イギリスに小規模なインディペンデント系レーベルを優先的に取り扱うレコードプレス工場が誕生!

工場では毎月10万枚のレコードをプレスすることを目標にしている。
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2021.04.15 10:00

イギリスのミドルズブラに新たなレコードプレス工場が誕生する。



小規模なインディペンデント系レーベルを優先的に取り扱う


「Press On Vinyl」というプロジェクトの工場は、ミドルズブラのTees Advanced Manufacturing Park内に設立される予定で、毎月10万枚のレコードプレスを目指す。 経営者は、Danny Lowe, David Todd and David Hynesで、彼らはこれまでに10人を雇用。工場では小規模なインディペンデント系レーベルを優先的に取り扱う予定で、2021年末までにチームを30人にまで増員したいと考えている。

Teesside Liveの報道によると、Danny Loweは「ミドルズブラが地元の3人として、TeesAMPでこのユニークなビジネスを立ち上げることができて、とても興奮している」、「本業のエンジニアリングと経営管理のスキルに音楽業界の幅広い知識を加えて、史上初のレコードプレス工場をイングランド北部だけでなく、特にミドルズブラに建設することができることをとても誇りに思っている」と述べている。



アメリカでは15年連続でアナログレコードの年間売上が伸びている 


近年は音楽ストリーミングが主流になるもののアナログレコードの需要は伸び続けている。アメリカでは昨年、コロナ禍の影響で音楽シーンが大打撃を受けたが、アナログレコードの総売上は2754万枚で、2019年と比較して46.2%増加した。また、2020年は15年連続でアナログレコードの年間売上が伸びた年となり、1991年にMRCデータが売上調査を開始して以来、アナログレコードが過去最高の年間売上を記録した年となったとBillboardが報じている。しかし、その一方ではレコードプレス工場の数が少ないことから、レコードプレスを希望するも大規模なレーベルが優先され、小規模なインディペンデント系レーベルはレコードプレスのための長い待機時間に悩まされていることも以前、報じられていた。

小規模なレーベルやインディペンデントアーティスト向けのレコードプレスでは、今年1月にBandcampがクラウドファンディングによるレコードプレスサービスを立ち上げている。これは昨年、BandcampのLP盤の販売枚数が前年の2倍にあたる200万枚以上を記録し、レコードを販売しているアーティストやレーベルにとっては、全体収益の50%を占めるまでになっているにも関わらず、2020年にBandcampで販売されたアルバムのうち、ヴァイナル盤を提供しているのはわずか12%に過ぎなかったことを受けてのもの。

現在も需要が高まる傾向にあるアナログレコード。今回のような小規模なレーベルを優先するレコードプレス工場の誕生は、レコードでのリリースを考えるインディペンデントレーベルやアーティストにとっては朗報ではないだろうか?


written by Jun Fukunaga

source:
https://www.dummymag.com/news/bandcamp-vinyl/
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/95948/2
https://daily.bandcamp.com/features/bandcamp-vinyl-pressing-service

photo: pixabay



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