ソニーCSL(ソニーコンピュータサイエンス研究所)が、AIアシスト楽曲制作アプリ「Flow Machines Mobile」(以下、FM Mobile)の提供を日本と北米で開始した。
各種DAWプラグインとも連携して機能するクラウド型の楽曲制作用AIツール
iOS向けモバイルアプリ「FM Mobile」は、各種DAWプラグインとも連携して機能するクラウド型の楽曲制作用AIツール。アプリはAIを活用し、クリエイターの望むスタイルに合わせたメロディー、コード、ベースラインを提案する。曲のスタイルを表現するため独自の概念を採用した「スタイルパレット」は、音楽データを解析した機械学習モデルで、ソニーCSLが開発した各種プリセットのほか、アプリ内で作曲者自身が新たにオリジナルのスタイルパレットを作成することも可能だ。また、自分の音楽スタイルを残しながらも、新たな発想につながるメロディーをAIに生成させることもできる。
「FM Mobile」では、作りたい曲のジャンルとコードに合わせてスタイルパレットを選択し、「compose」ボタンを押すと選択したコード進行に合わせてAIにより8小節ごとにメロディーが生成される。音符の長さやメロディーの複雑さを調整するパラメータを変更することでより意図に沿った提案をAIから受けることができる。また、FM MobileのデータはMIDIデータのため、気に入ったメロディーができればAppleの楽曲制作ソフトウェア「GarageBand」に取り込み、素材としてそのまま使うことも可能。さらに保存したメロディーは、ソニーCSLが2019年に開発したDAW上で機能するプラグイン型のツール「Flow Machines Professional」を使うことで各種DAWに取り込むこともできる。
チュートリアルムービーなど関連動画も公開
アプリのリリースにあわせて、公開したFMのブランディングムービーでは、江﨑文武(WONK/millennium parade)によるFMを用いて書き下ろした楽曲「Obscura (feat. HANA)」を使用。同時に公開したチュートリアルムービーでは江﨑による楽曲の制作過程を確認することができる。
また、Qiezi MaboによるFMを使った新曲「Midnight Calling」も配信リリースされている。ソニーCSLのYouTubeではQiezi MaboへのFMに関するインタビュービデオも公開中だ。
オンラインイベント「UNLOCK with Sony」開催。Flow Machinesの登場は9月23日(木)
なお、ソニーでは9月23日(木)〜26日(日)の4日間、ソニーのオンラインプラットフォーム「ソニースクエア」にて、未来共創型イベント「UNLOCK with Sony」(アンロック・ウィズ・ソニー)をオンライン開催。開催1日目には「作曲家とAIの共創 Flow Machines」と題して、若手クリエイターの楽曲制作過程を紹介し、音楽制作の未来を語るトークセッションを行う。また、一般公募する「FM Pro」で制作された楽曲について、音楽プロデューサーによる講評(※1)も公開する。
※1:講評される楽曲は一般公募から選出された一部のものとなる。
「Flow Machines Mobile」ダウンロード
https://apps.apple.com/jp/app/flow-machines/id1495767411?itsct=apps_box_link&itscg=30200
written by Jun Fukunaga
source:
https://www.sonycsl.co.jp/press/prs20210909/
photo: sonycsl.co.jp