国境を越えて世界の共通語となったKawaii Future Bass。ポップでありながら実験的なサウンドは聴く人の年齢や性別を問わず、様々なリスナーを巻き込んで広がっている。
そんなKawaii系発祥の地、日本国内シーンからお勧めの3アーティストを紹介していこう。
rejection – もう一回をエンドレス Feat 中村さんそ
最初に紹介するのは2017年頃からネットを中心に活動している、大阪在住の「中村さんそ」と東京のベースミュージックアーティストrejection（リジェクション）とのコラボレーション楽曲。
切ないマイナー系の疾走チューンで、中村さんそのKawaiiボイスがポップに駆け抜ける。クリアなスネアが印象的なビートは低音の響きも気持ちよく、間奏のシンセフレーズは激エモ級。スピーカーでもいいが、あえてヘッドフォンで聴きたくなる好トラックだ。
この曲は、昨年12月31日にリリースされたMEGAREX（メガレックス）レーベルのヴォーカルポップコンピEmotional Vocal Pop 01に収録されている。このコンピは、他の収録アーティストもかなりクオリティが高い。ポップなKawaii系やヴォーカルものが好きな人にはたまらない内容となっている。現在のヴォーカルポップシーンを知るには、最高のアイテムである。YouTubeで全トラック試聴できるので、チェックしてみて欲しい。
MEGAREX - Emotional Vocal Pop 01
普段は自身でビートメイクも手掛ける、才能豊かな中村さんそ。彼女は、今年3月1日にセルフプロデュース中心のEPを発表したばかりだ。気になる人は、ぜひ聴いてみて欲しい。
中村さんそ – 中村さんそと呼吸して
芽田ぱに子 - City lights. (filmiiz Remix)
次は、ネット音楽界のニューフェイス「芽田ぱに子」を紹介しよう。アーティストプロフィールには「令和とともにiPhone片手に楽曲制作を開始」と書かれている。そのまま受け取るとアーティスト歴1年ほどということになるが、その話を疑いたくなるほど驚くべき実力派である。
まずは、OMOIDE LABEL（オモイデレーベル）から発売されているシングルCity lights. With RemixesからCity lights. filmiiz（フィルミイズ？） Remixを聴いてみて欲しい。
近年の静かなリバイバルブームからも目が離せない#New Jack Swingのタグが付けられているように、どこか懐かしくも新しい曲調で芽田ぱに子の都会的な歌声が独自の世界を表現している。低音のグルーヴが圧倒的に心地よく、またキラキラした高音の処理はまさにタイトル通り都市の夜景を思わせる
今回の作品はオリジナルミックスの他に５トラックのリミックスが収録されている、bandcampでのダウンロードは以下のリンクから。
上で取り上げたfilmiizバージョンに加え、ネット上のクラブミュージックシーンのキーマンとして盛んにリリース活動を行っているMtell（エムテル）のリミックスも合わせてチェックを。出だしから激しいヴォーカルチョップで気分を盛り上げてくれるアグレッシブなスタイルは、現場の興奮をそのまま届けてくれているようだ。
芽田ぱに子 - City lights. (Mtell Remix)
Twitterを見ると東京エリアでライブ活動も行っている様子の彼女、今後のクラブシーンの台風の目となるか？もはや定着したジャンルとして加速し続けるKawaii系の中でも、ひときわクールで異彩を放っている芽田ぱに子の今後の活動に注目だ。
うさこ // kotu - Miracle Romance!
最後に紹介するのは昨年7月22日に「Miracle Romance!」というEPをリリースした東京の「うさこ // kotu」（ウサコ コツ）。
今回のEPは香港のNeon City Records（ネオンシティレコーズ）と、うさこ // kotuのバンドキャンプで発売された。まず、80年代タッチのファンシーなジャケが完全に原宿系Kawaii路線。このジャケの時点で、心を奪われる人も少なくないだろう。
1曲目のMiracle! w/Puniden（プニデン）ではキラキラ感たっぷりのフューチャーファンクにハスキー系Kawaiiボイスの歌メロが、このジャンルの王道を行っている感がある。他の楽曲でも大幅に女性ボイスをフィーチャーしており、サウンドはオシャレかつ踊れるダンストラック満載。
部屋でくつろぐ時はもちろん人が集まるパーティシーンやドライブのBGMとしても機能するKawaii Future Bassとなっている。
以上、今回はKawaii系のヴォーカルものと言うことで3アーティストを紹介させていただいた。
この極度にポップな「ときめき感」は、フューチャー・ベースの派生ジャンルというポジションを超え、まだまだ進化しそうだ。
written by Yui Tamura
source:
https://sanso3.bandcamp.com/album/--3
https://soundcloud.com/meda_panico
https://neoncityrecords.bandcamp.com/album/miracle-romance
photo:
https://sanso3.bandcamp.com/album/--3
https://soundcloud.com/meda_panico
https://neoncityrecords.bandcamp.com/album/miracle-romance