7月にフジロックに出演するインディーエレクトロポップユニットのMGMTが新曲「James」のリミックスを公開した。
「James」は、今年2月に彼らがリリースした最新アルバム『Little Dark Age』に収録された新曲の1つで、オリジナルはメランコリックなメロディーが印象的なトラックだ。
しかし、今回のリミックス版ではその要素をうまく活かし、かつよりサイケデリックに調理しなおした極彩色のサイケインディー感溢れるポップソングになっているのだが、それもそのはず、手がけたのはイギリスの伝説的なサイケデリックロックバンドSpacemen 3(スペースメン 3)の元メンバーSonic Boom(ソニック・ブーム)ことPete Kember(ピーター・ケンバー)だけあって、なんというか説得力抜群の仕上がりになっている。
イントロの時点からディレイやリヴァーヴが聴いたまどろみを感じるトラック処理は、トリッピーな世界観を演出。全編に渡りノンビートで展開されるアンビエントにも通じるサイケデリアは、MGMTが元来持つ、ボヘミアンなテイストとも相性が良く、スタイリッシュなアンダーグラウンドさが際立っているため、非常にクールなトラックだ。
ちなみにSonic Boomは、MGMTが2010年にリリースした2ndアルバム『Congratulations』でも共同プロデューサーを務めており、エレクトロ全盛期の2007年に大ヒットした「Electric Feel」、「Kids」などを収録したデビューアルバム『Oracular Spectacular』よりも『Congratulations』は、彼の影響からかよりサイケデリック志向なサウンドになっていた。
また2016年のJusticeの復活以来、同じエレクトロ期のアーティストのカムバックの流れが近年は起きており、今年はMGMT以外にもアメリカのエレクトロスターだったFischerspoonerも新作アルバム『Sir』をリリースするなどエレクトロ再燃の兆しがある。
なお、Spacemen 3のSonic Boom以外の元メンバーで結成されたSpiritualizedも今年、6年ぶりに新作アルバム『And Nothing Hurt』を9月にリリースすることを発表。今月、先行曲「I’m Your Man」を公開したばかりだ。
MGMTは、フジロックでは2日目、7月28日の「RED MARQUEE」ステージに出演。ファンは最新アルバム『Little Dark Age』を聴きこむと同時に新曲「James(Sonic Boom Remix)」もあわせてチェックしておこう!
written by Jun Fukunaga
source:
https://pitchfork.com/news/mgmts-james-gets-new-remix-by-spacemen-3s-sonic-boom-listen/
https://en.wikipedia.org/wiki/Congratulations_(album)
https://en.wikipedia.org/wiki/Spiritualized
https://pitchfork.com/news/spiritualized-announce-new-album-and-nothing-hurt-share-2-songs-listen/
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