ビジネスからDJまで!? 元NBAプレイヤー「シャキール・オニール」の5つの秘密

NBA引退後はあらゆることに挑戦し、さらなる成功を手にしてきたシャキール・オニール。
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2018.07.04 11:00

現役時は身長216cmに体重156kg、靴のサイズ41cmと恵まれた体格を生かし、4度のNBAチャンピオン、3度のNBAファイナルMVPに輝くなど記憶にも記録にも残る活躍をしてきた、シャキール・オニールことシャック。


現役引退後は彼のコミカルなキャラクターがお茶の間に定着し、あらゆる方面で活躍している。シャックについてあまり知らない方は、彼のハイライトをご覧いただきたい。いかに彼が人間離れしていたか、いかに規格外の選手だったかをキャリアTOP10プレーと共に振り返ってみよう。




NBA引退後も人気を集め続ける理由は何なのか?


引退した後のNBAプレイヤーは大きな選択をしなければいけない、地獄に行くか天国に行くかだ。なぜこのような表現をするのかというと、多くのNBAプレイヤーは年齢の割には大きすぎるサラリーを受け取ることからだ。特に1巡目で指名されたルーキーは、(年齢的には)大学生でありながら数億円規模の契約が保証されている。


引退してからも、現役時代のようにお金を使ってしまうと、あっという間に破産してしまう。あるプレイヤーは財産がなくなってからも散財を続け、あるプレイヤーはお金の管理が出来なさすぎてキッチンにATMを設置した。


しかしシャキール・オニールは引退後も成功を続けている選手の1人だ。マイケル・ジョーダンのように、自分自身の名前をブランドレベルにまで階級を引き上げた選手の1人である。なぜ彼はここまで成功したのだろう。NBAからは少し離れて彼の功績を紹介したい。


1. レストラン「Five Guys」(ファイブガイズ)のオーナー。しかも店舗数は155! 



日本にはまだ未上陸だが「Five Guys」というレストランをご存知だろうか? 翌日お腹を下す可能性大の圧倒的なカロリーを擁するハンバーガーに加え、店内にはおかわり自由のフリーピーナッツが置いてある、かなりクレイジーなハンバーガー屋だ。彼は全国に155店舗を保持しており、その数は全体のシェアの10%を超える。シャックはこの他にも多くの投資をしており、プレッツェルの「アンティアンズ」、シリアルの「フルーティーぺブルズ」、プロテインの「マッスルミルク」、「ビタミンウォーター」、「アリゾナクリームソーダ」など、多くの食品会社、レストランに携わっている。


彼のポリシーとして、自分があまり利用しない商品に対しては、関わらないという方針がある。実際にスターバックスや、シリアル大手の「ウィーティーズ」(パッケージにプロスポーツ選手を起用することでも有名)からオファーが届いているが断っているのも、彼が広告として成功する秘訣なのだろう。



2. 現役時代に稼いだ資産を利用して不動産業も成功


NBAは最も給料の高いスポーツの1つだ。NBAは、中国を中心に世界中で人気を博しており、年々サラリーは高騰している。現在最高年俸の選手は、ゴールデンステイト・ウォーリアーズ所属のステファン・カリー選手で、1年で40億円以上を稼ぐ。シャックは現役時代に330億円を生み出し、当時スポンサーから払われていた額を組み合わせると、とんでもない金額になるのは間違いないだろう。


シャックは自身の価値を生かし、2006年に「The O'neal Group」を設立。マイアミに1000ユニットを超える居住地や、ラスベガスのナイトクラブなどを所持している。いずれも彼の業務は成功しているようで、1.のレストランと合わせ、毎年20億円以上の利益を出しているという。



3. 「シャック」ラメント・キングス!?



