現代でも語り継がれる伝説的なビートメイカーJ Dillaが愛した機材でいえば、最近、名サンプリング・ドラムマシーンとして知られるE-mu「SP-1200」を現代仕様にアップデートした「SP-2400」が開発中だと報じられ、トラックメイカーの間で注目を集めたことは記憶に新しい。そんな中で、また新たにJ Dilla関連の最新機材「Koala」がリリースされた。
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Koalaは、Elf Audioが開発したiOS専用のモバイルサンプラーアプリで、インスパイア源は機材メーカーBOSSのサンプラー「SP-303 Dr Sample」だ。ちなみにSP-303 Dr Sampleといえば、J Dillaの愛機のひとつとして知られており、彼の生前最後のアルバム『Donuts』収録曲、31曲中29曲はこのサンプラーを使用して作られている。
このようにSP-303 Dr SampleをモチーフにしたといえるKoalaでは、スマホのマイクを通して最大で64種類のサンプルを録音できるだけでなく、リサンプリングしたり、録音したサンプルを8つの内蔵エフェクトで加工することも可能だ。またユーザーインターフェイスもポップなデザインでディスプレーされる画面もなかなかクール。モダンなアプリらしくサンプリングしたサンプルを波形表示してくれるのもうれしい。さらにシーケンサー、キーボードモードも搭載しているので、これひとつあれば、ワンショットサンプリングを組み合わせていくことでが楽曲制作も十分行える。
さらにサンプルのトリム、パン、ピッチ、音量を個別に調整可能、クオンタイズ、スイング機能付きと一般的なサンプラー、DAWにも搭載されている機能も搭載。そして個人的に目を見張る機能がアプリ内で制作したループ、トラックをなんとWavで書き出し可能という点。ほかにもAudioBus 3.0互換、MIDIコントロール、Ableton Linkを使用してほかの対応機種とジャムセッションまで可能など、かなり本格的な音楽制作機材になっている点は決して見逃せない。
現在はiOSのApp Storeにて360円で販売中。iPhone以外にiPadやiPod touchにも対応とのことなので気になった人は早速ダウンロードしてみては?
written by Jun Fukunaga
source:
https://itunes.apple.com/jp/app/koala-sampler/id1449584007?mt=8
photo: Elf Audio