コアなクラブミュージック情報を提供することに定評がある海外音楽メディアElectronic Beatsが、世界のテクノ史にその名を刻む珠玉のジャパニーズテクノをピックアップ。日本のテクノクラシックを振り返る企画を公開中だ。
ピックアップされたのは、90年代から00年代にかけて、世界のダンスフロアや音楽通をうならせたKen Ishii、石野卓球、Kaito、Rei Harakamiらなどによるテクノクラシック名盤15枚。 リストでは1995年のKen Ishii『JELLY TONES』、1999年の石野卓球『BERLIN TRAX』、1997年の田中フミヤ「UKNOWN POSSIBILITY VOL. 1」といった今もクラブシーンの最前線で活躍するDJ/プロデューサーたちの作品や、2016年にデトロイトテクノの名門「Transmat」からリリースした『MULTIVERSE』でも世界的な注目を集めたHiroshi Watanabeによる2002年のKaito『SPECIAL LIFE』、2001年のDJ Shufflemaster『EXP』などいずれも今、聴いても古びれないサウンドを発信する名盤と呼ぶにふさわしい作品の名前が確認できる。
またリストで名前を確認できるアルバムでは、音楽プロデューサーとしてクラブミュージックシーンで世界中からリスペクトされていた故Susumu Yokotaによる1993年の『THE FRANKFURT-TOKYO CONNECTION』、誰にも真似できない唯一無二で複雑なテクスチャーを持つ美麗エレクトロニカでJ-POPシーンでも名作リミックスを残した故Rei Harakamiによる1997年の『UNREST』もテクノ好きなら1度は聴いておきたい名作だ。
それ以外にもダブテクノの御大Bassic Channelが運営に関わったレーベル『Chain Reaction』からリリースしたたった1枚のEPで伝説のテクノアーティストとして長らくその名が語り継がれてきたShinichi Atobeによる2001年の幻の名盤『Ship-Scope』がピックアップされていることにも注目したい。
相変わらずその正体は謎に包まれたままだが、ここ数年の間、不定期ではあるもののリリースが再開されており、その度海外の音楽メディアから注目される彼だけに、今年新作がリリースされることにも期待だ。なお、Shinichi Atobeは昨年、東京の神楽坂にあるアンダーグラウンドなクラブ「KGR(n)」にておそらく世界初となるイベント出演を果たしたこともにわかに話題になっていた。
本稿ではリスト中の一部の作品のみをご紹介したが、ほかにもKen Ihsiiの別名義FLR、Susumu Yokotaの別名義Ebiなどの作品もリストでは紹介されている。ピックアップされた全15枚のジャパニーズテクノ名盤が気になる人は下記のフルリストで確認しておこう。
▶︎「15 CLASSIC JAPANESE TECHNO ALBUMS THAT EVERY HEAD SHOULD KNOW」
TAKKYU ISHINO, BERLIN TRAX (KI/OON MUSIC 1998)
FUMIYA TANAKA, UKNOWN POSSIBILITY VOL. 1 (TOREMA RECORDS 1997)
KEN ISHII, JELLY TONES (R&S RECORDS 1995)
EBI, ZEN (SPACE TEDDY 1994)
REI HARAKAMI, UNREST (SUBLIME RECORDS 1997)
DJ SHUFFLEMASTER, EXP (TRESOR RECORDS 2001)
SUSUMU YOKOTA, THE FRANKFURT-TOKYO CONNECTION (HARTHOUSE 1993)
KAITO, SPECIAL LIFE (KOMPAKT 2002)
FLR, EASY FILTERS (REEL MUSIQ 2001)
DJ WADA, ONE (SUBLIME RECORDS 2009)
TAKAAKI ITOH, BOX EP (MAJESTY RECORDINGS 1999)
AKIKO KIYAMA, 7 YEARS (DISTRICT OF CORRUPTION 2008)
HIROAKI IIZUKA, JOURNEY THROUGH A BRAIN (SOLEIL RECORDS 2009)
MATRIX, VARIOUS FILMS (CHAIN REACTION 2000)
SHINICHI ATOBE, SHIP-SCOPE (CHAIN REACTION 2001)
参考:
http://www.electronicbeats.net/the-feed/15-classic-japanese-techno-albums-every-head-know/
Written by Jun Fukunaga