MUTEK.JP 2019、絶対に見ておくべき最先鋭出演アーティストをピックアップ!

今年のMUTEK.JPでは、真鍋大度のアートプロジェクトやクラブミュージックとも関係性が深いゲーム音楽のライヴに注目ライヴが盛り沢山になっている。
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2019.12.05 11:00

初開催から今回で4回目となるカナダ・モントリオール発祥のオーディオヴィジュアルアートと電子音楽の芸術フェスティバル「MUTEK.JP」がいよいよ12月11日(水)〜15日(日)の計5日間に渡り、開催される。




MUTEK.JP 2019に出演する注目アーティストをピックアップ! 


毎年、国内外の先鋭的なアーティストが東京に集結することで知られる同フェスだが、今年は舞台を渋谷に移し、次世代エンターテインメントホールとして話題の「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」や「渋谷ストリーム ホール」、「恵比寿リキッドルーム」など渋谷エリアの7会場でさまざまなプログラム(有料・無料)が繰り広げられることが決定。また今年は、国内外から総勢50組のアーティストが招聘されており、最新のテクノロジーを駆使したオーディオヴィジュアルライヴやインスタレーションライヴを披露する。 


そんなMUTEK.JP 2019では、いったいどのアーティストに注目するべきなのだろうか? 今回は各日程別に絶対にその目で観ておくべき要注目アーティストを独断と偏見でピックアップしてご紹介したい。 


12月11日(水):Daito Manabe + Kamitani Labのオーディオビジュアル・インスタレーションに注目! 


MUTEK.JP 2019初日に行われる渋谷ストリームホールでのNocturne 1では、世界的にその名を知られるメディアアーティストであり、これまでのMUTEK.JPにも出演してきた真鍋大度と京都大学/ATR(国際電気通信基礎技術研究所)の神谷之康研究室と共同制作したアートプロジェクト“dissonant imaginary”に注目だ。  


今回彼らが披露するのは、脳活動と音/映像の関係性、クロスモーダル現象に関するアートプロジェクトを通じて制作されたオーディオビジュアル・インスタレーション。これは音を聴くことで変化する変化する視覚野、連合野の脳活動データを用いて画像を再構成する様子を可視化したものとのことなのだが果たしていったい実際に観るとどのようなものになっているのだろうか?その様子の一端がわかる「Sonar 2019」でのインスタレーション動画が公開されているので、気になった人はまずは予習としてそちらをチェックしておこう。


Daito Manabe + Kamitani Lab: dissonant imaginary from Territoris.cat on Vimeo.


また同日程ではモントリオール拠点のオーディオビジュアル・アーティストLine Katchoにも注目したい。La Hyèna名義でVJとしてパフォーマンスを行なっている彼女の艶かしさすら感じるオーディオビジュアル・ライヴ「Immortelle」は必見だ。


A\V performance - Immortelle (teaser) from Line Katcho AKA La Hyèna on Vimeo.




12月12日(木):古代祐三と川島基宏がクラブミュージックに影響を受けたゲーム音楽ライヴを披露! 


 2日目Nocturne 2 at 渋谷ストリームホールでは、テレビゲーム音楽の有名サウンドクリエイターであり、90年代に人気を博した格闘アクションゲーム「ベア・ナックル(Streets of rage)」シリーズの楽曲等を手掛けた古代祐三と川島基宏による同作品を中心にしたスペシャルライブセット は見逃し厳禁だ。


2人は近年、Red Bulll Music Academyによるビデオゲームミュージックドキュメンタリー・シリーズ『Diggin In The Carts』をきっかけに90年代以来となるコラボレーションをスタートしており、今回のMUTEK.JPでもデトロイトテクノやシカゴハウスに影響を受けたゲーム音楽ライヴに注目が集まっている。



さらにこの日程では、今年で設立から15周年を迎えたUKベースミュージックの名門レーベル「Hyperdub」を主宰するKode 9と『アニマトリックス』などを手掛けたアニメーション監督の森本晃司によるオーディオヴィジュアルセットにも注目したい。こちらも先述の『Diggin In The Carts』をきっかけに誕生したスペシャルなユニットのため、この日は音楽、メディアアート好きだけでなく、ゲーム好きも是非とも会場に足を運んでほしい。

 



12月13日(金):フィールドレコーディングで唯一無二の音楽を奏でるYosi Horikawaの音に浸る  


3日目Nocturne 3 at 渋谷ストリームホールでは、今春、東京・浜離宮恩賜庭園で行われた「花紅柳緑」でのパフォーマンスも話題を呼んだ日本が世界に誇る”サウンドデザイナー”、Yosi Horikawaに注目だ。


フィールドレコーディングを駆使し、誰も聴いたことがない未知の音を作り上げる彼は、今年最新アルバム『Spaces』をリリース。ヨーロッパやインドをツアーし、各地を沸かせたほか、今夏は大阪と東京でもリリースパーティを行い、日本の電子音響音楽ファンを唸らせた。唯一無二の音楽を奏でる彼の最新ライヴセットをMUTEK.JPでも是非、堪能してほしい。

さらに12月14日(日)にEDGEofにて開催されるDigi Lab 3 : Music Maker Sessions by Abletonでは、音楽制作のワークショップ「YOSI HORIKAWAによるトラック・ライブセット脱構築」も行われる。音楽クリエイターはそちらもあわせてチェックしておくべし!



