現代のDJ、音楽クリエイターと自らの宣伝活動に使うためのSNSはもはや切っても切れない関係だ。その中で最も有効な情報発信ツールのひとつがIntagram。近年は海外だけでなく日本でも、もはや完全に普及した感があるが、”インスタ映え”する風景や食べ物、はたまたオシャレなファッションアイテムを世に発信するイメージが強いこのツールをDJ、音楽クリエイターはどのようにして有効活用するべきなのか?
その疑問に答えるのがインディーズアーティストの音源販売サービスを行うTuneCoreの「4 BEST INSTAGRAM PRACTICES FOR ARTISTS IN 2019」というInstagram活用術を解説するブログ記事だ。今回はその内容について、去年、それまで非公開だったものの一般公開し、その独特の世界観が大きな話題になった“センスの塊”、Frank OceanのInstagramアカウントを例に解説していきたい。
記事ではまず、Instagramに投稿する画像についての解説されている。それによると音楽クリエイターたちは、投稿する自分の画像は可能な限り、プロが撮影したものを使うべきとのこと。Instagramでは、”セルフィー”と呼ばれる自撮り写真がある種スタンダードな投稿素材になっているが、Tunecoreは、やはり人前に立つことも多いだけに見かけも大事でPRするためにはプロが手がける見栄えが良いものを投稿するべきだと説明。
また自分が出演するライヴなどのパーティーフォトにもプロのカメラマンを起用して、その雰囲気をクールに見せる必要があると書いている。しかし、それがコスト面で難しい場合は、少なくとも高画質な画像が撮れる最近の良いカメラが内蔵されたスマホを使ってとるべきだという代替案も提案している。Instagramは、自分の世界観を表現するのが大事だとよくいわれている。自分で撮ったホームメイド感も悪くないが、確かに音楽クリエーターであれば、一般人とは一線を画すクオリティーのものをアップする方がよりフィード上でも目立ち、ユーザーの興味関心を引くことができるのではないだろうか?
次に説明されているのは自分のスタイルを見つけることだ。これも先述の自分の世界観を表現するのが大事ということに通じるものだ。例として全ての投稿画像をモノクロにしたり、ちょっと前ならインスタントカメラ風にするなどフィルターや外部アプリを使っての雰囲気作りが、ファンからの興味関心を集めることに繋がるはず。そういう意味では、Frank OceanのInstagramアカウントにある投稿からは彼の世界観を十分に感じることができる。
3つめは宣伝に走り過ぎないということだ。音楽クリエイターをファンがフォローする最たる理由はそもそもその音楽が好きだから。そして、自分の音楽を作る音楽クリエイターだからフォローするというアクションが生まれる。またファンはInstagramでは、普段、垣間見ることができないクリエイターたちの日常の姿を見たいと願っている。そのため、そこに投稿するべきなのはしつこい宣伝よりも友人と過ごす様子など日常風景的なものの方がファンの興味関心を唆る可能性が高いと解説されている。実際にFrank Oceanを例に出すと、彼の投稿はまさにその日常生活で単に自分の好きなもの、興味があるものの写真をアップしているのみだ。ちなみに彼は、去年のクリスマス時期に日本でも話題になったAphex Twinのテディーベアをクリスマスツリーのオーナメントとして飾っている。こういった独特な美意識にファンは強く惹きつけられるのだろう。
そして最後は、画像と動画をミックスしてアカウントに投稿するコンテンツにバリエーションを持たせるということだ。Instagramにはすでにご存知のとおり、そのどちらも投稿することができるため、静止画と動画を投稿することで投稿にアクセントをつけることが可能だ。もちろん、それは通常のフィードで行っても良いし、ストーリーやライブ、IGTVでも良いだろう。また音楽クリエーターなら短い自分の作品のMVのクリップをさりげなく投稿してみるのも有効な音源のPR手段だ。 Frank Oceanを例に出すと最近、彼はストーリーに自分がカバーするSZAの人気曲「The Weekend」のカバーの一部を公開し話題を呼んだばかりだ。
Frank’s cover of @sza’s The Weekend pic.twitter.com/LAF3fzlksC
— Blonded. (@blondedocean) 2019年1月24日
さらに最近ではストーリーにSoundCloud公開音源が直接アップできるようになっているので、その機能を使って、ファンの次の行動を促すのも自分の音源を聴いてもらうための有効な手段のひとつではないだろうか?(特に最近はSoundCloudでマネタイズも可能になったため、インディーズアーティストにとってはその面でも有効な手段だ)
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SNS活用にはセルフブランディングが大事だと言われて久しいが、Twitter、Facebook、Instagramなど複数あるプラットフォームをそれぞれ駆使するのは億劫だ。そう考える人も決して少なくないはず。しかし、有名音楽クリエイターの事例を見ていると少しは自分も参考にちょっとやってみようかなと思える。
そして、音楽に限らず現在の成功しているクリエイターは、それぞれの強みをうまく生かしながらSNS上で日々ファンベースを拡大させている印象を受ける。是非、今回の事例を参考にしながら、自分にあった形を見つけて活動を充実させるために活用してほしい。
written by Jun Fukunaga
source:
https://www.tunecore.com/blog/2019/01/4-best-instagram-practices-for-artists-in-2019.html
photo: wolfgang tillmans, Frank Ocean Instagram