10月15日に日本でも公開され、現在大ヒットしている映画『DUNE/デューン 砂の惑星』。同作は、先日、続編となるパート2の制作が正式決定し、アメリカでは2023年10月20日公開、日本では2023年公開予定であることが発表され、映画ファンの間で話題になっている。
サンドワームの音の意外な制作方法についてサウンドエンジニアが語る
『DUNE/デューン 砂の惑星』は、『スター・ウォーズ』や『アバター』シリーズなど、数多くの作品群に影響を与えてきたフランク・ハーバートのSF小説を新たに映画化した作品で、監督は『ブレードランナー 2049』で知られるドゥニ・ヴィルヌーヴが務め、音楽は映画音楽界の巨匠、Hans Zimmerが担当。また、歌手として活動するZendayaも俳優として出演するなど、音楽ファンにとっても注目の作品だ。
同作では、舞台となる惑星アラキスの砂漠に生息する巨大な体節生物サンドワームが登場するが、最近、WIREDに掲載されたサウンドエンジニアのMark ManginiとTheo Greenのインタビューでは、サンドワームの音作りに関するユニークなアプローチが紹介されている。
小型マイクを自分の口にくわえてサンドワームが物を飲み込むシーンで使用
インタビューによると、Mark Manginiが小型マイクを自分の口にくわえて深く吸い込むことで、リアルな嚥下音(物を飲み込む時の音)を作り出し、それをサンドワームが物を飲み込むシーンで使用したという。また、サンドワームが口を開ける時の音は人間や動物の鳴き声を加工したものを重ねて作られているそうだ。
2人はSF映画の伝統を打ち破り、非現実的な生命体で満たされた空想の世界で、最も現実的な音響効果を実現するために、FDR(フェイク・ドキュメンタリー・リアリズム)を使用したと説明。カリフォルニアのデスバレーで砂が動く音を録音し、それを応用してサンドウォームが近づいてくることを示す音として使用したことも明らかにしている。
『DUNE/デューン 砂の惑星』は映画の内容だけでなく、撮影、音楽、特殊効果なども高く評価されているが、音作りは意外な方法も採用して行われていたようだ。
written by Jun Fukunaga
source:
https://www.wired.com/story/dune-sandworm-vfx/
photo: Entertainment Access YouTube