Lil Uzi Vertは2014年頃からラッパーとしての活動を行っている新進気鋭のアーティストである。ドン・キャノンが見出した人物でパープルやグリーンの色に染められたドレッドヘアがトレードマークだ。2017年にはアルバム「Luv Is Rage2」が見事全米チャート1位をゲット。要注目のラッパーだ。
Lil Uzi Vertは「リル・ウージ・ヴァート」と読む。日本人のラッパー愛好家には愛称「リルウジ」で通じるほど有名な存在だ。カラフルなドレッドヘアー、鼻に光るピアス。新世代ラッパーの中心人物ともいえる存在がLil Uzi Vertである。近年は「オールドスタイルvs新世代ラッパー」の構図がヒップホップ界でも見られるようになってきたが、こういった力の争いや才能の研磨がラップの進化を促してきた。
Lil Uzi Vertという特徴的な名前には実は意味がある。Uziというのは「小型マシンガン」を指す言葉だ。これはLil Uzi Vertがラップを披露した際に友人に「マシンガンのようにラップする」と評されたことが気に入り自ら名乗るようになった。そしてVertはヴァーティカルの略語だ。「頂点にまっすぐ、一直線に登り詰める」という意味が込められている。つまりLil Uzi Vertはマシンガンのように繰り出されるラップで頂点に登り詰める男なのだ。そして現在彼は実際にラッパーとして頂点を極めようとしている。アメリカのヒップホップ専門雑誌である「XXL」ではその年に期待できる新人ラッパーを紹介する名物企画「XXL Freshmen Class」があるが、Lil Uzi Vertはついに2016年に選出され掲載されたのである。つまり近年で最もクール、そして注目すべきラッパーはLil Uzi Vertであるとアメリカラップ界のお墨付きがついたわけだ。
Lil Uzi Vertは遅咲きのラッパーとしても知られている。現在のラップ界で活躍しているアーティストは幼少期からラップを初めていたという人物がほとんどだ。だがLil Uzi Vertがラッパーとしての活動を始めたのは20歳前後という。ラッパーとしてはかなりの遅咲きだ。しかしラップをするようになってからの彼の活躍はめざましい。まず地元のDJであるDiamond Kutsが彼のラップを気に入り自分のラジオ番組で放送、その後プロデューサーのドン・キャノンの目にとまった。ドン・キャノンの実績はヤング・ズィージーの快進撃やフィフティーセントのヒットを見てもらえば十分にわかるだろう。このドンと「Gangsta Grill」で有名なDJドラマは、Atlanticレコード内に新しいレーベル「Generation Now」を設立し、Lil Uzi Vertに契約を持ち掛けたのだ。Lil Uzi Vertは無事このレーベルと契約、一気にラッパーとして頭角をあらわす。
2015年にはASAPファーグ、リッチ・ザ・キッドと共演を果たし一気にLil Uzi Vertに注目が集まった。その後彼の最初のミックステープである「The LUV Is Rage」を発表。業界で最高にいかしていると話題となった。「XXL Freshmen Class」に選出されたのもこれがきっかけである。
2016年のLil Uzi Vertはそれまでの遅さを挽回するかの如く次々とミックステープをリリース。「Lil Uzi Vert vs. the World」や「The Perfect Luv Tape」でより一層ラッパーとしての注目を浴びた。そしてThe Weekndとの夢の競演を果たす。これはLil Uzi Vert自身にとっても非常に名誉なことであったようだ。彼はこのとき前座として出演したThe Weekndのツアー名を取った「XO TOUR Llif3」という曲をリリース。この曲が全米で大ヒット。全米音楽チャート10位以内に入るなどの大躍進を見せた。
人気が右肩上がりに上昇を続けるLil Uzi Vertが日本の音楽好きに名前を広めたのはライブ中に映画『千と千尋の神隠し』のTシャツを着ていたことも影響しているだろう。さらにラッパーには欠かせない高級車にも漫画「君に届け」、「ソードアート・オンライン」や「けいおん!」のキャラクターをカスタムペイントするなど、本気度合いが凄まじい。あのランボルギーニも「機動警察パトレイバー」のカスタムを施してしまうほどだ。
さらに彼は2020年に「Sasuke」というタイトルの曲をリリースしているが、これは海外でも人気の漫画『NARUTO』に登場するキャラクター、うちはサスケを意味しているという。リリック中には「Naruto」というワードも飛び出していることから間違いないだろう。こうして人気ラッパーが日本の文化に触れてくれることは誇らしい。
Lil Uzi Vertの言動が予想もつかないことはこれまでにもよくあったが、2021年2月には額に約25億円のピンクダイアモンドを埋め込んだことで話題を集めた。このために2017年からコツコツを支払いをしてきたと明かしており、念願の天然石を埋め込むことができ当初は上機嫌だったようだ。
しかしその約4ヶ月後には彼の姿からダイアモンドを確認することができなくなっていた。「指輪にしたいかも」と周囲に漏らしていたとも言われているが、その真相は不明のまま。なんとも言えない珍事件となった。ちなみにこの姿も『NARUTO』のキャラクター綱手に似ていると騒がれていた。
source
http://trendmusicnews.com/?p=61435
https://fnmnl.tv/2021/02/04/117494
Photo: https://www.facebook.com/LilUziVert/
Written by 編集部