きみは言えるかな? アメリカ州別のドラッグ呼び方マップが公開

ニューヨークでMDMAは“MOON ROCK”。ヘロインは“Skag”。ドラッグの呼び方は州によって異なる。各州のスラングが示すドラッグの傾向とは。
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2018.04.13 03:00

あなたはいくつ言える? 知ってる? ドラッグスラングについて詳細な州別マップが公開された。日本で暮らしている人には「へえ〜」とうなづくだけのムダ知識かもしれない。だけどなんとなくカッコイイ呼び名が多かったり、知っていたらいざってときに役に立つかも。なんせこれを調査したのはれっきとした麻薬捜査機関、DEA(Drug Enforcement Administration)なのである。



ネーミングセンスありすぎ! アメリカ州別ドラッグスラングマップを見てみよう


DEAがアメリカで広がるドラッグの隠語、関連用語を調査した。これらのデータはネット上や路上で繰り広げられる麻薬犯罪の防止に役立てられるのだ。アメリカ全土、1150人の男女に聞き取り調査を実施。州別のスラングマップはDEAが2017年に発表した資料をもとにアメリカの薬物、アルコール依存の追加治療と情報を提供する団体「Project Know」によってつくられた。そのほか、世代別、性別、学生かそうでないかなど詳細なプロファイリングも公開されている。




Image:Project Know



スラングがその州の麻薬の傾向をあぶりだす


呼び方なんて調べてどうすんの? なんて思うかもしれない。しかしアメリカのドラッグ事情は日本と比較してみても複雑なのである。そのヒントとして呼び方が重要な役割を担うのだ。


例えばヘロイン。アメリカでは年々ヘロインの使用傾向が強くなっているという。過去10年間で、18歳から25歳の間では2倍。2015年、ヘロインのオーバードーズ(過剰摂取)で亡くなった人は1万3000人にのぼるそうだ。ニューメキシコ、コロラド州などで“Brown”と呼ばれ、見た目や色の特徴で表されるものは、ヘロインがどういう状態で人の手に渡っているのか傾向を特定できるというのだ。ブラウンヘロインは西南アジア由来のものが多い、など、ルートの傾向も割り出せるというわけ。黒く固形のヘロインは“Black Tar(ブラックタール)”と呼ばれ、メキシコ経由のものに多いとのこと。



Image:Project Know



カッコイイ名前や親しみのある名前につられないように注意! 


ヒップホップアーティスト間で、悲劇的な死亡例を多く出しているXANAX(ザナックス)。アーティストたちの間でも、ザナックスはもうやらない宣言をするアーティストや、「ザナックスなんてクソはやめとけ、リーンもだ」と注意喚起するアーティストが出てきたりと絶えず議論の対象になっている。二ューヨークをはじめ、北米の主要な州でザナックスは“Hulk(ハルク)”と呼ばれており、アメコミ、マーベル好きはうっかり手を出してしまうそうなネーミングだ。


また、アリゾナといくつかの州では、MDMAを“Vitamin E(ビタミン E)”と呼んでいるそう。日本人ならわけもわからずビタミン剤と思って友人から買ってしまう恐れがあるかもしれない。気づかずに空港に持ってっちゃったらもっと最悪だ。MDMAは決してビタミンサプリなどではなく、合成麻薬なので注意が必要である。



Photo:PEXELS


呼び名が重要な役割を果たしているということがお分かりいただけただろうか。ムダとも思える知識が、自分の身を守るかも知れない。旅行や滞在する州のドラッグスラングくらいは我々日本人もチェックしておいて損はなさそうである。記事全編はこちらを参照してほしい。


参考:https://www.projectknow.com/discover/how-do-you-say-it-drugs/

https://news.vice.com/en_us/article/8xmbpb/the-deas-list-of-drug-slang-is-hilarious-and-bizarre


Written by TOMYMOCHIZUKI

Photo by Project Know,Antonio Quagliata on PEXELS



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