毎週金曜日に放送されている「shibuya OIRAN warm up Radio」。6月28日の放送では、ゲストに沖縄のシンガー、Naz(ナヅ)を迎えてトーク。Nazの音楽的なバックグラウンドなどについて話していました。
Naz
2000年沖縄県沖縄市生まれ19歳。独学で歌を学び、13歳の頃に沖縄で開催された世界的オーディション番組「X FACTOR OKINAWA JAPAN」に出場。その歌唱力で、審査員たちから絶賛される。その後音楽活動の場を広げ、高校生でありながら、Nabowa「My Heatbeat(Belongs To You)」、冨田ラボ「OCEAN feat. Naz」と各アルバムリード曲のゲストヴォーカルを担当する。今後は沖縄とロンドンを活動の拠点とし、さらなる音を追求していく。
カワムラユキ:Nazは沖縄の子なので「ゆんたく」…ゆっくりしゃべってチルすることを沖縄では「ゆんたく」って言うんですが、今日はお家に来てもらってのんびりするみたいな感じでお話いただければと思います。まずは1曲紹介したいのですが、これはWONKの江崎文武さんがプロデュースされた曲ということで。私、この曲がほんとに好きで…リリックの内容もすごくよくて。リリックもぜひ読んで欲しいんですけれども。私も幻冬舎plusの音楽エッセイで書かせていただきました。
Naz「Fare」
カワムラユキ:毎週「Nazがいいよ」って言い続けてたら、ついに来てくださいました。Welcome to block.fm。Nazさんです。
Naz:Nazです。はじめまして。よろしくお願いします。
カワムラユキ:なんと、今回が初取材。すごく嬉しいです。最初にNazの歌声を聴いたとき、どこの国のどんな背景を持った声なのかわからなくて、ただその音波に癒やされるなぁと思って。家のベランダから夕焼けを見ながら聴いてたんですよ。
Naz:嬉しいです。
カワムラユキ:「Fare」は本当に好きな曲で。リリックは自分で書いたんだよね? 一体どこからあのイマジネーション、インスピレーションが湧いてきたの?
Naz:あれは内容的には高校生のときに感じていたことを言葉にして。
カワムラユキ:高校生のときにあれを感じていた…。Nazと接してると、なんだかすごくリラックスするし、ぼーっと海を眺めてるような人生の最終形を感じるんですけれども。みんな忙しいし騒がしいし、ピリピリしてるじゃない? Nazは真逆だね。
Naz:沖縄ですから(笑)。
カワムラユキ:私、沖縄すごく好きで。コザとか…。
Naz:私、コザに住んでるんですよ。
カワムラユキ:えっ! ほんとに!? 当てちゃった? 歌声から勝手に感じてたのかな(笑)。沖縄に行くと3日間くらいコザに泊まるほど、好きなの。レコードとかディグりに行ってた。
コザは那覇から車で1時間くらいのところにある街で、音楽が溢れてる場所なんです。音洞(おとぼら)っていう箱とか、コザ・ミュージックタウンとか。やっぱり子供のころから音楽が周りにあったの?
Naz:両親が音楽が好きで聴いてたんです。父親も安謝のGrooveっていうライブハウスでギター弾いたり歌ってたりしたので、ライブハウスによく聴きに行ったりとか。
カワムラユキ:13歳のときのオーディション番組にもご両親が出てくるもんね。お父さんがやってたのは西洋の音楽?
Naz:はい。UKロックとかオルタナティブ・ロックが好きで、私も小さい頃からずっと聴いてました。
カワムラユキ:今後ロンドンに留学するのも、そういう影響で?
Naz:そうです、あとブリティッシュ・イングリッシュが好きで。
カワムラユキ:なるほど。歌のときにそれがいきてますね。歌は英語で歌ってるじゃない? ご両親は日本人だけど、英語はどうやって学んだの?
Naz:英語は聞いて覚えて、耳コピみたいな感じで。最初はデタラメだったんですけど。
カワムラユキ:耳が良いんだね。お母さんは音楽は?
Naz:いや、やってないです。聴くだけ。David Bowieがすごく好きで。ColdplayとかRadioheadとか。
カワムラユキ:周りにあった音楽はすごくエネルギーに溢れたものだったんだね。影響を受けたシンガーはいますか?
