ダンスミュージック制作の定番Rob Papenのバンドル最新版登場

クリエイターにインスピレーションを与える有能シンセが山盛り。
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2020.06.23 10:00

数多くの定番シンセをリリースし、プラグインシンセの王道ブランドとして知られるRob Papen社より、同社のオールインワンバンドルパッケージの最新版eXplorer 6がリリースされた。


BLUE、PREDATOR 2、SubBoomBass、BLADE、Go2…など世界中のトップクリエイターたちから絶賛される定番シンセに加え新たに「QUAD」「B.I.T.」「XY-Transfer」「PUNCH2」が追加され、合計25ものプラグインが含まれて、45,400円(税抜)で入手できる。

これから導入を検討する方向けに、当記事では改めてRob Papen製品の魅力や特徴を紹介していこうと思う。


▼人気シンセPREDATOR 2の紹介動画


一発屋の多いシンセメーカーの中で、ヒット製品を継続リリース


Rob Papenはオランダ発のプラグインベンダー。ソフトウェアシンセの開発においてはNative Instruments社と並ぶ知名度・人気を誇る。


同社の製品を網羅するバンドルeXplorer 6イメージを一言で表すなら、優秀なエリート集団のような印象だ。ソフトウェアシンセのメーカーは一つのヒットがあれば上出来で、ヒット製品頼みな運営となっているメーカーも少なくない。

しかし、Rob Papenがこれまでにリリースしてきたシンセはそれぞれ着実にシーンで支持されており、いくつものヒット作を世に出し続けているのが大きな特徴だ。

したがってバンドルの中身も充実している。こういったメーカーのプラグイン全部入りバンドルは、代表的な主力プラグイン以外はインストールしても使わなかったりするが、eXplorer 6に含まれるプラグインは優秀なレギュラーメンバー級が多数そろっている。


クリエイターを刺激するシンセ


INSPIRATION SOUNDWAREをスローガンに掲げるRob Papen社は、インタビューでも過去のシンセや楽器の再現には興味がないと明かしており、先鋭的でエッジーなスタイルのシンセを得意としている。

ユーザーインターフェースはそれぞれのシンセに個性があり、パラメーターも多いので初見でいきなり全ての機能を使いこなせないかもしれない。それでもマニュアルも読まずにプリセットを適当にいじっていると、偶発的に思いもよらない使えるサウンドが制作できることも多い。


シンセによっては意図的に偶然から生まれるインスピレーションを引き起こそうとしているのではないかとさえ思うようなデザインとなっており、初心者でも使い勝手が良くマニアックなサウンドを作れるし、シンセマニアならとことんサウンドを追求できる。


▼直感的操作でいい意味でのやりすぎ感をだせるシンセBLADE


ライブかサウンドデザインまで意識された設計


また、各製品はスケッチやマニピュレーションなどのサウンド制作の部分からパフォーマンスまで様々なシーンを意識されており、制作からライブまで活躍できるような設計のシンセが多い。

Rob Papenはもともとバンドで活躍し、その後ははEnsoniqやE-Muといった伝説的なシンセメーカーのプリセットを制作していたこともあり、バンド・そしてサウンドデザイナーとしての両面から使えるシンセを作っているという印象だ。





評価の高い伝統のプリセット


同社のシンセはプリセットも優秀として知られている。

先述の通りプリセットを適当にいじるだけでいい感じの音が出たりするのだが、これはシンセの設計に加え、プリセット自体のサウンドデザインの優秀さもあるだろう。

プリセットの量や選びやすさに加え、サウンドそのものが実践的で使えるものが多く、このあたりはRob Papenの人気の土台となっている。

先述した一貫性のある設計思想と、クオリティの高いプリセットこそが同社の人気を保つ理由と考えて間違いないだろう。

プリセット好きでシンセをいじることはそこまでしないというクリエイターにも、十分にオススメの内容だ。


定番だらけのバンドル内容


それでは少しバンドル品を紹介してみよう。

Rob Papen社のプラグインの中でも最もファンの多いシンセの1つがBLUEⅡだ。クロスフュージョン・シンセサイザーと銘打たれたこのシンセは4つのオシレーターと2つのサブオシレーターを搭載、FMモジュレートもしくはリングモジュレートするシンセだ。このオシレーターの豊富さに加え、プリセットの豊富さ(4000以上!)やX-Yパッドの軌跡メモリなど特徴的な機能を有し、楽曲構築の中心となるべき1台だ。



またSubBoomBass2も出音の強烈なサブベースとして有名だ。サブベースはコンプを掛けると音が痩せ奥まった印象になりがちだが、このSubBoomBass2はしっかりとした存在感をキープでき、欧州発のEDM、Bass music、Hip Hopまで、様々なビートの重低音を支えている。



この他にも多数のユニークなプラグインをバンドルしており全ては紹介しきれないが、各プラグインの概要はこちらの販売代理店サイトで簡潔にまとめられている。

https://dirigent.jp/blog/new-product-rob-papen-6-to-launch-the-explube-6/


雰囲気を知る、という意味で以下のとく(阿部尚徳)氏、Dub Master X氏のインタビューは参考になるだろう。

https://dirigent.jp/blog/rp-interview-toku/

https://dirigent.jp/blog/dub-master-x-meets-rob-papen/


他にもリバーブ / ディレイ / モジュラーエフェクト / ディストーションなどのエフェクターもバンドル。定番シンセサウンドから飛び道具的なSE、フロアのハイファイサウンドシステムにも対応できるサブベース、ファットなリードシンセなどなど、ビートメイカーを長きにわたりサポートし続けてきた同社だからこそできる、超充実のバンドルとなっている。

これまで気になっていた方は、このリニューアルの機会にシンセ界のエリート集団を自身のビート制作チームに引き入れてみよう。


written by Yui Tamura


source:

https://dirigent.jp/rob-papen/explorer-6/

photo:

https://dirigent.jp/rob-papen/explorer-6/




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