モーリー・ロバートソン、大麻を否定する日本人と、「麻薬との戦争」の裏側を語る

モーリー・ロバートソンがカナダの大麻全面解禁について徹底解説。全世界的な大麻非犯罪化、合法化の流れの背景には何があるのか?
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2018.12.06 03:00

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組『Morley Robertson Show』。今回、番組ではカナダの大麻全面解禁について特集。90分間に渡って話したトークの第二弾はアメリカなどと国際麻薬カルテルの戦いと大麻の非犯罪化の動き、そして2010年代からの新たなトレンド、中国による合成麻薬の大量供給についての解説です。




毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。


「Morley Robertson Show」


生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30



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「麻薬との戦争」時代マインドの日本


モーリー:はーい。もうお聞きのみなさんがみんなカナダへのチケットを買って、すぐにストーンドになりに行きたいような曲ばかりかけてるんですけども。まあ行ってこの曲のアーカイブを聞き返したらもうブリッて候っていう感じで最高っすよ。もう2、3ヶ月前にやっていた動画アーカイブもね、動画のページに行くと過去のアーカイブも全部遡って聞けますので。もしカナダに行って、ちょっとブリッたりボングったりする人は、思いっきりその私の音を持っていったパソコンかなんかで聞いてていただけると「イエーイ! ついていくっす!」ってなると思います。


で、そういうマインドで選曲しているんですけど。ちゃんとカルテの話をしましょう・それでね、結局「ザ・ウォー・オン・ドラッグズ」(麻薬との戦争)というアメリカの時代に、日本のたとえば麻薬検査キットみたいなものもアメリカから輸入した形で……だって日本の中では、そもそも麻薬問題がないんで。


どう大麻が悪いのか? どうハシシが悪いのか?っていうのも向こうからもらったサンプルや模型の……なんかあるみたい。それでそれがね、完全にザ・ウォー・オン・ドラッグズ時代のマインドのまんま。たとえば日本では「ダメセン」っていうサイトがあるんですけど。「ダメ。ゼッタイ。センター」。


そこの情報も、だいたいアメリカで言うとザ・ウォー・オン・ドラッグズ時代なんですよ。で、そこでまことしやかに「大麻がどうダメなのか?」っていうのを慌ててね、カナダの大麻解禁に向けてダメセンとか日本の厚労省は「いかに大麻が悪いのか?」っていうのをバーッと書くんですけども。その、やったこともない医師が臨床データもまだないわけですよ。やっと合法化されたけど、これから臨床データをたぶん大塚製薬も取るんじゃないですか? その「ない」ところでもう机上の空論で、机上のクーロン城でですね……(笑)。もう机上の天クーロン城ラピュタみたいな(笑)。ぐらい、「大麻を吸っていないのにお医者さんがぶっ飛んでいる!」みたいな(笑)。「概念だけぶっ飛でどうしました? こっち(粉)ですか?」みたいな(笑)。


大麻非合法化への道、オランダとアメリカの違い



というぐらいにね、もうフィクションがまかり通っているんだけど、あれはだいたいザ・ウォー・オン・ドラッグズのマインドセットですよね。それで、どういう風にそのザ・ウォー・オン・ドラッグズが破綻していったかって言うと、結局なんだかんだって言って気にすれば気にするほど末端価格を上げればいいんで、カルテルは儲かりまくる。そしてコロンビアみたいな国とかメキシコでは、カルテルの方が政府よりも強くなってしまって、重武装したり、場合によっては潜水艦みたいなものも買っちゃったりして。最先端の電子機器とか偵察機器とかを持っちゃっているから、要はその国の政府よりもカルテルの方が麻薬を動かすのが上手になっちゃったので。


それで中継地点にあるエルサルバドルとかホンジュラスみたいな国っていうのはある種、Guinea Pig (モルモット)にされて。ジャマイカもそうなんだけど、そういういろんな覚せい剤とかコカインをタダで、末端で子供に配ってみんなをクスリ漬けにしてギャングの勢力を大きくする。だから小さな国、カリブの国とかだと、もう完全に……あと、プエルトリコもたぶんダメだよね。で、要は中南米カルテルが圧倒的に強くなってザ・ウォー・オン・ドラッグズっていうのは結果としてそこを巨大化、モンスター化させて全然アメリカ人の薬物の問題が良くならなかった。


