人気のDJソフト「Serato DJ」を販売するSeratoが新たに音楽制作ソフト「Serato Studio」を発表した。
Serato Studioは、音楽制作に興味があるDJ向け音楽制作ソフトとして設計されたもの。これまでにリリースされているSerato DJのほかにSerato対応のミキサーやコントローラー、MIDIコントローラーにも対応する。
機能の特徴としてまず挙げられるのはSerato DJとの連動だ。この機能ではSerato DJのライブラリーのようにキューポイント、BPM、キーなどの情報を管理することが可能。またユーザー向けに300以上のビートパターンのプリセットも導入。ユーザーはこれを使ってトラック制作を行うことできるという。
さらにピッチ・アンド・タイム・ストレッチング機能もあり、制作した曲のキーやBPMの調整も手軽に行える。そのほかに音楽制作を始めるために必要なドラムキット、ループ、サンプルといった音素材やインストゥルメントなども用意。どちらかといえばサンプルを中心に組み立てていくタイプの音楽制作ソフトという印象を受けるが、外部のVST、AUなども使用することができる模様。また音楽理論を知らない人でも設定したキーにあわせてインストゥルメントやプラグインを演奏可能だ。
サウンドのミキシング面では、Serato DJでおなじみのDJチャンネルミキシングストリップで専用のゲイン、EQ、フィルターなどを使ってミックスを仕上げることもできるという。波形表示はSerato DJ由来のカラフルな波形表示が採用されているとのこと。
それ以外にビートメイクのためのシーケンサーはシンプルな仕様でTR-808タイプのステップシーケンサーを採用。曲の構成自体は制作したループやサンプルをシーケンサー画面に並べて作り上げていくスタイルになっている。
そしてもうひとつ、Serato Studioで注目すべき点は、このソフトが通常の販売形態ではなく、定額制のサブスクリプション型音楽制作ソフトとしてリリースされる点だ。そのため利用者は定期なアップデートと毎月新たなサンプル素材を受け取ることができると報じられている。
現時点ではまだ正式なリリース日や価格は発表されていないが、DJ Tech Toolsではベータ版のレビューで操作性の面で非常に簡単かつDJフレンドリーだと太鼓判を押す。公開されているデモ動画などでユーザーインタフェースを見ていると確かにSerato DJライクだ。この点はSeratoユーザーで今後、音楽制作も行いたい人にとっては”入り口”の部分になりそうだ。今後の続報に期待したい。
written by Jun Fukunaga
source:
https://serato.com/studio-beta
photo: Serato