XXXTentacionら新世代ラッパーの暴力問題をファンや音楽メディアはどう受け入れるべきか?

性的暴行やセクハラを繰り返してきたラッパー達の曲を、リスナーもただ聴くだけではなく、責任を持って聴くべきなのか? 音楽の本質が聴く側にまで問われる時代になったのかもしれない。
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2018.04.18 10:00


リスナーのモラルが問われる時代に!?


ここ数年、新人ラッパーは続々とデビューしチャートを騒がせ、ライブをすればたくさんのファンが押し寄せている。しかし、中にはそのラッパーとしての姿よりも、実生活が印象に残るラッパーもいるだろう。


先日2枚目のアルバムをリリースし、ビルボード・アルバムチャートで『?』が1位に輝いたXXXTentacion(エックステンタシオン)だが、その曲の人気ぶりもさる事ながら私生活でも話題に事欠かない。2016年には妊娠していたガールフレンドへの暴行、2017年には強盗と銃所持で逮捕され、SNSをはじめ彼の名前を見ない日はないほどだった。




ヒップホップファンはXXXtentacionを聴かないようにすべきか?応援するべきではないか?


こうした議論は彼の名前を世間に広げる結果ともなった。XXXTentacionの台頭と問題視される行動は「#MeToo」ムーブメントと共に訪れたことで、彼の立場をさらに複雑なものにしている。





XXX Tentacionだけではない、Kodak Black(コダック・ブラック)は女性に対して首を噛むなどの暴行を加え、6ix9ine(シックスナイン)は未成年と性的関係を持ったとされ、NBA YoungBoy(NBA・ヤングボーイ)は女性の監禁と暴行の容疑で訴えられた。新世代ラッパーの悪行は特に若い世代のリスナーに対して悪影響だと云う人が多い一方、彼らの人気は音楽業界を見てもトップレベルだ。ヒップホップが若者文化や新規性を取り入れ、発展してきたことに異論はない。しかし、世の中の流れから外れたライフスタイルや行動基準、価値観を持つラッパーを今後ファンやリスナーはどう捉えていけばいいのか?



音楽メディアにも新世代ラッパーの扱いが問われる


VICEが持つ音楽メディアサイト「Noisey」は、公開した記事「You Don't Have to Listen to Abusive Rappers」で虐待行為を行うラッパーを非難し、人気や流行だからといって彼らの音楽を聴く必要は無いと読者に問題提起する。


https://noisey.vice.com/en_us/article/3kjnn5/you-dont-have-to-listen-to-abusive-rappers


こうした主張を行う音楽メディアや音楽ジャーナリストは増え、拡大するヒップホップコミュニティが女性虐待事件とその被害者に対して考慮すべきだとの声が日増しに大きくなっている。


しかしながら、ファンやフォロワー数が急速に増え続け、ネット社会のスターである彼らの発言やSNSの投稿の波及効果が、本質的な問題点を忘れさせてしまう事があるだろう。


SNSの時代では、アーティストの背景が見ようとせずとも見えてしまうのが現状だ。アーティストだって人間、成功もすれば失敗もするし、それを乗り越えてきたアーティストも多い。XXXTentacionらの音楽をエンターテインメントと捉えるか、ヒップホップの文化として捉えるかでも、論点は変わってくる。彼らがベテランになれば、Jay-Z(ジェイ・Z)のように作る音楽の内容も変わってくるのだろうか? それまで続けていればの話だが。


あのKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)ですらXXXTentacionを聴くべきだと勧めている。問題児たちが作品で伝える生々しさもヒップホップの魅力の1つだからだ。結局はリスナーに委ねられるのだろう。



Written by #BsideNews


source:

https://noisey.vice.com/en_us/article/3kjnn5/you-dont-have-to-listen-to-abusive-rappers

Photo: facebookvisualhuntYouTube



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