ほかにもこの日程では日本のクラシックハウス再評価のきっかけを作った寺田創一、Red Bull Music Academy卒業生でもあるSauce81、世界各国のプロデューサー、DJから高い評価を得ているKuniyuki Takahashiのワールドワイドに活躍する日本人プロデューサー3組によるスペシャルライヴセッションも見逃せない。国内ではRDC、海外ではADE、Warehouse Projectなど大型イベントで存在感を見せつけた”これまでにない、マシンを駆使したダンスミュージックのセッション”はマストチェックしておきたい。





12月14日(土):ベルリンのアンダーグラウンドテクノユニットLADAがライヴセットを日本初披露  


この日のNocturne 4は会場を恵比寿リキッドルームに移し、深夜から朝までのクラブスタイルで開催される。その中で注目は実験的なエレクトロニックサウンドを追及するアーティストDasha Rushと、ドイツ人プロデューサーLars HemmerlingによるユニットLADAの日本初披露となるライヴセットだ。


溶けるようなボーカルのエコー、電磁波と合成グリッチ、歪んだビートと強力なリズムからなるベルリンのアンダーグラウンドテクノを当日は心ゆくまで堪能してほしい。



またこの日は今年10月に新しく生まれ替わった次世代のエンターテインメントホール「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」が別会場となり、A/Visions 1も開催される。こちらでは、アルスエレクトロニカ"Digital Musics & Sound Art部門ゴールデン・ニカ(大賞)"など名誉ある賞を受賞。カナダ・モントリオールのMUTEK20周年でも大絶賛のオーディオビジュアル・パフォーマンスを披露した日本を代表するメディアアーティストの1人、黒川良一が、オーディオビジュアルライヴ作品「subassemblies」を日本初披露することにも注目だ。


node 5:5 from RYOICHI KUROKAWA on Vimeo.




12月15日(日):Robert Henkeが見せるレーザーインスタレーションライヴを体験しよう!  


最終日となるこの日程では、A/Visions 2 at LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)に出演するMonolakeことRobert Henkeによる「Lumière III」に注目したい。


時間軸と空間の概念を覆すリアムタイムの高精度レーザー光線と、パーカッシヴなオーディオで観客を意識的な瞑想状態にするという話題のレーザーインスタレーションライヴはマストで体験しておくべし!


Lumière III - NexTones 2018 - Trailer from Robert Henke on Vimeo.


ちなみにこの日は渋谷のクリエイティブスペース「EDGEof」にて、MUTEK.JP 2019のアフターパーティも開催。こちらにはシンガーソングライターで映画音楽などの劇版作家としても活躍する世武裕子、Kendrick Lamar「i」のカバーがバイラルヒットしたvōxの2組がそれぞれライヴセットを披露する。





MUTEK.JP 2019は無料プログラムも充実!


  またMUTEK.JP 2019ではライヴ系の有料ブログラム以外に無料プログラムとして12月12日(木)〜13日(金)に活発的なデジタルクリエイティヴな業界を紹介する国際展覧会「THIS IS QUEBEC x MUTEK」を「渋谷ヒカリエ ヒカリエホールA」で開催する。  


そのほかにも12月13日(金)〜15日(日)は「Digi Lab」と題してパネルディスカッション、キーノートプレゼンテーション、ワークショップなど数々の無料イベントが「渋谷ストリーム ホール4階」、渋谷のクリエイティブスペース「EDGEof」、渋谷スクランブルスクエア(東棟)15階にオープンしたコミュニティスペース「SHIBUYA QWS」、「UltraSuperNew Gallery」にデイタイムに行われる。 


さらに12月11日(水)〜13日(金)の3日間、「渋谷ストリーム ホール」ではパフォーマンスだけではなく最先端のテクノロジーアートを体感できるインスタレーション作品も展示される。最新のメディアアートやテクノロジーに興味がある人はこれらのイベントもあせてチェックしておきたいところだ。 


なお、現在はすべての有料プログラムに参加できる「5日間パスポート」と各プログラムごとのチケットを販売中だ。公開中のタイムテーブルをチェックして、気になったイベントに参加してみてはいかがだろうか? 

MUTEK.JP 2019 タイムテーブルはこちら。

【イベント情報】
MUTEK.JP 2019


日 程:

2019年12月11日(水)〜15日(日)


会 場:

Hikarie Hall / SHIBUYA STREAM Hall / LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) / LIQUIDROOM / EDGEof / SHIBUYA QWS / UltraSuperNew Gallery


料 金:

MUTEK 5日間パスポート(23,000円)

購入:https://mutek.jp/#tickets


*各プログラムごとのチケットは各イベント詳細をご確認ください。

*オールナイト公演は20歳未満ご入場できません。一部のプログラムは入場規制する場合がございます。あらかじめご了承ください。


オフィシャルサイト:

https://mutek.jp


written by Jun Fukunaga


photo: MUTEK Japan Facebook



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