Googleの音楽やアート作品を人工知能で創るプロジェクト「Magenta」が、AIでローファイ・ヒップホップを作曲できる音楽アプリ「Lo-Fi Player」を公開した。
「Lo-Fi Player」では、ファミコン風グラフィックで描かれたミュージックルーム内にある、ピアノ、ドラム、ベースなどで生成されるメロディやコードなどビート、ベースラインをトラックに加えることができるほか、あらかじめ各楽器に設定されているパラメーターをユーザーが任意の設定に操作することができる。
またミュージックルーム内にあるオールドスクールなPCは、メロディ・インターポレーション機能になっており、メロディラインを自動で生成。クリックして生成されるメロディ・ラインを切り替えながら、自分の好みのメロディを楽曲に加えることができる。
Check out the latest Magenta intern project: Lo-Fi Player. Great work @vibertthio! https://t.co/KqmnoSpm06
— Google Magenta Project (@GoogleMagenta) September 1, 2020
その他にも机をクリックするとBPM、トーン(ローパスフィルター)、ボリューム、リヴァーヴのパラメーターを操作することができるが、こちらはランダムで変化を加える設定も可能だ。また窓に映る景色をクリックすると景色と連動したSEが切り替わる仕組みになっている。
開発者のVibert Thioは、アプリについて「人々が芸術をさらに楽しむことを手助けするための、インタラクティブな音楽作品のプロトタイプであり、ローファイヒップホップというジャンルをより深く知るためのインタラクティブな紹介」であり、アプリが人間の音楽プロデューサーや既存のローファイ・ヒップホップのストリーミングにとって代わるものではないと説明している。
実際に触ってみたところ、音楽知識がなくとも適当にパラメーターをいじっているだけで、確かにローファイ・ヒップホップ風のトラックを作ることができた。気になった人は是非、一度こちらのリンク先で「Lo-Fi Player」を使ったAI作曲を試してみてほしい。
なお、これまでに指1本で4つの音を合成できるシンセ「NSynth Super」のようなAI音声合成ツールが「Magenta」の研究の一環として開発されている。
関連記事:いつ買えるのか?指1本で未知の音色を生み出す、グーグルの次世代モジュラーシンセ「NSynth Super」とは
written by Jun Fukunaga
source:
https://magenta.tensorflow.org/lofi-player
https://www.theverge.com/2020/9/5/21424092/google-magenta-lo-fi-player-virtual-music-room-ai
photo: Lo-Fi Player