それで、そのカルテルを弱めなきゃいけないっていうのがヨーロッパの非犯罪化、ハーム・リダクションでそもそもだったんですよね。最初にオランダで。非犯罪化っていうのは厳密には大麻は非合法なんだけれども、個人レベルの所持に関してはあえて罰しない。持っていたからと言って、そこにお巡りさんが来てしょっぴかないという、見て見ぬふり的な非犯罪化(Decriminalization)っていうスタイルがずっと西ヨーロッパではまかり通って行って、それで結構落ち着いていった。だからアムステルダムにヨーロッパ中から大麻旅行に行くんだけれども、アムステルダムはそういう形でそれをコントロールしていました。


ところが今度はアメリカの州でですね、医療大麻として「医療に使えるじゃないか」っていう。リウマチやガン、脳の病気とかもうあらゆるもの……クローン病、難病、いろんなものに結構生薬として効き目が現れるわけですよ。ところがそれは合法的な臨床の研究が許されていないから、正式な医学としてはこれ、ノータッチになった。つまりスケジュール・ワンっていうザ・ウォー・オン・ドラッグズの余波で、医学としてはいくらでも、いまの医学のレベルだったら大麻の効能……中に入ってるTHCとかCBDとか、わかるはずなのに、それを公式に研究できないという足枷が科学そのものにはめられているというめちゃくちゃに政治的な状況だった。


でも、医療大麻はいわゆるエビデンスというか……要は実際の体験を、「いろんな人々の経験を集大成すると、厳密ではないんだけれども、医療大麻はいいに決まってるじゃん。みんなやってんだから……」みたいな、そういう感じね。そういうのでアメリカの諸州で医療大麻から先に解禁する動きが10年以上前にあったわけです。で、もともとはハードドラッグですね。ヘロインとかコカインとか非常に中毒性が高かったりして、あまりにも中毒性が高かったりすると鼻から入れてるだけではダメで、今度は静脈注射をしたりとか。


最初はここらへんに注射するんだよね。日本のある歌手でここに注射をすることで絶対にバレなかった女性の話を私は聞いているけど、前は言えません。大手芸能プロ。それでここらへんとか、足の指の間とかに打ったりするんだけどね。覚醒剤とかは。ところがそれがやっぱりもう足りなくなってきて、中毒性が高いからこういう風に打っていったりとか、いちばんひどいのはクラックコカインなんですけども。コカインを蒸留したやつなんですけど、ここに打つよ、ここ。で、いちばん末期。死を目前にしてコカインの廃人になっちゃった人はまぶたの裏の眼窩っていうんですか? ヤバいよね。目のくぼんだところにピッと打って。こおれ、脳にいちばん近いから。もうこれ打ったら、頸静脈なのかな? もう経静脈の近くの皮下注射とか、もう目の中みたいなところにクラックを打ち始めたらもうダメです。もう人間、戻れません。


大麻をやると自制心がなくなるのか?


そういうものが結構蔓延しちゃって、マフィアとか麻薬カルテルが国際的に大きくなりすぎて、コントロールできなくなった。だったら大麻を末端で若い人たちはその大麻だけで酩酊していれば結構ハッピーになるわけですよ。それでそこから、いわゆる踏み石理論っていうのがあって、これもまだ証明されていないんですけども。白か黒か。要は大麻をやる時、気の緩みが起きる。そして気の緩みが起きて次はコカイン、ヘロインに行くんだっていうのがあるんだけど、オバマさん自身が「いや、俺は大麻やりまくって大学でコカインが回ってきた時があったけど、ヘロインはやる気にはならなかったな」みたいな。


やっぱり、じゃあ大麻をやっているから自制心がないのか?っていうと、逆に大麻との付き合い方がわかってくると、もう十分だと。酒もタバコも特にいらない。ビールを缶ビールでちょっと飲んで、あとは大麻を決めてればハッピーじゃん? みたいな、そういうカルチャーっていうのが結構広まっていって。要は「大麻をやると自制心がなくなって、包丁を振り回すんじゃないか?」っていうのが日本のダメセン式なプロパガンダなんだけど、たぶん大麻をやった結果、包丁振り回したり乱射した人はいないんですね。「歴史上、いない」とも断言できそうなくらい、非常に落ち着いてしまうドラッグだったりする。


