのIn the blue shirtが就職したというニュースに業界は驚いた。就職したことで音楽活動から引退するのではという憶測も流れた。現役大学生、もしくは現役大学院生トラックメイカーといった看板を背負わされていたIn the blue shirtにとって、そもそも就職と音楽活動の休止はイコールではなかった。どちらかひとつというきっぱりとしたものではなく、グラデーションのなかに自分や自分の暮らしがあると捉えている。


しかし、就職したことで音楽に費やせる時間は当然限られてくることになった。音楽を聴く時間も減っていく中でIn the blue shirtはサブスクリプションサービスを活用するなど、少しの隙間時間でも音楽に触れる努力を行った。実際にはIn the blue shirtは就職によってシビアな局面も覚悟していましたが、働き始めると仕事自体も楽しく、学生の頃とあまり変わらないスタンスで音楽活動を続けていけそうだと語っている。楽器の演奏が自身の楽しみということもあり、音楽は彼の一部であり常にかたわらにある存在なのだ。


音楽活動一本に絞ることをせず就職という選択肢を選んだことで、活動自体の何かが大きく変わるということはなかった。ただ社会の中で働くことで音楽活動だけでは得られなかった刺激などを取り込み、また新しい彼独自の音楽を作り出してくれるのではないかといった期待が集まっている。




written by 編集部


photo: http://intheblueshirt.com/biography/


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