アメリカ時間の火曜日早朝、ニューヨーク出身で数々のクラブやラジオで足跡を残し続けたDJ Spinbad(DJ・スピンバッド)が他界した。享年46歳とあまりにも早い死に驚きを隠せないアーティストやファンは次々と追悼の意をSNS上で示している。
ニュースが広まったのはDJ Spinbadの親しい友人であり、コメディアン・俳優として活動するRussel Peters(ラッセル・ピーターズ)からで、当初は大手メディアはソースの出どころがわからず報じていなかったが、今ではローカル紙のウェブサイトでも彼の死を報じている。今のところ死因は明らかではないようだ。
DJ Spinbadといえば名前の”スピン”が付いている通り、スクラッチを巧みにプレイに落とし込むターンテーブリストとしての一面が有名で、そのスキルを活かしたミックステープに影響を受けた人も多いだろう。日本にも何度かの来日経験があり、人柄、面倒見の良さは海を越えて知れ渡っている。
さらに今ではDJスタイルのスタンダードともなっている”オープンフォーマット”なDJとしてヒップホップだけでなく、ハウスやレゲエ、ポップスとジャンルだけでなく年代も飛び越えたミックスは世界中のDJに影響を与えたと言っていいだろう。オープンフォーマットスタイルを彼は今のようにパソコンでDJする時代ではなく、アナログレコードでプレイしている時代から実践していた先駆者なのだ。
今ではカセットやCDといったフィジカル媒体で彼のミックスを探すことは困難だが、ありがたいことにMixcloudでは彼自身が投稿したミックスを聴くことができる。日本やインド、アフリカなどの海外でのプレイもあり、生前幅広く活躍していたことが伝わる。
その中でやはり彼の代名詞といえば年代物のメガミックス。特にDJ Spinbad自身が「全てはここから始まった」と言うほどの「80s Megamix vol.1」は必聴に値する。スクラッチやブレンドのスキルはもちろん、80年代の曲をジャンルレスに繋いでいくグルーブはオリジナル。さらにこれをカセットテープレコーダーで録音したというのだから驚きだ。
そして「2000s Megamix」では今でもプレイされている2000年代ヒップホップを中心にポップスやハウスも織り交ぜ、知っているはずの曲がこうもひとつの作品になるのかと感心してしまうほど。ヒップホップのミックスをあまり聴いたことがないかたにもオススメの作品となっている。
亡くなってしまったことは本当に残念だが、彼の残したレガシーはどのジャンルのDJにも受け継がれていくはずだろう。
written by BsideNews
source
https://nypost.com/2020/11/11/dj-spinbad-legend-nyc-musician-dead-at-46/
photo
https://www.instagram.com/djspinbad/