BIMと☆Taku Takahashi、ラッパーの私生活を語る

BIMと☆Taku TakahashiがBIMの最新アルバム『Boston Bag』を語る。
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2020.10.24 06:00

AWAで配信中のPodcast『☆Taku Takahashiのほかでは聞けない話』よりBIMをゲストに迎えたトークの一部をご紹介。TakuとBIMがアルバム『Boston Bag』について話していました。





Taku:なんかポジティブな人だなって思ったんだけど、アルバムの中では結構自己否定が多いなっていう……。


BIM:うん。そうかもしれないですね。


Taku:まあ「多い」っていうか、自己否定感のある曲がぽつりぽつり入ってるのと、あとは物事を、自分に起こっていることすら俯瞰で見てるなっていう。


BIM:ああ、本当ですか? 結構今回……そうか。自分、今までの作品に比べたら、もう独り言みたいなことを詰めたつもりだったんですよ。


Taku:その独り言がね、俯瞰から来てるっていうか。たとえば「ステージではキラっとして」とか。「普段の私生活ではボロボロだったり」とかみたいな。あれ? それ、誰のリリックだったっけな? たぶんBIMさんのパートだったと思うけども。


BIM:「拳握り向かうステージの上」……これ、なんだっけ?


Taku:自分の曲ですよね?(笑)。


BIM:ごめんなさい(笑)。しかも今回の最新アルバムの曲ですよね。なんだっけ、これ?(笑)。ちょっと後で思い出します(※「Good Days feat. Cwondo」)。



BIM:でも、そうか……。自分を客観的に?


Taku:そうそうそう。


BIM:1人で歌詞を書いてる時に「俺ってどういうことを考えてるのかな?」っていうことをたしかに、自分を横から見てる感じはあるかもしれない。でも初めて言われましたね。


Taku:でもなんか、自己分析すげえなって感じて。あと、シーンに対してもそうだし。聞いていて、そう感じたんですよ。


BIM:ありがとうございます。


Taku:いや、いいアルバムですよ。


BIM:どういう感じで作ってたんだろうな。歌詞を書く時……。


Taku:いつごろ書いていたんですか?


BIM:でも本当、2月に1個前のミニアルバムを出して。


Taku:それで6月リリースでしたよね。


BIM:だからTakuさんとご飯に行かせていただいた時はまだ作っている途中でした。


Taku:後半の方?


BIM:もうギリギリの時で。だから3月は全然やる気がなくて。4、5、6で作ったんです。


Taku:まあでも、じゃあ6月に終わらせて6月にすぐに出しちゃったの?


BIM:8月に出したんで。だから4、5、6、7ですね。4ヶ月で作りました。そうか、俯瞰……。なんとなく自分の、前回のフルアルバムの時は「俺ってこういうやつなんだ」っていうことを知ってもらうために結構俯瞰で見て、自分を掘り下げていったというか。自分を知っていくためのアルバムだった感じがあるんですけど。今回はなんか、日記とまでは言わないですけど。その日に思っていることをそのまま素直に書くというか。


Taku:うん。なんか自分の私生活っぽい感じの。


BIM:だから「三日坊主」とか、自分が住んでる家の近くにある商店街の入り口の、なんかお婆ちゃんとかが洋服買うような婦人服屋さんがあって。そこがずっと閉店セールをやってるんですよ。


Taku:ああ、それでなんか閉店セールのことを書いていたんだ。




BIM:それで何年間も閉店セールやってるけど、それで本当にちゃんと閉店したりする時もあるんですけど、また1週間後、「またやってんじゃん!」みたいな感じ。で、それがなんかちょっと俺の活動と似ているな、みたいな。やる気が出たり、やめたいなと思ったりとかで。そういうのになんかちょっと似てる。けど、続いていて、なんか気になる存在みたいな感じで。それに自分をたとえて書いてみたっていう感じですね。


Taku:なるほどね。「ラッパーの私生活ってどんな感じなんですか?」っていうのを、思わされたの。あのアルバムを聞いていて。


BIM:へー!


