アンダーグラウンドミュージックの野外フェスティバル「The Labyrinth」が、新潟の苗場グリーンランドで9月に開催される。Facebookにおいて今回は規模を縮小すると発表されており、来場者の満足度を上げる意図があると見られている。前売チケットの販売が一回だけ6月に行われる。
The Labyrinthの規模が縮小されることで、キャンプ場やダンスフロアにもスペースが生まれることになる。フェスティバルにつきもののバーや出店、そしてシャトルバスの待ち時間なども減り、参加者の利便性が高まると予想される。またゴミなども減るので会場が整備され、参加者の心にも余裕が生まれると言える。そうしたことがフェスティバルの好印象につながり、長く心に残る体験になるだろうと主催者は述べている。当然規模を縮小することで、一層チケットの入手は困難になる。それに関しては、ファンの理解を主催者側は求めているわけだ。前売チケットの販売は6月の一回だけで、海外での先行販売も予定されていない。
The Labyrinthといえばティピに覆われたDJブースをはじめ、クレーンに吊るされたサウンドシステムが象徴的なフェスティバルである。そこから流れ出すディープなダンスミュージックは、オーディエンスのハートを打ち続けることになる。2009年から現在の会場である苗場で開催され、2500人規模の大掛かりなものであった。出演するアーティストはアンダーグラウンドで活躍するDJをはじめ、今後人気が高まりそうな気鋭アーティストが揃っている。The Labyrinthへの参加アーティストが明かされる前からチケットは完売し、ダンスミュージックフリークの支持の高さを物語っている。
The Labyrinthのそもそもの始まりは、2001年に長野県和田峠で開催された野外パーティーにある。当時の主流はトランス系でShibva ChndraやDouble Dragonなどがラインナップされたフェスティバルであった。2002年と2003年は群馬県のならまたオートキャンプ場で開催され、スェーデンのレーベルDigital Structuresのピーター・デジタルらが参加した。一回目に比べてプログレッシブ色が強まり、サイケデリックトランスと2分化されるようになった。その結果、スターゲートとトランスパーティーの棲み分けも行われるようになったわけである。
群馬県はラビリンスファンの聖地と称されているが、川場キャンプ場に移動したのは2004年である。Kasey TaylorやD-Noxといった現在の常連DJも、此の頃から登場し始めている。プログレッシブトランスに加えて、プログレッシブハウス寄りのサウンドも追加されるようになった。そして2005年の苗場開催を境に、サウンドがテクノ方面へ移行することになる。Son Kite の別名義 であるMinilogueもラビリンスに初登場している。Son Kiteはシークレットアクトとしてプレイし、会場を大いに湧かせることになった。
The Labyrinthが不動の人気を獲得したのは2006年で、Mathew JonsonやAudion aka Matthew Dearらの人気アーティストが勢揃いしている。常連の D-NoxやKaseyらに加え、ThreeとRyan Elliottも初参加している。1500枚限定のチケットは1週間で完売しており、プラチナ・チケットと呼ばれていた。トリを飾ったのはMarcusで、ピンク色の染まった夕暮れをバックにエモーショナルなサウンドをフェスティバル会場いっぱいに響かせた。そして、その演奏は現在でも語り草になっている。
Photo: https://www.facebook.com/mindgamesjapan/
Written by 編集部