モーリー・ロバートソンが、「台本通り」のコメントを求められるテレビ出演で身につけた妙技とは?

【ラジオ書き起こし】問題が起きないようにと「台本通り」のコメントを求められるテレビ出演で、モーリーが徐々に身につけているテクニックとは?
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2019.01.29 10:00

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組ではリスク回避のために「台本通り」のコメントを求められることが多いテレビ出演をこなす中で次第に身につけていった妙技について話していました。



毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。


「Morley Robertson Show」


生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30





モーリー:こんばんは。モーリー・ロバートソンです。みなさん、寒い中いかがお過ごしですか? 私、この1週間もよく働きました。本当によく働きました。なので、今日は自分へのご褒美として、好き勝手に面白い曲を先週と同様にかけようと思います。




それでもうなんて言うのか、大人の妥協ももちろん仕事の中でいっぱいするんだけど、最近はすばしっこくなって。テレビ番組に出演している時に割り当てられたとっても小さな時間の中にかなり濃いメッセージを詰めるテクニックというか技を少しずつ習得しつつあるんですね。


ですから、ほとんど書き割りのように自分の言うことが台本で決まっている番組であっても、その周りをちょっとグルーヴというのか、4分の4拍子は同じじゃないですか。「1、2、3、4」の次は「1」しかないんですけども。その4分の4拍子で微妙に揺れを作ることで様々な音楽の形態やスタイルの違いっていうものが生まれるんですね。


なのでMIDIの8分音符とか16分音符でしか打ち込まれていないグリッド通りの楽譜を見せられているのに、それをもうカリブ風にアレンジして出したりとかね。そういう、ちょっとした技を使うことでなんて言うか、言葉の書き割り以外をしゃべってはいけない仕事では、それしかしゃべらせてもらえないんですけども。そこにちょっとしたうねりを作ることで、言われていることと逆のことをなんとなくメッセージで伝えていたりとか。


ニュアンスとしては、そのどうしてもテレビとかマスコミって、これは対談をやっている時もそうなんですけども。ほぼ言うことが決まっちゃっている仕事っていうのはね、お約束で要は問題が起きないように。日本の企業とかメディアって最近のここ10年20年……「失われた20年」っていうのは問題なく。まずは問題のない落とし所を決めて、そこから逆算で作られていくので、がんじがらめになっていくんですよ。で、遊びが全く無いんだけど。


それに対して、従っているように見せつつも、ちょっとずつ違うことを言っているっていう、ここにはちょっと妙味っていうものがありますよね。それを結局、その場でひっくり返して「やりたくない!」みたいなことを、僕は深夜ラジオをやっていたことはよくあったんですよ。「なんでこんなことを言わなきゃいけないんだ? 不本意だ!」って。


そうすると結局、放送の直前までずーっと会社側の意向をくんでいるディレクターやプロデューサーとひたすら消耗戦で「やりたくない!」「いや、やってほしい」「じゃあ辞める」「辞めないでくれ」って言いつつも、相手はだんだん疲れてきて。「もう次の改変でこいつ、辞めてくれないかな?」みたいな顔になってくるんですよ(笑)。


そういう戦い方もかつてはやったんだけど、いまは従ったふりでもないんだよな。本当に100%以上従ってクライアントを喜ばせるんだけども、その中でちょっと「あれっ?」っていうものを提供すると、案外ですね、なんて言うんですかね? 相手の警戒心が寝てしまうっていうんですか?


いま、すごく業界の高等テクニックの話をしているんですけども。逆にすり寄ってくるんですよね。で、挙句の果てにはそんなつもりは全然ないのに、「ああ、モーリーさんのblock.fmを聞いてるんで。ファンなんで。もっと黒モーリーを出してください」とかって言うのね。


「お前、よく言うよな……」っていう顔で相手を心の中では見つつも、表面では「いやー、そうですか。僕も困っちゃいましたね」って言いつつっていう感じなんですよね。その微妙な駆け引きで自分の存在感を……たとえば馬刺しとか豚肉のしゃぶしゃぶを作る時って冷凍肉をね、ナイフがグルグル回転している回転刃に対してちょっとずつ動かしていく。「シーッ、シーッ……」ってその凍ったしぐれのような肉を切っていくんですけど。それで切り落としができるんですけども。


その逆で、あれって微分じゃないですか。ちっちゃくしていくのって。それの逆で、生えてくるんですよ。僕の場合。積分していくわけ。だから、ほんのちょっとこのパンケーキの輪郭が気づかないうちに育ったなっていうか。うん。ちょっとね、早回しの植物が生えているみたいな感じで。


苔がだんだんだんだん増えていって、気がついたら部屋の真ん中に苔があったんだけど、その輪がだんだん大きくなって。ところが、みんな慣れちゃっていてですね、その苔がいつしかカーペットとブレンドしているので。やがて、カーペットの全てが苔になってしまい、そして扉から向こう側に苔が生えていてもみんなそれに慣れきっちゃっていたんですよ。


カーペットの一部だと思いこんでいるから。いわゆる既成事実の積み重ねっていうやつなんですよね。なので、まあバラエティーとかだと「キャラ設定」とかいう言い方があるんだけど。なんとなく、キャラを少しずつ少しずつなんだけど微妙に変更していく。だから最近すごく自分の中で興味があるのがね、サラ金とか、あとはサラ金じゃないんだけども、家のローンとかでさ、法定で銀行がつけていい利息のマックスの数ってあるじゃないですか。


で、あれってたぶん精神的には体感していないんだけど、年月をへると大変な利息を払っているという、そういうシステムじゃない? そのね、かすめ取っていく感じとか、ちょっとだけ抜くとか。あとはちょっとだけ増やすっていうその妙味を最近、体感して体験的に学習中なんですよね。いま、そういう風にスリーパーをやっているんですけども、ここではなるべく音を通じて、言葉の外でみなさんにフリークエンシー。周波数を。レーダー照射の周波数、FCを伝えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。まずは『Slut Drop』。低音だよ。


Spenda C, Surecut Kids, Hello Geneva『Slut Drop』



番組情報



 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30



モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。


written by みやーんZZ



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