最近はPCのDJソフト、DAWやスマホアプリを使えば、誰でも簡単にDJミックスやマッシュアップを作ることができるが、今回ご紹介する「Rave」では、好きな曲をデスクトップブラウザに並べるだけで自動でDJミックスやマッシュアップを作成することが可能だ。
普通ならDJミックスを作るにしてもマッシュアップを作るにしても、なんらかの操作が必要だが、このサイトでは、まず、DJミックスかマッシュアップかどちらを作るか選び、次にYouTubeかSpotifyどちらかの音楽プラットフォームを選択。ブラウザ上にある検索窓で、好きな曲を選ぶだけというシンプルな操作でDJミックス、マッシュアップどちらでもすぐに作ることができる。
というわけで、早速自分のDJミックスを作りろうと思い、YouTubeから好きな曲を選択。ちなみにYouTubeを選んだ理由は、Spotifyの場合、ログインが必要だったから。筆者はそのログインパスワードが思い出せなかったというなんともダサい理由で今回は、YouTubeを選択してみたわけだ。
その際に行った操作は、本当に自分がミックスしたい曲名を検索窓に入れて、次々にその曲を並べていくのみ。最後にそのトラックリストに出てくる”MIX~TRACKS”というボタンをクリックすればOK。あとは3分程度待てば自動で、サイトがDJミックスを行ってくれるというお手軽さ。また作成したDJミックスはSNSでシェアしたり、リンクを作成して友人や知人とも共有できる仕組みになっている。
ちなみにミックスのタイトルも選んだ曲名を元に、サイトが命名。筆者は今回、下記のようなテクノ、エレクトロ、EDM、Waveの有名曲をピックアップしてみたところ、「One Dance Minimix」というミックスタイトルが自動でつけられていた。
あと選んだ曲が7曲だとミックスには少ないというアラートも表示された。余談だが10曲にしてみた場合は”Minimix”ではなく”Mix”と表示されたこともお伝えしておきたい。
肝心のミックスはというと、BPM(テンポ)だけでなく、プレイされる曲の順番もどうやら選んだ曲によっては自動でサイトが判断してミックスしていくということがわかった。またYouTubeのMV音源を使った場合、曲の再生部分のMV映像も一緒に流れる仕組みになっていることもわかった。
そして肝心のミックスだが、完成した音源の仕上がり具合は、正直、粗めだと言わざるを得ない。かすかにフェードアウトしながらカットインするような感じで曲が繋がれていくので、流れるような4つ打ちスタイルのミックスを求めている場合は、やはり不満が残る。この部分については、今後サイトがアップデートされて、精度が上がることに期待したい。
次にマッシュアップだが、最初の画面でミックスではなくマッシュアップを選択し、自分がマッシュアップしたい曲を2曲選択。こちらも少し待てば自動でマッシュアップ(曲名も自動でマッシュアップ)を作ってくれる仕組みで基本的な使い方はDJミックスと同じ。またサイトで作った音源も共有可能だ。
最初のマッシュアップでまず選んだのは、最近の和モノレアグルーヴやFuture Funkの元ネタとして人気の秋元薫「Dress Down」と、Daft Punkの有名曲「Around The World」の2曲。マッシュアップでは、どうやら最初に選んだ曲が元曲になり、そこにもう1つの曲が被せられる仕組みになっているようだ。精度としては、まずまずの出来上がり。曲の長さは、2分未満に収められているものの、最初の「Dress Down」のイントロはちゃんと活かされており、それが終わったタイミングで「Around The World」のキックが入ってくるといった感じだった。
次に元々のBPMの差がある曲同士のマッシュアップを実験。使用したのは、ヒップホップのXXXTentacion「Moonlight」とThe Original Gabba「Kick Some Azz」という高速BPMのガバ曲。これについては、激しいガバキックがトラップのトラックでどのように聴こえるかをただ知りたいという好奇心なのだが、結果的には「Kick Some Azz」のビートが「Moonlight」のBPMに合わさる形になり、かなり激しいブレイクビーツリミックス化。これはこれでまあ良いなという感じだった。
最後にモロ使いサンプルとその元ネタをマッシュアップしてみたらどうなるのか? ということで、Lil PeepのOasisネタの「Yesterday」とその元ネタ「Wonderwall」をマッシュアップ。さすがに両曲が同じフレーズになっているだけあって、相性は悪くなく、むしろ、Lil PeepとLiam Gallagherのコラボ曲みたいになってなかなか良い感じだった。
このようにマッシュアップも場合によっては、DJミックスと同じようにやや難ありな仕上がりになることは間違いないが、こちらも今後精度が上がればよりクオリティの高いものが作れそうだ。
なお、Rave DJでは、サイトで作ったDJミックス、マッシュアップを同サイトのYouTubeチャンネルにアップロードすることも可能だ。現在、そこで公開されているマッシュアップは、なかなか良い仕上がり具合なので、そちらも是非1度チェックして頂きたい。
正直なところ、現段階ではクラブでのプレイやSoundCloudに公開したくなるレベルのクオリティではないが、これからDJやマッシュアップを作りたいと考える初心者にとっては、その雰囲気を気軽かつ手軽に味わえる良いサイトではないだろうか? サイト自体はDJソフトやアプリとは違いダウンロード不要かつ使用料無料なので気になった人は1度お試しあれ!
▶︎Rave DJ
written by Jun Fukunaga
source: https://www.rave.dj/fhA478LYMF6RAg
Photo: Rave DJ