カリフォルニアのサクラメントに本拠地を置く「サクラメント・キングス」は、NBAのウェスタンカンファレンスに所属するチームの1つだ。同チームは近年特に苦労しているチームであり、2005-06シーズンを最後にプレーオフから遠ざかっている。2016-17シーズンにチームのエースであったデマーカス・カズンズをトレードで放出してから、チームは再建モードに走っており、今シーズンもプレーオフまでの道のりは遠そうだ。シャックは2013年に、2-4%の株を保有する共同オーナーに加わった。現役時代はライバルとして死闘を繰り広げたチームに、なぜ彼は興味を示したのだろう。


考えられる大きな理由の1つは、サクラメントの経営方針だ。2016年に完成したサクラメント・キングスの新スタジアム「ゴールデン1センター」は、約550億円をかけて建設され1万7500人の収容能力を誇っている。このスタジアムは100%太陽光発電を利用して運営されており、NBAの先駆けとなった。新スタジアムが地元サクラメントでの人気を後押しするのは間違いない。


また同チームはNBA全30チームの中で最もテクノロジーに精通しているチームとも言われている。上記で述べた太陽光発電に加え、TwitterやGoogle Glassを最初に使ったチームとも言われ、空中からの撮影をより多角的にするためドローンなどもいち早く取り入れている。多くのことに挑戦しているシャックにとって、サクラメント・キングスの方向性はかなり相性がいいようだ。まさに「シャックラメント・キングス」である。


4. DJとして世界ツアーが決定! 



「シャックがDJ」、この言葉を聞いた時最初に思い浮かべるのは、セレブリティDJではないだろうか? ある程度人気を誇る有名人がDJをすると集客も見込めるし、会場の経営としては成功である。しかしシャックは、技術の全くない「セレブリティDJ」であることを真っ向から否定している。


「多くの人が俺のことをセレブリティDJだと思っているがそれは違う。14歳の時からDJを初めて、ルイジアナ州立大学にいた時も、NBAにいた時でさえもDJはしていた」


ツアーは北京、上海からスタートし、アメリカの主要都市やバハマ、カナダなども回る予定だ。最後の3公演はシークレットとなっており、サプライズが楽しみである。


5. お茶の間に定着させたコミカルなキャラクター



シャックは2011年よりNBAアナリストとしてTNT(Turner Network Television)に参加しており、彼のキャラクターはアメリカ中に浸透した。中でも人気な企画が、「Shaqtin' a Fool」というコーナーで、NBAの珍プレーを集めたものだ。爆笑しながら紹介するこのコーナーは誘い笑いを巻き起こし、現役のNBAプレイヤーにまで大きな影響を与えいる。


そんなシャックの人情味とクールな笑いを感じ取れる、エピソードを紹介したい。


撮影禁止の場所でカメラを使っている人を見つけたら本来どうするべきであるか。おそらく答えは1つ、「つまみ出す」が正しい判断だろう。ところがシャックの対応は違った。iHert Radioでホストなども務めるDomenick Natiは、右のポケットにカメラを忍ばせ、シャックの動画を取ろうと挑戦した。後にその動画を確認すると、驚きの8秒間が写っていた。問題の動画はこちらだ。

 

携帯の存在に気づいていたシャックはあろうことか、シャッターのタイミングでこちらに変顔をしてきたのだ。まさにシャックらしい、シャックにしかできない素晴らしい対応だった。正面からの写真がかなり味わい深い。

Jokes on me. @SHAQ 1 Domenick 0 pic.twitter.com/1gKdifgBgv

  

シャキール・オニールは一体何者なのか?


シャックの肩書きを一度整理してみよう。元NBAプレイヤー、レストラン経営者、不動産経営、スポーツチーム共同オーナー、DJ、NBAレポーター... この他にもシャックの名を冠したブランド商品や、グーグルの株主であるなど、まさに無限の進化を遂げているビジネスマンである。誰にも真似できないようなスタイルで、子供から大人までファンを味方につけたシャックは今後どのジャンルに注目するのだろうか?


持ち前のキャラクターを活かし、世界の広告となっているシャキール・オニールはNBAが産んだ宝に間違いない。自分に正直に、時にはユーモアに変え、大きな力を生み出す彼の姿勢から学べることは多い。



written by Yoshito Takahashi


source: 

https://moneyinc.com/shaquille-oneal-entrepreneur/ 

https://www.billboard.com/articles/news/dance/8462864/shaquille-oneal-dj-tour-summer-of-shaq-dates 

https://www.hotnewhiphop.com/shaq-selling-his-enormous-orlando-estate-for-s28m-news.50458.html 

https://hoopshype.com/salaries/players/ 

https://www.forbes.com/sites/mikeozanian/2013/09/24/magic-johnson-buys-less-than-5-of-sacramento-kings/ 

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1807/03/news087.html 


photo: Shaquille O'Neal Facebook



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