モーリー・ロバートソン、タイでの人生初「軟禁」を語る。「病院についてきて」と言われて向かった先は…?

【ラジオ書き起こし】モーリーが20数年前、タイ・バンコクで軟禁された思い出をトーク!
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2019.01.21 02:15

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組では20数年前に訪れたタイ・バンコクで声をかけられた謎のおじさんに軟禁された思い出を話していました。



毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。


「Morley Robertson Show」


生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30


モーリー:うぇいよー! おはようございます。モーリー・ロバートソンでございます。1週間、寒い中いかがお過ごしでしたか? 北半球の人たちはとっても寒い1週間が過ぎましたけども、南半球は灼熱の夏になってると思う。私、実は南半球に行っことがないんですね。赤道のすぐ近く、インドネシアまでは行ったことがあるんだけれども、あそこから南に行かなかったですね。それは、行きかけたのはもう27、8年前で。その時はバンコクに行きました。


で、まだバンコクっていうのは街の中にいるだけですごい排気ガスで、その後に日本に戻ってきた後もずっと咳きこんでいて、シュッシュッていう急性喘息っぽい症状みたいなのがあったんですけども。そのバンコクの灼熱の太陽と排気ガスの中をうろちょろとバックパックであちこちに行ってる時に、何かショッピングセンターみたいなところがあって、そこで英語を片言で話す浅黒い……いや、浅黒くなかったな。黒かったな。日焼け度合いが黒かった。その男性、おじさんに声をかけられて。


「自分のお母さんが病院でいま、入院してて。とっても具合が悪いので、そのお母さんを見舞いに一緒に来てくれないか?」と。なんか泣きそうになりながら懇願されるんですよね。全く知らない人に。そして「いや、私でできることがあれば……」って言ってタクシーに乗ったのが運の尽き。どこかバンコクの郊外に連れて行かれて、監禁されたんですね。


そして「いまからこのお姉さんと君はギャンブルをしよう。そして所持金を全部出して私とギャンブルすれば、いっぱいお金が儲かるよ!」とかって、なんか詐欺めいた、監禁もしつつ色仕掛けみたいなわけのわからない状態になって。そこで1、2時間、頑なに最初は口を開かなかったんですけども。意を決して、「よし、ここから自力で脱出しよう」ということで。「ああ、ギャンブルをしたいし、このお姉さんとも仲良くしたいんだけれども、いま所持金がほら、ないんですよ。それでバンコクのATMがある場所に連れて行っていただければ、お金が出せるんだけどな。トラベラーズチェックも使ったしな……」とか言って。


それで、そのATMがある場所っていうのが、20何年前なんで。コンビニも何もなくて。日本式のはね。それで結局ATMからお金を出すっていうことになると、もう1回街の中に行かなきゃいけないんですよ。それでそのおっちゃんがめんどくさそうにタクシーを呼んで、2人で乗り込んで。そうすると、バンコクはものすごい渋滞で車がちょっと行っては3分間とまっていて。クラクションがあちこちで鳴り響いて、また動くみたいな。だから車がずっと渋滞していて、排気ガスももうもうと立ち込めているんだけども。



出典:photoAC


ある街の真ん中ぐらいに行った時に、もう何も言わずに車が止まった瞬間にね、渋滞の中を英語でね、「Hold on one second. I see something.」とかって言って。「あそこになにかある。ちょっと待って。すぐ戻るから」とかって言って、荷物を全部持って車から飛び出して。


「おーい!」とかって向こうが追いかけようとするのを「待っていて、待っていて。すぐに戻るから!」とか言ってそのまま走りました。車と車の間を。そして先にあった市民のバスに飛び乗って、すかさず「Anybody speak English?」って言って。「I'm been pursued.(私は追いかけられている)」とかっていう風に言って。で、みんな何かニヤニヤしてこっちを見てて。で、その時にね、5時かなんかになったのかな? 夕方の5時か6時で時報が鳴って、タイの国歌がスピーカーから鳴るんですよ。日本で言うところの君が代みたいなやつが。


そうするとみんなね、そこで立ち止まってじっとするっていう風に。国歌への敬意をあらわして。自分はその軟禁状態から逃げてるのに、周りの人たちがピシッと君が代斉唱みたいになっているんですよ。タイの。それで「ああ、ああ……」みたいになって。で、汗を流しながら……とっても暑かったので。その中で結局、学生さんが「What do you want?」って言うから「Police, police. Take me to police.」って言って。それでそこにいるおまわりさんを次のバス停でドライバーが呼び止めたのかな? 


それで、パトカーに乗って。そしたら向こうも持て余しちゃって、空港へ連れて行かれて。それで空港のホテルにとりあえずチェックインをした。それで「警察の護衛でホテルに来たんだから、さっきのおっちゃんが追いかけてくるのはまずないだろうな」っていう風に独自の判断をして。まあ、初軟禁だったんですよね。それから6、7年ぐらい経って今度はカザフスタンで軟禁されたんで。その時は結構「ああ、軟禁か……」みたいな。でも、マイ・ファースト軟禁だったんでちょっと怖くて。ホテルの窓をカーテンを閉めて。外を時々見て「来てるんじゃないか?」みたいな。


それで、その中で「とにかく落ち着こう。とにかく寝て起きて飛行機の券を買って、バンコクから香港へ脱出しよう」とかってプランを立てて。それで怖いながらもなんか「マッサージとかでもやれば落ち着くかな?」って電話をしたら、また片言英語の電話に出る人が、なんか交渉を始めるんですよ。「ガール・マッサージ? ボーイ・マッサージ?」って。「What is girl massage?」って聞いたら「Sex with young girls.」って。「はあ?」って聞いたら(はっきりと)「Sex with young girls.」って言ってきて。「Ok, no thank you.(ガチャン)」みたいな。


それで要は、「もう、なんなの!?」みたいな状態で。それで香港に帰りました。でも、なんかすごいトラウマを引きずっていて。「どうして僕は、自分に声をかけてきたおじさんのお母さんを病院にお見舞いに行かなきゃいけないと思ったのか?」って。そこに立ち戻るまでにですね、何年もかかったんですね。みなさんもこれから、世界に旅行をされる方がいたら、まずどこかの大きな食堂。東南アジアの食堂、デパートの食堂で急に日本語や英語で声をかけられてね、「お母さんが病気をしてるんだ。見舞いに来てもらえないだろうか?」みたいな話を聞いた時はね、やっぱりお見舞いに行った方が……。


ということで、あとはお任せします。今夜もモーリー・ロバートソン・ショー、一緒に楽しみましょう。My first song is リミックされた『Police In Helicopter』。ヘリコプターのポリスは何を探しに来てるんだろう? 今夜もよろしくお願いしまーちゅ! この番組は映像でもお届けしていますよ。「#blockfm」でみなさんのメッセージをスタジオにください。そして、それをいただければ私はそれを見ます。また「#blockfm」でこの映像リンクもツイートいたします!


John Holt『Police In Helicopter Benny L Remix』



番組情報



 「Morley Robertson Show」



https://block.fm/radios/28



生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30




モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。



written by みやーんZZ


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