それで、ソフトなドラッグを部分解禁、非犯罪化および医療に関して解禁するってことは、医療のライセンスを持って「頭が痛いんです。偏頭痛です」って言ってカリフォルニアとかオレゴンとかで医療大麻をもらえたらば、それをたとえば友達に横流しして、偏頭痛を持ってないやつをみんなでパーティー、イエーイ!ってやったりできるわけだよ。で、それは分かってるんだよ。医療大麻を合法化する時っていうのはまあ、ある程度ガス漏れっていうか、風船をこうやって置いておくといつまでもパンパンじゃなくて、少しずつ(中の気体が)リークしていくじゃないですか。エントロピーというか。


そういう風に多少のエントロピーも交えつつ、でもこれは貴重な緩衝材になって、やっぱり若者がハードドラッグに行かなくなる。だから踏み石理論の逆光で、逆に大麻せき止め論なんですよ。で、これが現実にやると、結構うまくいったっていうのは10年以上医療大麻をやった諸州の、コロラドとかいろんな州の経験値なんですよね。それで、要はカルテルを弱めなきゃいけない。そしてそれがずっと2000年から2010年ぐらいのこの医療大麻をアメリカの諸州がやっていて、オランダは引き続き非犯罪化。


大麻の「思い切った合法化」


それで2010年をすぎると今度は麻薬カルテルがジャングルの中でコカインって作るんですけども。本当に素朴な方法でも結構な純度のコカインってできちゃうんですよ。それをカルテル――広域麻薬組織ですね――がやっているのを、どうしてもそのカルテルを弱めなきゃいけないという至上命題のある国。たとえばウルグアイだよね。そこのムヒカっていう元左翼ゲリラだったけども、投降して塀の中にも入って、その後に市民活動家になってなんと大統領になった人がいた。で、まあ「世界一貧乏な大統領」を自称する、ある種立派な人だったんですけども、彼がやったことは大麻の思いきった合法化なんですね。


そして、もちろんその実際に議会では反対にあったけども、最後はそれを押し通し、実際に法律として実施されるまでには時間がかかったし、最初のうちは足並みが揃わなかったんだけどね。薬局で売ってる大麻の方がストリートで買える大麻よりも高いとか、どうのこうのとか。もちろん最初はエンジンが回り始めるまでは時間があるんですよ。しばらくはしゃっくりが起きるんだよね。


だけど、その時期があったけども、ムヒカさんがやったおかげでウルグアイの国内における国際麻薬カルテルの影響力っていうのは結構激減するわけですよ。っていうのは、収入源をどうやってカルテルが作るか?っていうと、最終的にはシャブ漬けとかコカイン、ヘロイン漬けにするつもりなんだけども、最初はタダで大麻を配るんですよね。そして、そこから積極的に大麻を吸うのが好きになった若い子に「今度はもっと気持ちいいものあげるよ」って言って、そこで依存させるっていう手口を使うので。


大麻を普通に大麻薬局(ディスペンサリー)で買えるんだったら、そもそもカルテルが接近してきても、「お金も高いし、いらない」っていう風に、そういうその市場メカニズムを使って麻薬組織の収入源を断つっていうことをやって。まあムヒカはそこそこ成功してると言えると思います。それでね、それが2010年ぐらいまでなんだけども、それ以降のマップが、また麻薬が全然変わってくんですよ。今度は中国という巨大プレイヤーが入ってくるわけ。中国の話をし始めると超気合いが必要なので、また1曲聞いてください!


Kill the Noise『Kill It 4 The Kids feat. AWOLNATION & R.City』




っちゅーわけで、いろいろと今日は大麻スペシャル。いろいろとお話しさせてもらいますけども。あの2010年頃からの新たなトレンド、麻薬カルテルに加えて今度は中国という存在。これをちょっと語りたいんですね。で、東南アジア、黄金のデルタ地帯と呼ばれるヘロイン。ケシからヘロインとかアヘン、モルヒネとかを作るんですけども。そのファミリーはずっと60年代、70年代、これはベトナム戦争中にいっぱい流通して、アメリカ兵もそれでジャンキーになっちゃったんだけどね。これがですね、地図が変わるんですね。というのは中国の本土で合成麻薬をどんどんと作り始める。


