革新的なフィジカルコントローラーとして期待の「MP MIDI Controller」をチェック

「プラグインがハードウェアのように操れたら」という永遠のテーマに一歩近づく?ソフトウェアとハードウェアのシームレスな統合というDTM機材が抱えてきた命題へのシンプルな回答。
SHARE
2020.05.15 03:00

「ソフトウェアシンセ・プラグインエフェクトをハードウェアのように制御する」と言うコンセプトで多くの製品が開発されたが、いまだに操作性においてはハードウェアを超えるものが出ていないのが実情ではないだろうか。


そんな中、MP MIDI Controllerは革新的なフィジカルコントローラーとして、密かな期待を集めている。

 

作業の没入感を高める21.5インチの視認性


今までのMIDIコントローラーとの大きな違いは何だろうか?まずは動画でMP MIDI Controllerのコンセプトを感じてみてほしい。


MP MIDI Controller Preview



見た目でまずインパクトがあるのが21.5インチディスプレーの視認性の高さだろう。一般的なラップトップが13-15インチなので、ラップトップDTM/DAWユーザーにとっては通常の作業環境より大きなサイズだ。


操作感を極限までハードウェアに近づけるディスプレイxツマミの合理的な配置


これまでも大画面タッチスクリーンのコントローラーはあった。画面に表示されたパラメーターを直感的に触って操作できる手軽さはあるが、やはり指先とタッチスクリーンでは細かい微調整をする際の操作感はストレスがある。しかしながら通常のフィジカルコントローラーは画面とハードウェアは別物で、画面をみて手元のハードウェアの小さなLCD表示などでパラメーター名を見比べて、、とマウスでやってしまった方が早い気さえしてくる場合も多い。


このMP MIDI Controllerは画面上にプラグインを表示し、周辺をツマミで取り囲むことで、タッチスクリーンの視認性の良さと、フィジカルコントローラーの繊細な操作性を兼ね備えることに成功している。コントローラーとプラグイン画面を何度も見比べなくても、ツマミを動かせばわかりやすく目の前のプラグインも連動するので、誤操作で別のパラメーターを不意に動かしてしまってもすぐに気がつくのも画面とツマミが一体になっている本機の大きなメリットだ。


ハードを使ったことがある方なら感じたことがあるであろう、ブラインドタッチでツマミをサラサラっと音作りのできる操作感を実現できるかもしれない。





ホストプラグインの利用で快適にDAWと連携する


では続いて具体的にMP MIDI Controllerはどのように動作するのか?実際にDAWと連携した動画があるので確認してみよう。


Using the MP Midi Controller


MP MIDI ControllerはDAW内でMPホストと言うプラグインを通じて使用する。MPホストはVST3かAUまたはAAXとしてDAWのトラックに挿す必要があり、このMPホスト内でロードしたVST(MacであればAUも可)をフィジカルコントローラーで制御する仕組みだ。


動画でも確認できるように大型ディスプレーと連動したマッピングの切り替えは圧倒的にわかりやすく、自分が何を選択していて割り当てがどうなっているかを気にする必要はなさそうだ。さらにMP MIDI Controllerの制御情報はMPホストの設定としてDAWのプロジェクトデーターに含まれる。複数のプロジェクトファイルを扱う時や、古いプロジェクトファイルを読み込んだ時も設定のズレでストレスを感じる場面は少なくなるだろう。

 

プラグインに対するオートマッピングの充実


さらにMP MIDI ControllerはMPホスト内でロードしたプラグインの各パラメーターに32基のロータリーエンコーダーが自動対応するオートマッピング機能を推している、メーカーサイトによると数多くの主要なプラグインのテンプレートが用意されているとのこと。もちろん自分で組んだプリセットに保存することも可能だ。


 

近年、ハードウェアに近い感覚でDAWのフェーダーやパンをいじれるものが多くリリースされており、価格も手頃になってきた。こういったDAWのコントローラーはプラグインの制御も可能なのだが、あくまでDAWミックス用途のコントローラーのおまけとして、プラグイン用のマッピングもできるというコンセプトのものばかりだった。


こういった製品はDAWからプラグインへの切り替えの手間もあり、構造的にもプラグイン用ではなくミキサーのようなデザインのため、操作性としてはどうしても不自然な感覚が残る。デザイン的にはミキサーのため、どこに何がアサインされてるか分からなくなってしまったことも多かった。


その点MP MIDI Controllerはプラグインをコントロールするためにデザインされており、大きなディスプレイを中心に備えることで単なるコントローラーの領域を超え、「プラグインがハードウェアのように操れたら」というDAWユーザー永遠のテーマを一歩現実に近づけている。

 

現在この製品は3ヶ月のベータテスト期間で開発は最終段階だ、テストをクリアすれば製造に入る段階だが価格はまだ未定とのこと。Twitter等のSNSでは価格やMPホストの安定性が気になるという声も見られたが、多くは期待の声となっている。


製品に関する問い合わせはメーカーサイトで受付中、また、Facebookページも随時更新中だ。リンクを貼っておくので、気になった人は直接連絡を取ってみよう。


MP MIDI Controller メーカーサイト

https://mpmidi.com/

MP MIDI Controller Facebookページ

https://www.facebook.com/MP-Midi-Controller-107587714101882/


written by Yui Tamura


source:

https://mpmidi.com/

photo:

https://mpmidi.com/





SHARE