医療大麻、イギリスで合法化。全面解禁の可能性は?

先日もカナダで嗜好用マリファナが解禁され、話題になったばかり。今後イギリスでも全面解禁となるのだろうか??
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2018.11.06 09:00

イギリスで医療大麻が解禁に


先日嗜好用大麻が解禁され話題となったカナダに引き続き、イギリスでも医療用大麻が合法化された。


参考記事:カナダで大麻が合法化! 「合法大麻」とは?ディスペンサリーとは?トロントから現地レポート




以前は大麻は治療薬として認められていなかった。11月1日の法改正により患者は特定の医師が必要と認めた場合のみ、大麻由来の処方薬を使用できるようになった。


以前より活動家たちから大麻を医療用に解禁すべきだ、との要請を政府は受けていたが、法改正に向けての動きを見せることはなかった。


しかし、重度のてんかんを患う子供の治療のために、大麻を違法に所持していた親がその大麻を警察に没収されるという事件が起こり、そのニュースが大々的に報道されたことで、イギリス国内のムードが一気に法改正に向かった。


イギリス内務省は今法改正について「治療であると考えられる限り、いかなる病状であっても(処方に)制限はない」との声明を出している。しかしながら「医師は医療用大麻を処方するにあたり、患者の症状ごとに判断を下さなければならず、また認可を受けた治療薬では患者の症状に未だ対処できない臨床的な必要性がある場合にのみ処方できる」と限定的な定義付けをしている声明も同時に見受けられる。





一部議員は嗜好用大麻が解禁の可能性を示唆


今法改正が成立したことにより、嗜好用の大麻も解禁される可能性があるという声も挙がっている。


現在、第一党である保守党の国会議員は嗜好用大麻の解禁について「現テリーザ・メイ政権ではないだろうが、別の政権でならありえるかもしれない」と示唆している。


「議論の余地はあるだろうが、そのときにカナダやアメリカからのエビデンスがどれほど手元にあるかによる」と、嗜好用大麻解禁についての議論が始まったとき、すでに嗜好用大麻が解禁されている国でどのように運用されているかについて把握できているかどうかがカギとなってくるようだ。


次期保守党総裁有力候補のひとりであるブレア・ギブス議員は「禁止にすることは、もはやスマートでも責任ある政策でもない」と大麻の所持を禁止にすること自体に否定的だ。


"大麻先進国"オランダは「健康に悪い」


一方で、街中のコーヒーショップなどでも大麻を購入できるなど"大麻先進国"としても名高いオランダは、このような大麻解禁が相次ぐ世界情勢に懐疑的な態度を見せている。


カナダでの嗜好用大麻解禁にあたりコメントを求められたオランダの首相、マルク・ルッテ氏は彼の親類に大麻を消費しすぎたことで、重大なメンタルヘルスの問題を抱えている方がいる、と語った。続けて「最近の購入可能な大麻は(以前よりも)とても強力で、健康を害するものだ。特に若者にとっては」とカナダの若者に対し警告もしている。


紹介したように、欧米を中心とする先進国では続々と大麻の解禁が相次いでいるが、今後この波が日本に来ないとも限らない。その際に誤った認識で偏見を持たないように、大麻についてある程度の知識を身につける必要があるのではないだろうか。


written by Kenji Takeda

source: https://www.vice.com/en_uk/article/gyez8b/medicinal-cannabis-is-legal-in-the-uk-heres-what-comes-next?utm_source=vicefbuk

https://edition.cnn.com/2018/11/01/health/uk-medical-marijuana-cannabis-legal-intl/index.html

https://www.ndtv.com/world-news/dont-try-cannabis-its-bad-for-health-netherlands-prime-minister-mark-rutte-tells-canadians-1938105

photo: karo4greatness, Bangla Photography





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