そしてそこに地元の共産党幹部も自分の利権として、それを応援したり。警察も見て見ぬふりをして大量に国際流通させる合成麻薬っていうのが中国でもう2010年代になってくるとどんどん作られるようになるわけですよ。たとえば、その中で出てきたのが「ケタミン」。中国ではこれ、「K粉」と呼んでるらしいんですけども。ケタミンがですね、普通のカラオケバーで女の子がすぐに買えるような値段で売られている。


で、ケタミンっていうのはなんか体の相性が悪い人がやると本当にそのまま心臓が止まったりするクラブドラッグなんですが。非常にに体に悪いです。1回でもやると多分、脳がある種損傷するんですけれども。まあ、高揚感やハイっていうのを得られる。あと、安い。そしてそれをやっぱり合成ケミカルで、闇工場でものすごい大量に作ることができるんで。それを共産党の幹部のお墨付きがやっちゃうわけですよ。中国で。


そうすると、もう町全体がケタミン工場。ケタミンのハブみたいな場所があって。そこにジャーナリズムが入るともう警察が妨害して、「取材するな!」みたいな。いろんな理由をつけて外国人ジャーナリストを捕まえて外に追い出すみたいな。それで結局バレちゃったもんで、地元の誰かは尻尾切りで「すいません」って言って兵の中に入るけれども、利権は相変わらず続いてるっていう風に。まあ「やめられんわ、この商売」っていう。で、それが香港とかいろいろ回り中……台湾にも行ってるのかな? 中国産ケタミンは。主に広州に大きなケタミンハブがあったっていうことを1年前、2年前にBBCがすごい潜入取材をして。もう写真満載で報道してます。英語を読める人はそこを検索してみてください。


The Ketamine Connection(BBC)

https://www.bbc.co.uk/news/resources/idt-bc7d54e7-88f6-4026-9faa-2a36d3359bb0


ケタミン、オピオイドとグローバル化


それでケタミンが大きかったんだけども、ケタミンよりさらに利益率のいい合成麻薬っていうのが中国の闇工場で作られているんですね。これは何かっていうと、オピオイドです。オピオイドっていうと、なにがあったっけ? なんかあまりにもいろんな種類がありすぎて……オキシコドン。あと、フェンタニル。フェンタニルはやめた方がいいぞっていうやつ。フェンタニルは本当に致死性が高くてですね、ヘロインと同じ効果を持つんだけども、何百倍だったかな? それでそのフェンタニルを郵送で、フェンタニルを作るための「これとこれを組み合わせたらフェンタニルを作れるよ」っていうのを郵送で送っちゃったりとか。


あとはフェンタニルそのものを大量にドカドカと宅急便で送ったりしているっていう、そういう実態が最近暴かれているわけですね。それでフェンタニルは実はいま、トランプさんのアメリカにもすごくつながりが深くて。そういう非常に中毒性の高いフェンタニルをどういう人が消費して……まあ、健康を害しているんですけども。中毒性が非常に高い。どういう人たちがフェンタニルを服用してるかっていうと、もうモロにそれがトランプさんを支持している州の選挙区とモロかぶりしてるんですね。というのは、元製造業が繁栄して、もうここ3、40年は、最初は日本。そして次はグローバリズムによって職を奪われた人たち。工場が「赤さび地帯」と呼ばれている人たち。


それで繊維工場であるとか、自動車の部品工場とか。あの東海地方の自動車部品工場とか繊維工場、いっぱいあります。滋賀県にもあります。あそこが半分以上シャッターが下りた状態で「麻薬をやるな」って言う方が無理なわけですよ。それを想像してもらいたいんですよね。我がこととして。グローバリズムっていうのは「アウトソース」と言って人件費がいちばん低いところへと、地球上で工場を閉鎖して、そこに労働力を取りに行くわけですよ。そういう移転をしてしまうというのがひとつと、あとは移民として労働力を安く入れることなんですけれども。


