Dos Monosの3人がblock.fm『TOKYO BUG STORY』の中でそれぞれの抱えているコンプレックスについて話していました。
番組情報
▶「TOKYO BUG STORY」
放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.
番組URL : https://block.fm/radios/728
TAITAN:あとはね、『CROSSING CARNIVAL』の話で言うと、前室の会話が面白かったですね。
荘子it:そうそうそう。俺もその話、したかった。
TAITAN:前室……そう。DOMMUNEに会場入りして、僕らの出番が来るまでTENDOUJIがやっていて。それを待っている間、話していたのが「コンプレックス文化論」っていう(笑)。そういう話をしていて。「コンプレックス文化論」っていうのはこれは引用元は武田砂鉄の著書なんですけど。まあ思春期のコンプレックスについての話になって。これがね、意外や意外、盛り上がってね。
没:元はなんだったっけ?
荘子it:なんかお前がさ、お前の顔を顕微鏡で超拡大したら……とか。
TAITAN:それは話が盛り上がった後のパンチライン(笑)。ええと、あのね、話の入り口が合っているかどうかはわからないけど、没が、なんかワックスを付けてたんだよ。
荘子it:ああ、そうだ。没、髪が長くなったでしょう?
没:今日、もうボサボサで来ちゃった。
TAITAN:コロナで床屋さんがやっていないから、ボサボサになって。で、せめてパンキッシュに仕上げたらいいんじゃん、みたいな話になって。
荘子it:本当はタイタンがバリカンを前室に持ってきてさ。いつも通りの角刈りにしようと思ったんだけどさ。なんかせっかくだしさ。ここまで蓄えたんだったら1回ぐらい、この姿を人前に晒そうよっていうことになって、ワックスをつけてね。
TAITAN:あのグリーン・デイのボーカルみたいなさ。
没:全然違うけどね(笑)。
TAITAN:まあ、逆だっているパンキッシュさってあるじゃん? あれを今回、DOMMUNEでやったらいいんじゃんってなって。で、なんか鏡の前で1人でワシャワシャやっていて。
没:ワックスなんてはじめて自分で買ったわ。
TAITAN:で、なんかその姿が思春期の……まあ、かつての俺もそうだったし。ワックスを買って「なんでこんなに上手くいかないんだ?」みたいなことをやっている時に。それで俺は思春期の時にめっちゃ薄毛で悩んでいたみたいな話をして(笑)。
荘子it:Dos Monosは2人、薄毛がいるからね。
没:俺も薄いよ?
TAITAN:そのマウントの取り方、なんだよ?(笑)。でも本当に同じ中高に通っていて。俺は額……「デコが広すぎだろ、お前?」とかめっちゃ言われていて。で、荘子itは地割れ……。
荘子it:そう。今、センター分けにしているから余計にすごいんだけども。もう開き直ってね。それも、だから後半の話につながるけども。コンプレックスを開き直って強みに変えようっていうね。
TAITAN:田んぼのあぜ道みたいな。会田誠の作品にそういうのがあったけどね(笑)。少女の髪の毛の分け目が田んぼのあぜ道につながってるっていう作品があって。お前の頭皮を見るたびにそれを思い出すんだよね(笑)。
荘子it:フフフ、これはどこにつながっているの? 少女じゃないから……。
TAITAN:なんですかね? 牛の、なんかそういう……? 牛のそういう系だと思うんだけども。で、「思春期のコンプレックスって何をきっかけに克服するんだろう?」みたいな話になって。で、コンプレックスの自慢のしあいみたいになって。
荘子it:克服っていう、俺らは同じ中高で過ごしたから、人としての倫理観が育つ前から野ざらしに男どもが放り込まれているからさ。とにかく罵倒のしあいとか、言ってほしくないことの言いあいとか……あれだ。思いだよ。たぶん薄毛はあれだよ。攻玉社。俺らの学校にIくんがいてさ。で、そのIくんがすごい薄毛で悩んでたんだよ。なんならタイタンも比じゃないくらい薄毛で悩んでる人に普段は結構温厚なやつがキレて。そいつの髪を引っ張っていう事件があって。たぶん、それの話からだよね?
TAITAN:そうそう。それが俺の中で強烈に……だからアゴを殴るよりもよっぽど彼の弱点を知り尽くしていたっていうさ。
荘子it:「テメーッ!」っつって髪を掴んだらその掴まれたIくんはもうやり返すこともできず、ただ膝から崩れ落ちて。マジで、すごいかわいそうだったっていう……。
TAITAN:だって俺、本当に金八先生とかでたまに出てくるナイフを持ってくるような不良少年っているじゃん? あれと同じくらい衝撃的な事件だったもん。なんかショッキングな映像としていまだに……。
荘子it:最短距離で殺しに行くっていうね。
TAITAN:そうそう。それで俺も薄毛でめっちゃ悩んでいたから。「明日は我が身だ」と思って。それから……だって俺、昔学校に頭にヨーグルトを付けて登校したりしていたからね(笑)。
没:なんで?
TAITAN:「治るかな?」って思って。いや、それは民間療法の最果てまで行っちゃったのよ。わかめを食うとかを超えて、頭にヨーグルトを塗った状態で登校して。当然、昼頃にはそのヨーグルトが凝固してフケみたいになって(笑)。だから「あいつ、汚すぎだろう?」みたいな印象だけを残して。しかも夏に、頭にヨーグルトを塗っているやつってまあ、ヤバいじゃん?
