毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回の番組ではNetflixドラマ『ナルコス』で描かれていたコカインのコモディティー化についてトーク。アメリカ政府の関与や貧困と搾取の構造などについて話していました。
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生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30
モーリー:最近ね、ずっとNetflixでメキシコ編の『ナルコス』を全部、すごい速さで何日かに分けて見てしまったんですね。その前は『ナルコス』を何シーズンも見ていて。これはコロンビアのカルテル……パブロ・エスコバルがコカインをアメリカに売るやつなんですよ。で、それがだんだんとメキシコのカルテルのエル・チャポに引き継がれていく過程が描かれていく壮大なシリーズなんですけども。
そこで、どうやって貧困の中で、あるいはその政府の腐敗や軍事政権なんかの中でですね、麻薬がコモディティーになっていくかが描かれてくのね。で、それにまつわる様々な搾取とか殺し合い。いろんなドロドロがどんどんと描かれていく。で、それをね、いま2019年で知ってしまうと、なかなかコカインはできませんわな。
人の不幸の上に成り立った薬物だったんだなっていうので。コカインは主に80年代がいちばんすごくて。その頃、ちょっと『ナルコス』でも描かれているんですけども、アメリカのCIAがニカラグアの社会主義政権……ソ連とキューバのバックアップを受けていたサンディニスタ政権があったんですけども。そこと秘密で戦争をやる上で、軍事資金が足りなくなっちゃって。コカインをアメリカのマーケットにセスナ機とかで密輸しながら、そこからマージンを取って、その秘密戦争の資金を捻出していたっていう側面もあったみたいなんですよ。
これは疑惑のまんま立証されてないんですけれども。あとそれに隣接して、闇資金が他にも…敵であるはずのイランに戦闘機を売るっていう。そのお金をコントラっていうニカラグア政権打倒の軍勢に回したっていうことで、イラン・コントラ事件というのは大きくなったんですけども。その影にあったコカイン、あるいはアメリカのクラックっていうタイプのコカインがすごく出回ってた頃なんですけどもね。それを実はアメリカ政府のある部分が……跳ね返りのCIAの一部だったのかもしれないですけども、大量にアメリカのマーケットにカルテルから仕入れていたっていう疑惑なんかがあったりして。
そこもほんの一部なんですけど『ナルコス』で描かれているんですよね。ジャーナリストになっちゃうと、そこがチラついて。いま目の前にあるこの外国紙幣を丸めてガラスの上の粉を鼻にギュッと吸い込むっていうのはなかなかこう、うーん……って。いわばね、フェアトレードとか。「児童労働で作られた靴です」って言われると、すごくブランドのいい靴だったとしても、ちょっと嫌だなってあったりするじゃないですか。「オーガニックコットンです。でもウズベキスタンの児童が摘みました」って言われると。
だからなんかそれと似ていて。「気持ち良くなりたい」っていう気持ちは人間に脳がある限り、いつでもあるんですけども。「これだったらオナニーしてる方がいいかな?」みたいな(笑)。それが私のチョイスかな。あと、やっぱり海外に行けばいくらでも緩いところが、ドイツをはじめとしてあるんで。そこでやりゃあいいじゃんっていうのもあったりします。
でもあえて、なんで行かないのか?っていうと、私の場合は、それよりもお金が好きなのかもね。加えて、クリエイターとしてどうなんだ?っていう側面なんかが出てくるんですけど。80年代、パンクからオルタナティブ、前衛にかけてのスペクトラムっていうのは相当にコカインも含めてドラッグが出回っているんですけど。LSDとか。やっぱりね、死ぬ人とか出てたし。あと注射打ってたから。日本と違って注射するんですよ。コカインを。
それでね、エイズになった人もいた。なんでね、ちょっと周りに犠牲者が多すぎて。そして、やっぱりクリエイティビティーはどんな麻薬であっても、大麻でもそうなんですけど。スローダウンするんだよね。で、自分はそのスローダウンが我慢できない。みんなはドラッグをやって「エヘヘ……」ってなって僕のDJで踊ってほしい。大麻も解禁されてほしい。でも、自分がやるか?っていうとね、それはまた別腹なんですよね。僕にお金をください。東京新聞の広告に載っています。
ウェーイ pic.twitter.com/4cVnb6dAnO
— モーリー・ロバートソン (@gjmorley) 2019年3月3日
番組情報
「Morley Robertson Show」
生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30
モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。
written by みやーんZZ