メロウ好きならハマる。ドラムンサブジャンル、リキッドファンクとは?

メロウ好きならハマる。ドラムンサブジャンル、リキッドファンクとは?
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2016.04.08 18:30

Written by TJO (Takeru John Otoguro)

4月に新生活をスタートさせたあなたに送る、新しい音楽との出会い。今回は近年大きな支持を集めているドラムンベースから、そのサブジャンルである「リキッドファンク(Liquid Funk)」を紹介したいと思います。まずドラムンベースって何?という人のために簡単な説明から。90年代にイギリスで生まれた、BPMが170前後と早いスピードのブレイクビーツサウンドで、近年ではヒップホップやロックとの相性も良く、EDMなどとのジャンルを横断しより幅広い層に親しまれています。



分かりやすい例を挙げると、2014年のSigmaによる「Nobody To Love」。

ドラムンベースは長い歴史の中でいろいろなタイプのサウンドに派生してきましたが、その中のサブジャンルとして、初心者からヘビーリスナーまで人気を集めているのが「リキッドファンク」です。これは分かりやすくいうと攻撃的でゴリっとしたサウンドがメインに扱われることの多いこのジャンルの中で、メロウで流麗なメロディが印象的な優しいサウンドが主流のものです。「ドラムンベースって何?」、「Sigmaは好きだけど他にどんなの聴いたらいいかな?」という人にオススメの3通りの探し方を紹介しましょう。

・プロデューサーで探す。

まずはそのジャンルを知りたければ、好きなアーティスト/プロデューサーを見つけるのが一番です。ここでは日本人のMAKOTO氏から紹介しましょう。ここで日本人プロデューサーを紹介出来ること自体が個人的には誇らしいです。MAKOTO氏は98年にUKのLTJ Bukem主宰Good Looking Recordsと契約し、ソウルやジャズ感溢れる音楽的な作品を生み出し、数々の名立たるレーベルや世界中をツアーで駆け回るほど活躍しているトップDJ/プロデューサーです。近年はディスコやハウスなどにもジャンルの幅を広げていますが、その万人にも受けるメロウで芳醇なサウンドは初心者の方にも必ずグッと来ること間違いなし。彼のサウンドクラウドではフリーのリミックスやDJ Mixなどが数多く掲載されているのでここを聴き漁るだけでもかなり刺激になると思います→ https://soundcloud.com/makoto-humanelements

日本人で活躍しているプロデューサーはとても多く、MAKOTO氏のレーベルからもリリースを重ねるVelocity氏、WOMBで15年の歴史を誇るドラムンベースパーティー「06S」のレジデントDJ AKi氏が三代目J-SOUL Brothersの「R.Y.U.S.E.I.」など数多くのPOPヒットを手掛けるSTY氏と組んだユニットASYもメロウな楽曲もあり、日本人作品もとても充実しています。

他に海外ではRandom Movement、Rowpieces、Lenzman、Etherwoodといったプロデューサーもオススメです。

・シンガー/MCで探す

ドラムンベースは同時にシンガー/MCカルチャーでもあるので、これを軸に探しても面白い出会いがあります。ここで紹介するのは今年の1月にも来日したシーンを代表するシンガーのJenna GとRiya。Jenna Gはマンチェスターの人気パーティーのレジデントMC/シンガーからキャリアをスタートさせ〜歌やMCだけでなく、メジャーレーベルやドラマでの女優活動まで行うほどの才女。その特徴的な歌声はジャンルを超えて幅広い層に支持されています。( https://soundcloud.com/jenna-g )。またRiyaも数々のアーティストとの客演を経て、昨年レーベルSpearheadからリリースしたアルバム「Sublimation」がアーバンで清涼感ある歌声が印象的で、シーンのディーバとしての地位を獲得しています。

・レーベルで探す

ダンスミュージックを掘っていると、気なったアーティストがリリースしているレーベル自体が自分の好みの音を発信していることに気付きます。まるで枝葉のようにレーベルを軸にしていろんなアーティストに出会う事が出来るので、ここではレーベルを紹介していきましょう。リキッドファンク自体の歴史も長く、老舗レーベルV Recordingsが2004年からその名も「Liquid V」なるサブレーベルを設立、他にもシーンを代表するブラジル出身のDJ Markyによる「Innerground」、さらに先ほど紹介したMAKOTO氏もレーベル「Humanelements」で日本の才能を世界に発信しています。そしてLondon ElectricityやHigh Contrastなどドラムンベースの認知をさらに押し広げた名門レーベル「Hospital」も初心者の方にも聴きやすい作品もしっかり押さえています。最近はリキッドファンクをリリースするレーベルも多く、「Focuz Recordings」先ほどのRiyaもリリースしている「Spearhead Records」など気になって人はぜひこの名前でネット検索してディグの旅に出てください。きっと素晴らしいドラムンベースと出会えます。



前回は流行のサブジャンルを3つ紹介しましたが、(http://block.fm/news/tjo_freshers_subgenre.html)今回は一つのサブジャンルを3つの軸での探し方で紹介してみましたが、いかがでしたか?これをキッカケにさらにドラムンベースに興味を持ったあなた、ぜひパーティーにも遊びに行ってみてください。WOMBの「06S」、UNITの「Drum & Bass Session」、MAKOTO氏主催の「Human Elements」など好きなサウンドやゲストでまたその色合いを変えていくジャンルの面白さを体験出来ます。最後にまた一つ別の音楽の探し方として、DJ Mixから好きな曲に出会うという方法もオススメです。ここでは都内を中心に活躍するDJ MASA氏によるリキッドファンクのMixを聴いてお別れです。また次回の特集もお楽しみに。



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