タイは25日火曜日に行われた議会で医療用大麻の使用・研究を認める改正法案が可決された。東アジアとしては韓国が11月23日に麻薬法を改正し、てんかんを始めとした難病患者への医療大麻の処方を認めたが、東南アジアとしては今回のタイでの解禁が初めて。
1930年代まで痛み止めや疲労回復で大麻を使用してきたタイが1979年に改正された麻薬法を再び覆す結果となり、年が変わる前に急ぎ足で法案を取り扱ったことから、改正案の通過を「新年の贈り物」だと語る議員もいるようだ。
2018年は世界中で大麻解禁に向けて動きが目立った1年だったのではないだろうか。10月にはカナダが合法国家になると、続く11月には日本のお隣、韓国でも医療用大麻が解禁へ。そして今月に入ると、世界最大の都市で日本人にも馴染みの深いニューヨーク州が2019年より嗜好用大麻を解禁するというニュースも入ってきた。
韓国、タイと続くと日本への解禁の影響もあるのではないだろうか。しかし東南アジアの他の国では禁止されており、世界を見渡しても東南アジアは麻薬に対する処罰が厳しいことで有名。特にシンガポール、マレーシア、インドネシアでは麻薬の取引は死刑になることさえある。国によって大麻に対する価値観が違うことも難しい論点にはなるだろう。国どころかアメリカでは30もの州で医療用大麻が認められているが、その制限は州によって違うのだ。来年にはそうした議論もより活発化していくだろう。
医療用大麻が解禁されたとは手放しに喜ぶわけにもいかないようだ。嗜好用として解禁される予定のニューヨークでは大麻の税収だけで約280億円から約765億円が見込まれているという。収入が見込める大麻事業だけに、外国企業の参入によって自国の病院や研究者にとって大麻が遠い存在になることは避けたいだろう。
タイの医療研究者は「法律が実際に施工される前に、政府に外国企業からの特許申請を取り消すように要求する」と話している。
嗜好目的での使用は依然として禁止されているものの、医療用で解禁されることは”小さな前進”だとタイの大麻合法擁護団体のはコメントを残している。果たして2019年に解禁となる国はどこになるのか、そして日本での大麻の扱いはどうなっていくのだろうか。
written by #BsideNews
source:
https://www.cnbc.com/2018/12/25/thailand-approves-medical-marijuana-in-new-years-gift.html
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