Written by Jun Fukunaga
近年、国内でも盛り上がりを見せるハードダンス・レイヴシーン。現在は、J-POP、ゲームミュージック、アニメの要素ともリンクし、その認知度も拡大中だ。
記事で解説されるのは、「ハッピーハードコア」が”時としてダンスミュージックの黒歴史として語られる”理由、同じ初期レイヴから分化した「ジャングル」との違い、イギリスのユースカルチャーの一大現象にまでなったが、当時の批評家から酷評された経緯など。
また、現代のダンスミュージックにおける最大勢力であるEDMとのいくつかの共通項とそれがハッピーハードコアと同じように酷評される理由や、さらにはブームが一周し、近年、再び「ハッピーハードコア」に注目が集まるようになった理由などもわかりやすく解説されている。
なお、初心者の筆者がその中でも特に興味深いと感じた点は、このジャンルが持つ”エナジー”と”その他のダンスミュージックが持つシリアス過ぎる側面を嘲笑するための最適なツール”という点だ。そして、その点がファンに受け入れられ、それが「ハッピーハードコア」が持つアニメ的な音楽性をさらに強調させた“カワイイ(kawaii)” 系レイブシーン、「ハッピーハードコア」からの影響がうかがえ、ハイセンスな若者の間で人気の”現行お洒落”ダンスミュージックの代表格である”PC Music”のようなレーベルを生み出したことに加えて、そんな音楽のファンの中にはかつてこのジャンルを酷評していた"批評家"も数多く存在することを指摘している点もまた興味深い。
また、このシーンの代表的なDJ/プロデューサーであるBilly “Daniel” Bunterは、このジャンルが持つ「究極の享楽性」について、下記のように述べている。
「ハッピーハードコアの究極のメッセージは “楽しさ” なのさ。世の中には政治的なメッセージを届けるための音楽もあれば、音楽を未来へ進ませるための音楽もあるし、この地球で最もディープな音楽もある。でも、そういう音楽はハッピーハードコアとは一切関係ない。ハッピーハードコアは楽しいだけの音楽なんだ」
ここまで読んで、シリアスさより、「楽しさ」のみを追求した「享楽」のダンスミュージック「ハッピーハードコア」が気になった人は、毎月第3木曜20時から放送中のDJ Shimamura & MC STONEがナビゲートするハードコアレイヴ番組「RAVE-A-RIDE」で最新のこのシーンの音源をチェックしてみよう。
▶︎RAVE-A-RIDE
*毎月第3木曜 20:00-21:00放送中
http://block.fm/program/ravearide/