メンバーや活動内容など謎が多い人気DTMユニット!! 「Inner Blue」などの楽曲で注目を集める・パソコン音楽クラブとは?

人気DTMユニット・パソコン音楽クラブの謎に迫る
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2020.03.29 19:00

人気DTMユニット・パソコン音楽クラブの謎に迫る


ダンスミュージック界で注目されているDTMユニット・パソコン音楽クラブ。「Inner Blue」など人気の楽曲をいくつも世に送り出している彼らだが、メンバーの露出が少なくまだまだ謎が多い。今回はそんな謎のDTMユニット・パソコン音楽クラブについて詳しく紹介する。



謎に包まれたパソコン音楽クラブのメンバー


2015年に結成されたパソコン音楽クラブは、90年代の音楽モジュールやデジタルシンセサイザーを用いて音楽を作り出す集団である。気軽に楽しく音楽を作るという目的で、部活のような感覚で活動を行っている。メンバーは代表の「らくたむ」、プレイヤーの「柴田」、「西山」、「塚越」、マネージャーの「まほちゃん」の5人だが、露出が極端に少ないため謎に包まれている部分が多い。当初はSoundCloudなどで作品を発表していたが、注目を集めるようになりMaltine RecordsからEPをリリース。他のバンドにはない特異な音楽性と、謎めいた活動が話題となり着実にその名を知らしめていった。



パソコン音楽クラブの音楽性や活動


パソコン音楽クラブの音楽性の核となっているのは、1980年代から1990年代に汎用されてきた音楽モジュールである。ジャンク品として扱われることも珍しくない古いシンセサイザーなどを用い、懐かしくも新しい独自の音楽性を追求している。DTMと言われるパソコンを使用した音楽制作をメインに行っているが、音楽的ベースは楽器演奏にあるようです。メンバーの西山は学生の頃ギターをプレイしており、フュージョンなどのジャンルを好んで聞いていた。柴田は子供の頃ピアノを習っていたが、譜面通りに弾くのが好きではなく、シンセサイザーやエレクトーンに興味を持つようになったようだ。


この2人が大学時代に共通の友人を通して出会い、パソコン音楽クラブのもとになる活動が始まった。2人で色々な音楽の話をしているうちに、昔のゲーム音楽に使われていたチープな電子音の素晴らしさに気づき、そういった音を使って新しい音楽が作れないかと試行錯誤を始める。1980年から1990年代のシンセサイザーに興味を持った2人は、中古機材屋を巡り古い音源モジュールを集めた。お互いに購入した機材を用いて曲を作り、聴かせ合いをするため共用のSoundCloudのアカウントを作ったのだが、その時のアカウント名が「パソコン音楽クラブ」だったのだ。


2人で始めたパソコン音楽クラブだが、活動を続けるうちに徐々にメンバーが増えてきた。しかし、実際音楽創作面に絡んでいるのは西山と柴田だ。他のメンバーは裏方に周りサポートを行っているようである。2018年に初のCD作品『DREAM WALK』をリリースしてからは、コアなDTMファンだけでなく幅広いリスナーに注目されるようになった。精力的に活動を続けすぐにセカンドアルバム『Night Flow』を発表。これまで得意としていたダンスミュージックだけでなく、環境音楽も取り入れさらにファンを増やしていった。ソフトウェアの音源ではなく、あくまでハード音源に拘って作られた彼らの音楽は、tofubeatsなど多くのミュージシャンから評価を受け、活動の場を広げていくことになる。


他アーティスト作品への参加はもちろん、TVのCMソング、ライブ、リミックス作品の製作など様々な分野で活躍している。2019年に発売した『Night Flow』では、個性派のアーティスト達を迎えたことで注目を集めた。長谷川白紙やunmo、イノウエワラビなどが参加しただけでなく、電気グルーヴなどを手がけた人気のマスタリングエンジニア・得能直也も参加している。



「Inner Blue」など代表曲が収録された『DREAM WALK』は聞く価値あり


まだパソコン音楽クラブの楽曲を聞いたことがない人が、押さえておきたいアルバムは2018年に発売されたファーストアルバム『DREAM WALK』だろう。このアルバムには、「Inner Blue」や『Virtual TV」、「OLDNEWTOWN」など、パソコン音楽クラブを象徴する楽曲が多数収録されている。印象的なシンセメロが特徴の走在から始まり、トークボックスのメロディーが際立つ「Virtual TV」、ライブの定番曲になっている「Warterfront」、哀愁ただようメロディーとイノウエワラビのボーカルがマッチした「Inner Blue」、どれもパソコン音楽クラブらしいオリジナリティ溢れる楽曲ばかりだ。アルバムのピークになっているのが「Inner Blue」である。


「Inner Blue」はボーカル入り楽曲ということで、非常に聴きやすくこの楽曲を聞いてパソコン音楽クラブのファンになる人は多い。イノウエワラビをゲストボーカルに迎えた「Inner Blue」を聞けば、パソコン音楽クラブがただのダンスミュージックアーティストではないことが分かるだろう。「Inner Blue」や「Warterfront」が入ったアルバム『DREAM WALK』は、パソコン音楽クラブを知らない人がまず聞きたいアルバムの1つである。



さらなる活躍が期待されるパソコン音楽クラブ


メンバーの露出が少なく、まだまだ謎の多いパソコン音楽クラブ。プレイヤーやマネージャーなど様々なメンバーがいるが、特に注目されているのが西山と柴田だ。パソコン音楽クラブの楽曲を手がける主要メンバーの2人は、有名アーティストとのコラボや作品提供、リミックスなど様々な分野で活躍している。彼らの1番の特徴は、ハードの機材にこだわり続けていることだろう。ライブでもシンセサイザーなどの音源を駆使し、生の音で観客に送り届けている。ダンスミュージックだけでなく、ポップスや環境音楽など様々なジャンルの音楽を取り入れ、成長し続けている彼らのさらなる活躍が期待される。




written by 編集部


photo: https://www.youtube.com/watch?v=30kmoqeb7MQ


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