毎月第一木曜日にblock.fmで放送中の『温故知新』。FPM田中知之と、i-depナカムラヒロシが毎回ゲストを迎えDJカルチャーやクラブシーンについて語る番組。今回は誕生日前日のFMP田中さんが、日本だけでなく海外のイベントや、ファッションブランドのパーティでDJを数多く行うなど、TOKYOストリートカルチャーを象徴する存在として知られるJOMMYさんをゲストに迎え、フランス・パリのフェス「Fête de la musique」や、パリ・ファッションウィークの裏側など、海外のナイトシーンを振り返る。
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田中知之:僕はね、この番組でも言っているんですけど毎年夏至の日。6月21日ぐらいが夏至の日なんですけども。毎年、これはパリが発祥なんですけども。「Fête de la musique」っていう音楽祭ですね。街が全部。その時、6月21日はパリにいらっしゃいましたもんね。結構いろんなところでやっていたでしょう? 全部あれ、フリーパーティーで。
JOMMY:すごいですよね。
田中知之:そうなんですよ。僕はモンマルトルの丘の上で枝魯枝魯っていう日本料理屋さんがあるんですけど。本当に僕は後の方から参加させていただいているんですけど、2013年ぐらいからずーっと……もっと前だ。僕は2013年ぐらいから参加しているんだけど、本当に2010年ぐらいからテイ・トウワさんと木村コウさん、ヒロ杉山さんがDJで参加されて。で、枝魯枝魯の店主の枝國くんっていう、彼もダンスミュージックが大好きなんで。で、彼らがパーティーをやっていて、僕はもう後からジョインさせてもらうようになって。大沢伸一くんも……今年は大沢くん、仕事の都合で来れなかったんですけども。いつもそんな感じでずーっとパーティーをやっているんですけども。
JOMMY:はい。
田中知之:そのモンマルトルの丘のあたり、すごいんですよ。
JOMMY:もう世界遺産でパーティーみたいな?
田中知之:そう。もうね、とにかく道路が祇園祭みたいに人で埋まるんですよ。ブワーッて。本当、見渡す限りいろんなパーティーとかをやっていて、もうゴチャゴチャになっているんですけど。で、今回は特にサッカーワールドカップのフランス戦の直後からパーティースタートぐらいの感じだったんですよ。あれ、ちょうどフランス戦が現地時間の17時ぐらいからキックオフで。で、たぶん19時ぐらいに終わったんですけど。パーティーはだいたい19時ぐらいからスタートするんですけど。JOMMYくんも体験しているからわかっていると思いますけども。本当に午後7時、8時っていったら全然昼間ですよね。
JOMMY:そうですよね。
田中知之:で、午後11時になってやっと暗くなるっていう。だから本当に夏至の日だけあっていちばん日が長いっていうのも日本と夏至の感じが違うもんね。全然。
JOMMY:そうですね。なんかこう、体内時計が狂ってしまうような感じですよね。
(中略)
田中知之:いきなりJOMMYくんに1曲、お願いしましたけど、これは?
JOMMY:これはさっきのパリ話。パリつながりでカシアスの新しい曲で『W18』っていう曲なんですけども。これ、たぶん2007年ぐらいにカシアス本人たちの『I'M A WOMAN』っていう曲があって。今の曲もそうなんですけどジョセリン・ブラウンが歌っている『I'M A WOMAN』っていう曲をまた弾き直して作り直したっていう曲で。
田中知之:ちょっと軽い、いい具合な感じにね。
JOMMY:で、1ヶ月前ぐらいにカシアス本人たちのInstagramかなんかのムービーでセス・トロクスラー。彼がこの曲を本人のDJプレイ中にかけていて。このリミックス、なんなんだろうな?って思ったら曲名も変わって『W18』っていう曲でまた出てたっていう曲ですね。
田中知之:いや、もうやっぱりね、フランス……結局僕は夏至の日のモンマルトルの野外のところもやったんですけど。その後にJOMMYくんも帰ってから月曜日にも、これはバスティーユのちっちゃいクラブみたいなところでもイベントをやったんですけど。やっぱり最後の方になってきたら、フランス人の客とかがこういうフレンチタッチを欲しがるんですよ。だからもう、もちろんモンマルトルの丘の上も……まあ、時間帯によってはテクノがバンバンかかったりとか、テイさんがディスコをバンバンかけたりするんですけども。いつもだいたい最後は僕か大沢くんがやっていて。今回は大沢くんがいなかったんで僕がアンカーをやっていたんですけども。もう最後は本当にダフト・パンク周辺という90年代終わりのフレンチタッチと言われる『Together』だったりとか『Music Sounds Better With You』だったりとかをかけるんですよ。延々と。
JOMMY:うわーっ、いいですね!
田中知之:めちゃめちゃ上がるんですよ。フランス人も「ウワーッ!」ってなって。
JOMMY:それ、結構涙系ですね。
田中知之:そう。DJファルコンだったりとか。だからね、なんかすごいね……。
JOMMY:いいな、大人で。
田中知之:あのフレンチタッチが一世を風靡してから本当に20年近く経つんだよね。だから……。
JOMMY:色あせないですよね。
田中知之:色あせないし、逆に1周回って今な感じもしてきて。なんか、フィルターハウスって言ってみたりとか。もちろんダフトのファーストアルバムが出たのが95年ぐらいだと思うんですけど。で、ちょうど僕、パリのシャイヨ宮っていう宮殿で2001年になる瞬間、なんかコレットのパーティーでみんなで……それこそフレンチタッチの周辺のやつらとパーティーをやったすごいいい思い出があって。
JOMMY:へー!
田中知之:で、そこにはダフト・パンクが遊びに来ていたんですけど、ただまだマスクしてなくて。
JOMMY:ああ、当時はね。
田中知之:当時はまだマスクしていなくて。で、ちょうどそれこそ今でこそクラシックですけども『One More Time』のプロモ盤だけが本当にボール紙色の印刷した1曲だけしか入っていないCDが世の中にバーッて11月末ごろに配られて。それでちょうど1ヶ月後ぐらいのタイミングだったんですね。なんかそれをね、今回パリに行ってまた同じように思い出して。ちょうどそのモンマルトルの僕がフレンチタッチをいつもかける、そのまさにそこから数分のところが当時のダフト・パンクのスタジオだったの。モンマルトルにあって。
JOMMY:うんうん。
田中知之:で、いちばん最初は僕、それこそKitsunéのジルダとかにパリにDJで呼んでもらって。で、僕もFPMとしてKitsunéからリリースさせてもらったりしていた時にまあ、パリを案内してくれたんだけど。そんな時、「ここはダフト・パンクのスタジオがあったところだよ」なんて教えてくれたりして。で、なんかまあそんなモンマルトルの丘で毎年そうやってフレンチタッチをかけて……っていう。それをまたちゃんと感じ取ってカシアスの新曲をかけてくれているJOMMYくんなんて素敵だなって思ってますけども。
JOMMY:いえいえ。そうなんですね。
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▷ block.fmラジオプログラム
温故知新〜own kool, check things…
Schedule:EVERY 1ST THURSDAY 22:30 - 24:00
DJ:Tomoyuki Tanaka (FPM),HIROSHI NAKAMURA (i-dep)
日本のクラブシーン黎明期から活躍するFPM田中知之とi-depナカムラヒロシが毎回ゲストをお迎えしてルーツを探るマンスリープログラム。
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田中知之
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ナカムラヒロシ
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written by みやーんZZ