その移民が入ってくると、決まって効果として最低賃金が押し下げられるわけですね。もっと安く働くニューカマーの人たちがいるということで。それで、そういういろんなプレッシャーが相まって、移民労働によって給料は押し下げられている。工場は開かない。自分たちの持っている代々のスキルっていうのはもう製造業がないんで、役に立たない。ということで非常に非正規のプレカリアートな仕事でしか就けない人たちが、希望がない状態。生活保護スレスレ。生活保護世帯、シングルマザー生活保護世帯がものすごい率でいるところが、決まってフェンタニルがそこに入り込むわけですよ。


中国とアメリカの関係


希望がないところ、経済的に明日が見えないところっていうのが、フェンタニル・カウンティなんですよね。で、そこでボロボロになってきてしまうと、自分の家族や親戚がどんどんどんどん麻薬中毒になったり、あるいは麻薬の中毒症状で死んでしまったりとかして、あまりにも先行きが暗い人たちに向かってトランプさんが「アメリカをもう1回偉大にしてやる。50年、元に戻してこの工場を開けるんだ!」みたいにやっちゃうもんだから。それと、にわかにフェイスブックをやっているわけですから、もうその情報リテラシーもなく、フェンタニルにやられっぱなしの貧しい人たちが「うおおーっ! トランプさまー!」ってなってくるわけですよね。


トランプさんが経済的に破綻しているその貿易戦争であるとか、空約束した中の大ぼらを吹いた公共事業だけをやってくれたら、それは新たなニューディールになりえたんですけど、それはやっていないんだよね。その代り、お金持ちへの大型減税はやったっていう(笑)。そしていま、「絶対にやらない」とかって言ってたくせに共和党のミッチ・マコーネル議員だったかな? 共和党のドンがペロッと言ったのは「やっぱり貧しい人の医療福祉とか、ああいうのはよくない。あれは財政規律が乱れるからね。国の赤字がやっぱりね……そういうのはよくないから。お金持ちの減税、これは大事なこと。トリクルダウンするから。でも、貧しい人を医療とかそういう社会保障で助けるのは、これはカットしないとね! そうしないとほら、減税した分、ねえ……」みたいな。まあすごい話なわけですよ。


だから要は本当に、トンカツ屋さんに子ブタの就職してる感じなんですよね。「私をどうぞ食べてください」って。「ええっ?」みたいなことがまかり通っている。ところがその背景には希望のなさ、それに加えてフェンタニルという、そういう中国産が結構アメリカに出回っているわけですよ。それでこれをアメリカ政府、DEA(麻薬取締局)などなどは、中国政府にもたびたび要望するんですよ。ところが中国はね、「いや、うち麻薬なんか作ってないし。それはおたくの誰かが勝手に作ったんじゃない? メキシコの国境から来たんじゃないの?」みたいになるわけですよ。それでもう、全然はぐらかして、一部の末端の共産党幹部たちはどんどんどんどん流し込むわけだから、これは大変なわけですよ。


カナダで大麻が合法化! 「合法大麻」とは?ディスペンサリーとは?トロントから現地レポート 

https://block.fm/news/canada_weed_report


なぜ大麻合法化が欧米で進むのか?


だからフェンタニルを止めるためにも、緩衝材として大麻をフル合法化しておくと、特に若い人たちっていうのは麻薬のリテラシーがソフトトラックから始めて、「ああ、ここで止めとけばいいんだな」っていう訓練ができるわけですよね。たとえば日本式の「ダメ。ゼッタイ。」がこのまま続くとする。たとえば最悪のシナリオはこれからカナダに行って帰ってきた人たちを尿検査をやって、ハラスメントをする。逮捕はできないんですよ。使用に関しては逮捕できないけれども、ちょっとでも残っていたら……ポケット中に残っていた繊維にくっついていたら、「ほら、持ってただろ!」みたいに罰金だの書類送検だのをやるケースもありますよね。


そうやって、それを見せしめ。特に有名人とかにやることによって、「大麻はいけないんだ! 大麻フェンタニルもケタミンもみんな同じなんだ! とにかく危険ドラッグ、危険ドラッグ、危険ドラッグ!」って言い続けると何が起きるか? そのうち……まあ私のGuess。My Guess is……私の見立ては、秋田県かな? 福井県かな? みたいな。寂しくてあんまりチャンスがなさそうなところで、K粉とかフェンタニルがね、なんかで出回っちゃうっていう気がするんですよ。


