フリースタイルダンジョンといえば、日本のラップファンなら知らない人はいないといっても過言ではないだろう。2015年の放送開始以降、多くの人がその内容を楽しみにするようになった。テレビ朝日により深夜の時間帯に放送されているが、深夜という時間帯にもかかわらず高い視聴率を保持しているのだ。
フリースタイルダンジョンを楽しみにしているのは、もはやラップに興味関心を持っている人だけにとどまらないといえるだろう。放送される時間帯は平日の深夜であるにもかかわらず高視聴率をキープしていることにもその人気の高さを伺い知ることができる。フリースタイルダンジョンは、いわゆる即興のラップバトル対決である。チャレンジャーが「モンスター」と称される強豪ラッパーとバトルを繰り広げ、勝者が賞金を勝ち取るという番組内容だ。従来のMCバトル対決にロールプレイングゲームの要素を取り入れていることが特徴といえるのではないだろうか。
番組では、放送のメインであるバトルが終わると、ゲストによるライブが行われ、多くの話題を集めることになっている。フリースタイルダンジョンがここまで多くの支持を集めているのは、番組の演出の妙味があるといえる。バトルの歌詞については、全て文字起こしがされて、テロップをつけて放映されることになる。歌詞はADが、一旦文字に書き起こしたものを、出演者自身にチェックしてもらうという念の入れようだ。演出を担当する岡田純一は、テロップ内容にも多くのこだわりを持って臨んでいる。番組をスタートさせた際には、テロップの導入自体を迷ったが、視聴者にとって、わかりやすいのが一番という理由からテロップを表示することに踏み切ったのである。
フリースタイルダンジョンでは、放送上ふさわしくない単語については、ピー音を使うことなく、「コンプラ」と表示している。このアイデアは、構成作家として知られる鈴木おさむによるものであり、画期的なアイデアだとして話題を集めることになった。
フリースタイルダンジョンは、ラップをはじめて間もないという人から、ラップの上級者にまで広く親しまれることでも有名だ。番組スタートのきっかけになったのが、「高校生RAP選手権」である。この番組を見たサイバーエージェントの藤田晋が、MCのバトル対決に興味を持ったのがきっかけだ。ラップの世界では神様的な存在のZeebra(ジブラ)に声をかけることで、番組が生まれることになった。番組を立ち上げるにあたっては、放送作家の鈴木おさむやテレビディレクターの岡田純一などが中心として活躍を果たした。
番組を作る際にこだわったのが、いかにしてテレビでわかりやすく演出するかという点である。そこでネーミングにもわかりやすいことを第一に考え、フリースタイルダンジョンと名付けられた。その対戦ルール作りにも随所に工夫が散りばめられている。視聴者にとってわかりやすいという点にこだわっていることが特徴的な点といえるだろう。チャレンジャーがモンスターとフリースタイルバトルを行い、勝利をすることで賞金をゲットできる。そして次の対戦へと進むことが可能だ。4連勝をすることで、ラスボス・般若との対戦をすることができる。途中での辞退もできるが、対戦して負けてしまった場合には、それまでの獲得賞金は没収されることになってしまう。バトルは3本勝負となり、先に2勝をあげた方の勝利が決定する。
フリースタイルダンジョンのメインMCを務めるのはZeebraであり、進行・ナレーション役はサイプレス上野という豪華ラインナップが揃っているのも、番組の人気を確固たるものにしている大きな理由といえるのではないだろうか。
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written by 編集部