日本には数多くのDJが存在しており、その中でも有名な人物の多くは20代から30代までの若い世代に集中している。そんなDJの中には高齢者と言われる年齢の者も多く、日本最高齢の現役DJとして注目を集めている人物もいるのだ。そこで今回は、そんな日本最高齢の現役DJについて紹介していく。
ECDは56才でありながら現役DJとして活躍していた、男性DJとしては日本最高齢の人物である。
彼は伝説的ヒップホップ・イベントとして知られている「さんピンCAMP」のプロデュースを担当していた人物で、日本語ラップの先駆者として多くのDJやラッパーを先導してきた。また選挙演説でのゲリラライブや脱原発運動・反レイシズム運動などにも積極的に参加してきたなど、常に社会と向き合う意識を持ったDJとしても有名である。
そんなECDは2016年に上行結腸と食道が進行性がんに罹患している事実を公表しながらも、引退することなく最期まで現役DJを続けていた。その理由としては明記されていないものの、闘病中にもかかわらず積極的に音楽活動や社会活動を続ける姿に感銘を受けたファンも多いという。
残念ながら2018年1月に逝去されたが、その瞬間まで日本最高齢の男性現役DJとしてキャッチコピーを名乗っていた。
男性の日本最高齢の現役DJは56歳だが、女性の日本最高齢の現役DJは驚きの80代である。
DJ SUMIROCKは昼間は餃子屋を営んでいる料理人であり、老舗料理店の女将として活躍している。そして夜になると現役DJとして数多くのクラブで活躍しており、80代とは思えないほどのパワフルな演奏で多くの客を魅了しているのだ。そんなDJ SUMIROCKがDJを始めたのは77歳の頃で、店の手伝いをしていた台湾人に誘われたことがきっかけだったという。同世代が年金生活でまったりと生活していく姿に自分を重ねた結果、耐えられなかったという点が大きな理由となっているらしい。また現役でDJを続ける理由としては「新しいことを初めてそれをやり続けることが楽しい」というシンプルなもので、自分のかけた曲で客が喜ぶ姿や盛り上がって踊る姿に楽しみを見出しているところが大きな理由となっている。
ちなみに目標としてニューヨークのクラブでのプレイに憧れていると話しているほか、「死ぬんだったらDJブースの中か料理しながら」とも語っているという。
このように日本では男性も女性も高齢と言われながら現役DJで活躍している人物がいて、若いDJ以上にパワフルかつエネルギッシュに活動していることがわかる。このような姿には日本最高齢の現役DJというキャッチフレーズがつけられているものの、実際には日本最高齢であるという事実や年齢を感じさせない熱意があるのだ。
例えばすでに死去しているものの、56歳でがんの闘病もしながら現役DJとして活躍していたECDは、死ぬ直前まで音楽活動を続けていた。そこには死の直前に苦しんでいる様子はなく、音楽家として自分がやりたいものや訴えたいものを最後までDJとして表現し続けた姿が多くのファンの胸に焼き付けられている。
そして現在日本最高齢の現役DJとして活躍するDJ SUMIROCKは、中年だからこそ若い人物よりも心配だと笑いながら謙虚な姿勢でDJを続けている。そこには若い世代だけではなく中高年や同世代に伝えたい思いやメッセージ性があると言われており、新しいことを始めるためには年齢は関係ないことやいつでも何かを始める「最高のタイミング」であることを訴えていると言われているのだ。
日本最高齢の現役DJだからこそ訴えることができる思いやメッセージ性は若いDJでは表現できないものが多く、だからこそ多くのファンに支持されていると考えられているようだ。
Photo: https://twitter.com/ecdecdecd
Written by 編集部