Taku:なんか、そのクリエイターとかラッパーじゃない人からするとすごいキラキラした世界なんだけど、そうでもないんだよ、みたいなところを箇所箇所に書いているなって思って。


BIM:そうですね。なんか別に友達が多い方でもないし。周りのやつらもそういうやつらばっかりっていうか……たとえばkZmとか同じグループのやつらとかも、つるんでいるところはすごい狭いところでつるんでいて。だし、平日も「今日、会える?」みたいになって「ああ、今日はちょっと作業あるから無理だわ」みたいな感じだから。地元の友達、普通の社会に出て働いている地元の友達と生活感があんまり変わんないなとは思ってきてます。なんか……ラッパーだから特別、自由な時間がめちゃめちゃあるとかはあんまり自分では思ってないかもしれないですね。


Taku:うんうん。でも、とはいえかならず7時に起きなきゃいけないっていう生活でもないという。逆を言えば、時間帯がズレていて、朝まで働かなきゃいけない時もあるし……っていう。


BIM:そうですね。たしかに。Takuさんは生活リズムはどういう感じなんですか?


Taku:めちゃくちゃ。でも、曲は……それこそね、たとえばニューヨークにレコーディングに行って。ニューヨークの人たちってなんかもう10時ぐらいからミックスを始めて。あと、スタジオセッションも10時とかからやる人とかもいて。


BIM:朝のですか?


Taku:そういう人がいたりとか。その逆の人もいるんだけども。ちょうど僕がニューヨークに行った時には健康ブームで。俺もちょっとそういうのやろうかな?って思ったけど、やっぱり無理で。一番いいのは夜中、孤独を感じながら曲を書くのとか、曲を作るのが一番いいなっていう風に感じたりするけども。BIMさんは?


BIM:俺も窓を見て、俺しか電気がついてないって時が集中できる。なんか外が楽しそうだと、ちょっとあれしちゃうけど。でも2時とか3時にスイッチ入っちゃって、7時ぐらいまでとかありますね。


Taku:ベランダじゃなくて、屋根の上じゃなくて、どこだっけ?


BIM:ああ、「Veranda」っていう曲がありますね。ベランダでしかタバコを吸わないから、そこで何か物事をポーッと考える感じですけど。


Taku:そこでだったら……みたいな。


BIM:「ベランダでなら話せそうだ 秘密にしてたこと」って。


Taku:それは自分の至福の時だから、自分の気持ちを素直に言えるっていう意味?


BIM:そう。なんか1人の時間を自分の中で……一番、1人の時間だって思うのがなんかベランダでタバコを吸ってる時で。なんか、パソコンに向かって作業してる時って画面上にいろいろ出ているし。なにか考えるっていうよりも情報をもらってるみたいな感覚もあるんですけど。ベランダでタバコを吸ってる時は完全に自分との対話感があるので。「自分と話す」っていう感じの曲ですね。「Veranda」は。でも結構能天気に作っちゃったところもあるんですけど。



Taku:そのね、能天気の按配と緻密な計算の按配。あとはリズム、言葉の遊びの按配とかが全て詰まってるアルバムだなって思って。


BIM:ありがとうございます。褒められ慣れていないので(笑)。


Taku:すいません(笑)。


BIM:いえいえ。目、合わせられなくなっちゃうんですけども(笑)。


Taku:しかも、短期間で作ったアルバムっていう。


BIM:そうです。だからずっと遅漏だったので。


Taku:はいはい。音楽的遅漏。そのまま普通に遅漏だと……(笑)。


BIM:そのままだったらもしかしたら違うかもしれないですけども(笑)。だったので。今回は結構、自分でもびっくりしました。「おっ、できた!」みたいな。


Taku:うんうん。モチベーション、どうやったら高まるんだろう?


BIM:うん。なんか今、自分が作っている音楽を好きかもしれないです。好きじゃなかった時もあったので。


Taku:えっ、どういう時?


BIM:だからその時は、好きじゃなかった曲は出せなかったっていうか。全部お蔵になっているとは思うんですけど。でも今回は「あっ、これも好きだな」とか。作っていく中で結構、モードがいろいろなモードがあるけども。全部自分の中で「ああ、この曲は好きだな」って思うのができていったので。それをまとめて出せたっていう。



番組情報

▶「☆Taku Takahshiのほかでは聞けない話」


番組URL : https://s.awa.fm/album/c540a597dfb02e31c975


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