本当に運びやすいんで。あとエクスタシー(MDMA)もありますよね。でね、こういうのが出回った後で「取り締まれ!」って言っても、若い子たちがどんどんどんどん中毒をする早さの方が取り締まるが早いっていうのがもうどの国……先進国も途上国もみんなそうなんですよ。1回、フェンタニルとかそういう中毒性が高いもの、あとはもっとすごいフラッカっていうのもあるんだけど。ゾンビになる薬みたいな。ああいうやつが出回っちゃうとですね、あの依存性が高く広がるあの方が、まるで伝染病のアウトブレイクみたいに広がるんですよね。それを取り締まる警察力なり刑務所の収容力っていうのが直線上にリミアにしか広がらないのに、感染はべき乗で広がるから絶対に中毒ジャンキーの方が増えちゃうわけ。


そうなる前に、じゃあたとえば「日本で医療大麻をですね、リウマチとか……」みたいにやっておけば、2020年に多くの外国人来た時に「ああ、偏頭痛持ちなんです」みたいに言って「ああ、そう。じゃあ、どうぞ。六本木で」とかね。「港区はいいよ」とか。あの、玉城デニーさんの沖縄を大麻特区とか……うーん、やっていただければ私は、あの辺野古にも賛成だったのを反対にしても(ゲフンゲフン)……みたいな感じなんですけども。ねえ。そういう、ちょっとイケてる動きを日本の方で先手を打つ。


つまり、危険で中毒性が高いものが隣国からどうせ大量に入ってくる兆しがあって。これをアメリカも止めれていないということは、日本のマトリがそれを止められるわけはないわけですよ。ということは、それを見越してハームリダクション。どんどん入ってくるに違いない。そして止めることがもういま、物理的に不可能なぐらい入ってきているもの。最近、覚せい剤でもそうですよ。あの水の中で見つかりました。あるいはどこかの船を押さえたら、100キロ単位とかで出てくる。末端価格40億とか30億単位のすごい量なんですよ。1回の捕まった時の密輸量がすごくなっているわけ。日本の中でですよ。


ということは、捕まっているのが氷山の一角で、捕まっていないのもいっぱいいるとすると、どれだけのシャブが日本を通過してるんだ?っていう話ですよね。だから「日本はクスリとは関係ない。民族性が大麻を必要としない!」とか、まあまことしやかに私、いろんな反論をいただいておりますけども。でも、民族性は関係ないんですよ。人のDNAと脳の受容体がシャブとかフェンタニルや大麻、オピオイドを好きなんですよ。で、「どれを選びますか?」っていう話になった時に、まあお酒やタバコは非常にその受容体において中毒性が高く、寿命を縮めるっていうこともわかっているけど、まあ平然と「ほどほどに……」ってやっているわけですよね? 専売公社にして。


だったら、大麻の専売公社、いかがっすか?っていう話になってくるわけ。で、そういう風にどうせ入ってくるんだったら……特に中国との関係とか、あるいは今度北朝鮮が仮に崩壊する可能性がいつだってあるわけですけれども。もう何がどうなってか、わかんない国ですから。あれが崩壊しちゃうとですね、いままでのシャブとかいろんなストックされた悪いものがいっぱい日本にそのまま流れてくる可能性も高い。そういうショックが来た時に、あらかじめ隙間を埋めておく必要があるんですよ。それがやっぱりブレーキになって。一部中毒者は絶対出る。


中毒者ゼロ、それって安全神話なんですよ。0ベクレルと似てるんですよ。「1人でも犠牲者が出てはいけない。だから大麻いけない!」みたいな論理になって、それは潔癖症の論理で現実的じゃないんですよね。だからそういうものが入ってくるっていうことがわかっているから、予め何段階かブレーキとして医療大麻、そして嗜好大麻の合法化はいかがっすか?っていう、そういう話になって、カナダは晴れてハームリダクション大国になっちゃったわけです。ちょっと聞いてみてください。『Ice Cold』っていう曲で、「Ice」っていうのはたぶんシャブのことなんだけども。メタンフェタミン。まあ、それを念頭に置きつつ、勉強をしつつ、大麻のスピリットで聞いてください。LAXX&JUS『Ice Cold』!


LAXX『Ice Cold Ft. JUS』




番組情報

 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30

モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。



written by みやーんZZ

image by Coleen Danger / Flickr


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