まさにアメリカらしいニュースだ! ニューヨークにあるジョン・F・ケネディ国際空港で働く保安検査職員がトラヴィス・スコット(Travis Scott)やカニエ・ウェスト(Kanye West)の曲を空港で爆音で流しているというのだ。
その原因となっているのは、アメリカ国民の生活に大きく影響が広がっている、昨年12月22日から始まった政府機関の一部閉鎖。過去最長となっているこの事態は、トランプ大統領がかねてより宣言しているメキシコ国境に壁を建設する予算を巡り与野党で対立していることが原因であり、現在80万人もの労働者が自宅待機するか、無給で働いている。
とはいえ生活に欠かせない職務に付いている労働者も多く、仕方なく無給で働くニューヨークの運輸保安庁(TSA)の職員が、トラヴィス・スコットの全米1位のヒット曲「Sicko Mode」やカニエ・ウェストの「Lift Yourself.」を流しながら仕事をし、その様子がSNSを中心に広まっている。しかも放送禁止用語を含むダーティーバージョンだと言うのだからさらに驚きだ!
この一部閉鎖が解かれるまでの間に働いた職員の給料はその後支払われる事にはなっているが、職員の中には病欠を理由に休んだり、生活の為に他の仕事を始める人も出てきていると言う。空港保安検査職員の中でも辞めていく職員が後を絶たない状況だ。
運輸保安庁の代表は
「すでに人員が不足している中でこのような事態になっている事は、アメリカの旅行者にとってセキュリティ上大きなリスクだ」
と懸念している。今のところアメリカへの渡航を控えるような注意勧告は出ていないが、この間にテロリストによる事件が起きないことを祈るばかりだ。
セキュリティ面が心配されている中、先日あり得ないニュースが飛び込んできた。アトランタの空港から成田空港へと向かう飛行機に乗り込んだ女性は、なんと拳銃とその銃弾を持ち込んだまま搭乗! 女性は機内にて自ら”誤って”拳銃を持ち込んでしまったことを乗務員に報告。
成田空港ではもちろん入国する事ができず、そのままアメリカに帰国となったのだが、拳銃を所持しつつアトランタの空港での保安検査を通過できてしまったことで、アメリカの空港における実は緩すぎるセキュリティチェックが露呈された。
アメリカではこの政府機関の一部閉鎖がさらに数週間は続くだろうと予測しており、マイアミの空港ではターミナルが一部閉鎖ともなっている。そんな中、ニューヨークの空港でヒップホップを流しながら働く職員のニュースはなんともアメリカ人らしいと言うかなんと言うか。
ちなみにトラヴィス・スコット、カニエ・ウェストの他にもリュダクリス(Ludacris)、ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)、パラモア(Paramore)といったアーティスト達の曲もプレイリストに含まれていたそうだ。SNSではその様子を楽しんでいる空港利用者も見受けられているので、しばらくは続くかもしれない。
written by BsideNews
source:
https://www.complex.com/music/2019/01/tsa-agents-continue-to-work-unpaid-blast-travis-scott-and-kanye-west-through-loudspeakers?utm_medium=social&utm_campaign=complexmag&utm_source=twitter.com
https://edition.cnn.com/2019/01/13/us/tsa-gun-flight/index.html
https://www.businessinsider.com/tsa-employees-unpaid-government-shutdown-quit-job-union-2019-1