没:ヤベえよ。発酵してんじゃん。
TAITAN:そうそう。それでまた更に俺は思春期に物を言わない男になってったんだけど。
荘子it:それでさ、だからとにかくタイタンはなんか1個のストーリーに結びつけるけどもさ。でも、ひとつであるかのようでいて、これはいろいろあるんだよね。全てがこう、複合体なんだよね。だからそれを列挙してる時にさ……なんだっけ? もう1回、言ってよ。お前のそのコンプレックスを全部言ってよ?
TAITAN:コンプレックス百科ね。だから俺は薄毛も悩んでいたし、ニキビもすげえあったし。あとは体に傷とかもあったし。それ、「世界地図」って呼んでいるんだけども(笑)。まあ、その世界地図って言い始めたのはこいつ(荘子it)なんだけど?(笑)。
一同:フハハハハハハハハッ!
TAITAN:だからさ、もう本当に生まれつきのアザがあるんですよ。それがあるから、当然プールの授業とか嫌なわけ。裸になってみんな、すっぴんなのに俺だけなんか化粧されているみたいなのがすげえ嫌だったのを見てこいつが……「お前、なんでそんな世界地図、広がってんの?」とか言ってきて(笑)。
荘子it:「お前、だからあんな世界史の点数いいのか?」って(笑)。
TAITAN:そうそう(笑)。「だからお前、世界史が……」って(笑)。
荘子it:こいつ、世界史だけやたらと偏差値が高かったからさ。「謎が解けた!」って思ってつい口に出しちゃった(笑)。
TAITAN:そういうことを結構平気で言ってきて。もう大親友だったけど、そのぐらいのやつに言われても傷つくは傷つくんですよ。だからそれもコンプレックスだったし。あと、今も残っているけども、どもりとかすごい激しくて。とかね、あとはもう1個ぐらいあった気がするよ。
荘子it:それは言えないやつだよ(笑)。
没:そんないっぱいあったっけ?
TAITAN:それがお前、また俺にトラウマを……(笑)。
荘子it:あれだろ? まあ、それとかあれとかあれを列挙していたらさ、楽屋がガチャッと開いてさ(笑)。
TAITAN:ああ、そうだ。フハハハハハハハハッ!
荘子it:だからタイタンがさ、「いやー、俺は……」って言っていたら(笑)。
TAITAN:そう。もう放送で言えないやつがあって(笑)。
荘子it:「もうハゲ、ニキビ、世界地図、○○……」とかってとにかくさ、自分のコンプレックスを吐露しまくっているところに女性スタッフがガチャッと入ってきてさ(笑)。
TAITAN:もう入ってきちゃって。俺がとっておき、三段落ちとして用意していた最大級のコンプレックスがあるんだけど。これ、放送では絶対に言えないんだけども。それを言った瞬間にガチャッと入ってきて……(笑)。『CROSSING CARNIVAL』、あれで俺らの成功は決まったと言っても過言ではないぐらいバイブスが上がったね。本当に。すごい面白い。で、俺はそういうのがコンプレックスだったよって言っていて。荘子itくんはなんかまあ頭頂部のあぜ道とか。あと、よく言われていたのが唇の厚みで。
荘子it:そうそう。このタラコ唇がさ。今でこそ、「ラッパーっぽくていいじゃん」ってなっているけども。
TAITAN:「チャンス・ザ・ラッパー」とか言われて。彼のシグネチャーとして機能しているけども。
荘子it:でもやっぱり中学ぐらいだとバカにされるんだよね。「おい、タラコ!」みたいな感じで。まあ、そんな感じで……本当にひどいもんでしたよね。
TAITAN:本当に男子校のね、しかもいわゆるスポーツとかもやってないような日陰者たちの……。
没:俺だけ言わせてもらえなかったね。
荘子it:それでさ、また没にさ、「お前もなんかコンプレックスあるの?」って聞いたらさ、「俺はちょっとちんちんが黒くて……」みたいなことを言っていてさ。そんなの、マジで漫画の世界の話でさ。
没:いや、違うんだって。でも結局、だからその後に話したのは、自分が思ってることで指摘されたらキツいっていう話でしょう? だからその、相対的にどうこうっていうよりは……。
荘子it:「本人が気にしているかどうか」っていう話だね。まあ、でもタイタンの気持ちもわかるけどね(笑)。タイタンの五種の神器に比べたら、たしかにちょっとちんちんが黒いぐらいはどうってことないよなって(笑)。
TAITAN:そこで俺はまたそれに対するレスポンスとして、「それは寓話としてのコンプレックスじゃん」みたいなことを言って。
没:「それはちょっと違うわ」っていうね。
TAITAN:やっぱりさ、他人には想像がつかないんだよね。こういうのってね。「人には人の地獄がある」っていうもので。わかんないもんですよ。でも本当ね、コンプレックスってのは……あれ? ここでこの話、頭打ちかな?
没:昨日の方が盛り上がっていたけどな?
TAITAN:まあまあ、鮮度っていうものがあるからね(笑)。
番組情報
▶「TOKYO BUG STORY」
放送日:毎月第4木曜日 21:00 - 22:00 O.A.
番組URL : https://block.fm/radios/728
荘子it(MC/トラックメーカー)、TAITAN(MC)、没 a.k.a NGS(MC/DJ)からなる3人組HIP HOPユニット”DOS MONOS”による番組『TOKYO BUG STORY』。圧倒的な音楽性の高さと、独自に作り上げた世界観を是非ラジオで体感してほしい。
written by みやーんZZ