イギリスのミドルズブラに新たなレコードプレス工場が誕生する。
近年は音楽ストリーミングが主流になるもののアナログレコードの需要は伸び続けている。アメリカでは昨年、コロナ禍の影響で音楽シーンが大打撃を受けたが、アナログレコードの総売上は2754万枚で、2019年と比較して46.2%増加した。また、2020年は15年連続でアナログレコードの年間売上が伸びた年となり、1991年にMRCデータが売上調査を開始して以来、アナログレコードが過去最高の年間売上を記録した年となったとBillboardが報じている。しかし、その一方ではレコードプレス工場の数が少ないことから、レコードプレスを希望するも大規模なレーベルが優先され、小規模なインディペンデント系レーベルはレコードプレスのための長い待機時間に悩まされていることも以前、報じられていた。
小規模なレーベルやインディペンデントアーティスト向けのレコードプレスでは、今年1月にBandcampがクラウドファンディングによるレコードプレスサービスを立ち上げている。これは昨年、BandcampのLP盤の販売枚数が前年の2倍にあたる200万枚以上を記録し、レコードを販売しているアーティストやレーベルにとっては、全体収益の50%を占めるまでになっているにも関わらず、2020年にBandcampで販売されたアルバムのうち、ヴァイナル盤を提供しているのはわずか12%に過ぎなかったことを受けてのもの。
現在も需要が高まる傾向にあるアナログレコード。今回のような小規模なレーベルを優先するレコードプレス工場の誕生は、レコードでのリリースを考えるインディペンデントレーベルやアーティストにとっては朗報ではないだろうか?
written by Jun Fukunaga
source:
https://www.dummymag.com/news/bandcamp-vinyl/
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/95948/2
https://daily.bandcamp.com/features/bandcamp-vinyl-pressing-service
photo: pixabay