Naz:本格的に歌い始めたときに、ちょうど映画の『バーレスク』をやってて。そこでChristina Aguileraに出会って。そこから「彼女みたいに歌えたら」と思って、毎日真似して歌ってました。
カワムラユキ:オーディション番組のときも「Something's Got a Hold on Me」歌ってましたもんね。
カワムラユキ:歌は独学で学んだってことなんだけど、具体的にはどうやって勉強したの?
Naz:勉強って言うほどのことじゃないんですけど、ひたすら聴いて、全部耳で覚えられるように。だからとにかく聴いてましたね。歌詞の意味も最初わからなかったので、全部音として覚えてました。
カワムラユキ:脳で覚えるっていうより、体で体得していくタイプなのね。今歌ってる歌も英語のリリックだけど、それにこだわってる理由はありますか?
Naz:幼いときから音楽と言ったら英語で、英語の曲しか聴いてこなかったので。オリジナルを作るってなったときも、英語のほうがしっくりくるというか。日本語でも好きな曲はあるんですけど、英語のほうがやっぱりしっくり来ます。
カワムラユキ:そうなんだ。日本語の曲はどんな曲を聴くの?
Naz:LOVE PSYCHEDELICOさんとか、中島美嘉さんとか…。
カワムラユキ:日本語に聞こえない日本語の曲だね(笑)。沖縄だから、島唄とか民謡とかはどうだった?
Naz:そんなに身近になかったっていうか、意外と触れる機会がなかったですね。
カワムラユキ:でもコザは“100%日本”って感じじゃないもんね。アメリカとかいろんな国のエッセンスが混じった、すごく独特の街。いいJAZZ喫茶とか、いいレコード屋さんとかが密かにあって、すごく通ってたんですよ。アポロレコードっていうすごくゆるーい雰囲気のレコード屋さんとバーが銀天街にあって。そこにJAZZのレコードを買いに行ったりしてたんですけどね。
沖縄で一番好き。もしかしたらすれ違ってたかもしれないね。怪しい金髪のお姉さんと(笑)。そういう街からNazが出てくるのかぁ、嬉しいな。そして今日はなんとスタジオ・ライブをやってくださるということなんですけれども。まず歌っていただくのが「White Lie」。これも歌詞がすごいですね…。
Naz:これはWONKの長塚健斗さんが詞を書いてくださったんです。作詞の前にお電話で話して。私は自分に嘘をついたり、自分を隠したりしてる部分が多くて、それを“些細な嘘”っていう歌詞で書いていただきました。
カワムラユキ:19歳にしては深い内容ですよね。
Naz 「White Lie」
カワムラユキ:Nazは歌ってるときとしゃべってるときが一緒だね。人が変わるようなシンガーもいるけど、Nazはずっと歌ってるみたいだし、ずっとしゃべってるみたい。だからストレートに心に響くのかも。英語で歌ってるんだけど、英語とか日本語を超えて、音波としてメッセージが伝わってくる。
今日は来てくれてありがとう。今度は沖縄、コザで遊びたいね。
Naz:はい、ぜひ。
Naz「JUQCY」
2019年7月24日リリース
01. White Lie
Music:Ayatake Ezaki(WONK) Words:Kento NAGATSUKA(WONK)Produce & Arrange: Ayatake Ezaki(WONK)
02. Clear Skies
Music:Keiichi Tomita(TOMITA LAB) Words:Lori Fine Produce & Arrange: Keiichi Tomita(TOMITA LAB)
03 Rain Wash
Music:Naz Words:Naz Produce & Arrange : Keiichi Tomita(TOMITA LAB)
04 Fare
Music:Naz Words:Naz Produce & Arrange: Ayatake Ezaki(WONK) Chorus:Kento NAGATSUKA(WONK)
05 These Boots Are Made for Walkin'(Nancy Sinatra Cover)
Music:Lee Hazlewood Words:Lee Hazlewood Sound Produce & Arrange: Ayatake Ezaki(WONK)
shibuya OIRAN warm up Radio
毎週金曜日20:00-21:00放送
https://block.fm/radios/17
written by 編集部