2006年にUKのレーベル「Tempa」よりリリースされたSkreamによるダブステップの名盤『Skream!』が、今月末、発売から15周年を迎える。
UKダブステップの歴史において、重要な作品として知られる『Skream!』には、00年代のダブステップ躍進のきっかけになった名曲で、当時、ジャンルを越えて評価された「Midnight Request Line」やグライムMCのJMEが参加した「Tapped」など13曲が収録されている。
Skreamは、初期のダークなUKガラージに影響を受けたダブステップ・サウンドを発展進化させたプロデューサー/DJで、2010年にはエレクトロポップシンガーのLa Rouxらが参加した2ndアルバム『Outside the Box』をリリースしたほか、Magnetic Manのメンバーとして、セルフタイトルのアルバム『Magnetic Man』をリリース。同作はメインストリームでも成功を収めたが、それ以降、Skream自身の音楽性は変化。近年はハウスやテクノ系のプロデューサー/DJとして活動していた。
しかし、Skreamは昨年のコロナ禍中に初期の秘蔵音源をリリースしたほか、今年3月には自身のエクスクルーシヴのみでの久々のダブステップセットを披露するなど、ダブステップ回帰の動きが見られたこともファンの間では話題になっていた。
『Skream!』15周年にあわせて、SkreamはTwitterで「このアルバムのことを誇りに思っている」と述べている。ファンとしては、15周年記念盤リリースに期待したいところだが、残念ながらその予定はないようだ。しかし、なにやらブートレグ盤制作を示唆するような発言もあるだけに、今後はそちらに期待したい。
ちなみに以前、Skreamは、ダブステップの基本的なBPMがBPM140である理由について、「当時の音楽制作ソフト「FRUITY LOOPS 3」でプロジェクトを読み込んだ際の初期BPM設定がBPM140だったからだ」と述べている。
written by Jun Fukunaga
source:
https://twitter.com/I_Skream/status/1453688872534220803?s=20
photo: Oliver Jones Twitter