ストレンジャー・シングスは2016年から公開が始まったアメリカのドラマで、ジャンル的にはSFホラーだが、ミステリー色も濃い。1980年代のアメリカを舞台としているため、当時の音楽がふんだんに用いられているのも特徴だ。
ストレンジャー・シングスは、アメリカのザ・ダファー・ブラザーズが製作・監督を務めた作品である。ザ・ダファー・ブラザーズは双子の兄弟で、大学時代から短編作品が評価されるなど、存在感を放っていた。大学卒業後の『Hidden』で名声が高まり、本作を手がけることとなった、新進気鋭の若手クリエーターである。
この作品はザ・ダファー・ブラザーズが監督や脚本も務めるが、彼らだけではなく、助っ人を多数招き寄せて製作された。エピソードによっては別の脚本家がシナリオを描いたり、別の人物が監督を務めている。監督としてはショーン・レヴィも関わっているが、彼はヒット作であるナイトミュージアムなどで有名な人物だ。
このドラマは1980年代を舞台に、謎の科学実験や怪奇現象、不可思議な事件をスリリングに描き出している。思惑や陰謀が錯綜するが、かと言って難解で鑑賞しにくいわけではない。シーズン2まで完成されているが、人気のためにシーズン3の製作が決まっており、多数のファンから期待を集めている。
1983年のアメリカ・インディアナ州で起きた事件から、このストレンジャー・シングスと言うドラマは幕をあける。この地で暮らしていたウィル・バイヤーズが、ホーキンス国立研究所付近で異形の怪物と出会い、そのまま失踪してしまう。これと入れ替わる形で謎の少女が登場するのだが、これが髪の毛を剃り上げられたショッキングな成り立ちであった。これらの不思議な出来事は、これから続く事件の予兆に過ぎない。
ウィルを捜すために、彼の両親や友人、警察官のジム・ホッパーなどが奮闘するが、やがて、この事件の裏には何かがあることに気づき始める。捜査の妨害などの事件も起こりつつ、謎の少女の正体も徐々に明らかになっていく。登場人物の多くが重要な鍵を握るために、緊迫感の高いストーリーに仕上がっていると言えそうだ。
このストレンジャー・シングスは、ザ・ダファー・ブラザーズにとっては初の長編ドラマシリーズになったわけだが、すでに栄誉あるエミー賞を獲得している。編集賞、音響賞の他にキャスティング賞など、合計で5つの部門で受賞した。
1980年代を舞台に、ストーリーが展開してくストレンジャー・シングスだが、このドラマ作品では当時のテイストが音楽やグッズなどの形で登場するのも面白い特色である。若い方でも親しめそうな名曲の他に、判る方ならば楽しめる演出も散りばめられており、中々に遊び心が満載だ。
音楽面では、主人公であるウィル・バイヤーズが、父親の影響でThe Clash(ザ・クラッシュ)の「Should I Stay or Should I Go」を愛聴している。The Clashはパンクロック界に変革をもたらした存在で、同曲の他に「I Fought the Law」も知名度が高く、現在の日本でも時々、メディアで使用される機会がある。ちなみに、ウィルはテーブルトークRPGの名作「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」の熱心なファンで、ウィザードでのプレイが好みだ。このゲームをルーカスやマイクと良くプレイしていたらしい。
他にも、ストレンジャー・シングスではドラマ中で、The Police(ザ・ポリス)やドイツの人気バンドであるScorpions(スコーピオンズ)などの楽曲が利用されている。名曲が多いので、この点も注目して楽しんでみてはいかがだろうか。
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written by 編集部