モーリー・ロバートソンが語る、トランプの方言(暴言?)の理由 from『Morley Robertson Show』

世界を常に騒がせるトランプと彼の支持者たちは一体何に対して騒いでいるのか? 国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンが斬る
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2018.07.24 03:45

毎週木曜日夜9時からblock.fmで放送中の『Morley Robertson Show』。国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんが「Diminishing American Presence」からトランプ政権のアメリカの現状、ロシア、中間選挙まで、今のアメリカで何が起きているかを、ドラムンベースと一緒に振り返ります。


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モーリー:今日はね、せっかく収録なので思いっきりおしゃべりをしたい。そして僕は講演会でいろいろ熱を込めてあっちこっちで喋ってるんですよ。


日本中のあちこち行ってます。富山県も行きました。長野県も行きました。沖縄も行きました。で、場合によっては、打てば響くよ細胞膜が。俺が言ったことをおばあちゃんたちが目を輝かせて聞いてくることもあれば、一生懸命喋ってるのに、おっちゃんが聞いてくれないっていうか退屈そうにしていたり、メモする手を止めてペンをコロンと落としてそのまま眠ってしまったり……みたいな。


「ああーっ! 俺の言いたいことをみんな、受けてくれ!」っていうことで、今日は講演会で言いたかったけど時としてなかなか伝わらないこと、これを前半のっけからお話していきたいと思います。それでね、みんなの脳内の左脳と右脳の活性化させる魔女3P……まだこだわっています。魔女3Pは事実です。「魔女3Pは、ありまーす!」ということで1曲、『LDS』というのを聞いてください。Document Oneの新曲です。Acid for you! 今夜もお付き合いくださいね。




講演会で言ってるんだけど、俺にとってすごく大事なことなのに、聞いている人によっては全然響かないネタがあって。それをここで皆さんと共有したい。たとえばね、ひとつは「Diminishing American Presence」なんですよ。これ、どういうことかっていうと、「Diminish」っていうのはギターの練習したことある人は楽譜とかに「dim」って書いてあるの、知らない? ディミニッシュコードって言ってちょっと複雑な音のするコードで和音でもマイナーでもないディミニッシュなんですけども。「Diminish」っていうのは「縮んだ、小さくなる」っていう意味なんですね。


アメリカの存在感やアメリカのプレゼンスが国際社会の舞台において「Diminishing」にあるということ。このトレンド、実は冷戦構造が終結した頃からずっとあったんですけど、これがいよいよトランプ政権になって強くなってきた。顕著になってきた。どういうことかっていうと、アメリカは世界の警察、世界の学級委員をやるのはもうしんどいんだという。「アメリカファースト」っていうのはつまり、アメリカ内向き。アメリカは傷ついてるから経済的にも国力も弱まってるから、まずは自分の傷を癒したい。


そしてそのために、世界にタコ足のように影響力をですね……「Power Projection」って言うんですけれどもね。「Power Projection」っていうのは非常に面白い考え方で。自分の力を世界へと影響力を拡大して投影しているという意味なんですね。で、アメリカの「Power Projection」がどんどん小さくなっていってアメリカが内側に引っ込むということは何を意味するのか? たとえばまずヨーロッパでこれを見てみましょう。NATO……「Pillars of Global Order(世界秩序の柱)」なんて言われております。


これが、要はアメリカが「金を払え。さもなくば、もうやらない!」みたいなことをトランプがNATOのサミットって言っちゃったんですね。その後に撤回してんだけど、放言してしまっている。それでそのNATOに関してアメリカが「各国がそもそもの約束通りGDPの2%を払わなきゃ、もうちゃんとやっていけない。場合によってはアメリカはEUから撤退だ!」みたいなこと言っちゃうと、それは誰に利するのか?って言うと、2通りあります。ロシアです。で、もうひとつは……あ、もちろんこれトランプさんは自分のコア支持層と呼ばれる何があってもトランプさんの言うこと、トランプさんのTwitterの方がニューヨークタイムズよりも真実で、投票をする時には必ずトランプさんに入れるっていう人たち。


こういう人たちを11月の中間選挙でトランプさんは当て込んでいるので、その人たちの力を借りて……アメリカの国民、必ず投票する有権者の30%から40%がトランプの支持層にはいるわけですよ。その人たちはティーパーティーだったり、銃規制反対だったり、福音派のエヴァンジェリカルだったりといろいろなごった煮なんですけども。まあだいたい極右です。で、主に「マイノリティーよりも白人の方がアメリカでは既得権を持ってしかるべきだ。なぜならこの国を作ったのは白人だからだ!」みたいな。「いや、その前の先住民はどうなの?」「いや、その前はアメリカじゃなかったからいいんだ!」みたいな、まあそういう論理展開がある人たちなんですけども。


このべース。トランプさんは自分のベースを喜ばせるために世界に向けてやっている。ちなみに俺のかけているベース・ミュージックとトランプのベースは違うつづりですから、そこを混同しないように。僕は「Bass」。ドラムンベース。それに対してトランプさんは「Base」。ファーストベース、セカンドベース、ホームベースの方。基地も「Base」と言います。といったところでちょっとベースを聞いてもらおうかな。よろしくお願いします。Kove『Give & Take』。



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▷ 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28


EVERY THURSDAY 21:00 - 22:30


モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。



written by みやーんZZ

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