以前、大きな話題となった謎の覆面ストリート・グラフィティアーティスト、バンクシーの正体が実は音楽ユニット・マッシヴ・アタックのメンバーの1人である3D説が今、イギリスで再燃しているようだ。
同国メディアMETROによると、これはドラムンベースの帝王として知られるゴールディの発言がきっかけになっている模様。
今週火曜にゴールディは、イギリス人の詩人でラッパーのScroobius Pipが毎週放送しているDistraction Pieces Podcastというポッドキャストにゲスト出演。
しかし、彼は話題が”グラフィティ・アートの商業化”になると、「”バンクシー”とバブル文字で書かれたTシャツを売ればいい」と言ったのち、「それは”ロバート”をディスってるわけじゃない。彼は偉大なアーティストだし、世界のアートを変えた存在だ」とも発言したのだが、そこで出てきた”ロバート”という名前が実は今回の出来事で非常に重要な意味を持つ。
まずバンクシーはイギリス・ブリストル出身と一説には言われており、以前その正体だと噂された3Dも同じくブリストル出身、さらにこのゴールディも同じくブリストルに縁がある。そして、3Dはミュージシャンになる以前は、同地にグラフィティとヒップホップカルチャーを持ち込んだと言われる人物で、バンクシーにも影響を与えたと言われている。
一方、ゴールディもまたミュージシャンになる前はグラフィティアーティストとして活動してきた経歴を持っており、3Dとは長年の交流関係がある。そして、3Dの本名はロバート・デル・ナジャということから、彼が口にした”ロバート”という名前は3Dのことを意味するという見方ができるとMETROは考えているようだ。
実際の放送では、その”ロバート”という言葉を口にした後、急にゴールディが一瞬フリーズしたかのような空白部分が入っているため、もしかしたらついうっかり口を滑らしてしまったことに動揺してしまったのかも知れない。
また、昨年9月に同じくイギリスのメディアDaily Mailがバンクシー=3D説が3D本人によって否定されたと報じていたが、今回の件で、再びこの説が事実である可能性が浮上してきたわけだ。
ちなみに今年3月にバンクシーがイスラエル・ベツレヘムに開業させた「世界最悪の景観を持つホテル」こと『The Walled Off Hotel』のリモートコンロールで演奏される奇妙なライブレジデントにも3Dは抜擢されていたことにも注目したい。
果たしてゴールディが口にした”ロバート”とは、3Dのことで、バンクシーの正体は3Dなのか?信じるも信じないもあなた次第という感じだが、年内に発売されているゴールディの半生が綴られた"過激な内容”の自伝にもしかしたらこのことも書かれているかもしれないと考えるとちょっとワクワクしてくる。
なお、ゴールディは今月、待望の新作アルバム『The Journey Man』をリリースしたばかり。
参考:
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Written by Jun Fukunaga
Photo by Ollie Kirk/Goldie Facebook