フレンチエレクトロのアイコン的存在であるDaft Punk。数々のヒット曲を持つ彼らだが、活動初期を除くと彼らの素顔は基本的には象徴的なロボットヘルメットに包まれており、現在では人の目に触れることはほとんどない。そんな彼らのヘルメットについて、ファンなら気になる制作秘話をその製作者であるSFXデザイナーのTony Gardenerが語る動画が興味深い。
動画ではまず、Alex & Martinが手がけたヘルメットのオリジナルデザイン画が公開され、Daft Punkが自分たちの個性を完全に隠すことで音楽体験の一部になることを目的にヘルメット制作を決めたことが語られる。
ヘルメット制作について、Daft PunkメンバーのThomas Bangalterは、好きなSF映画の『地球の静止する日(The Day the Earth Stood Still)』に登場するゴートというキャラクターをモチーフに目の部分にメッセージを表示できるようにと要望。一方のGuy-Manuel de Homem-Christoは、ヘルメットに縦型スクリーンの採用。これはヘルメットの形を活かすためのアイデアだったことだと語られた。
またコスチュームについて、初期のデザイン画を元に石膏人形を制作。そこにリブ付きのネックカラー、グローブを付け加えることで、より現在のアニメ風のロボットデザインになったとのこと。またGuy-Manuelは、最初、ヘルメットはNASAのような全体が金色の鏡面のようなものを求めていたようだが、そのままだと写真を撮った際にカメラマンの姿が映ってしまうため、現在のようなものに変更されたという。
さらにDaft Punkの暗闇で赤くシルエットが浮かぶコスチュームに付いた照明はDaft Punkの2人によるアイデアだったことなども語られた。また動画では彼らの映画『Electroma』使われたマスクをとったら完全にロボットだったという設定の映像などが使用されている。
Daft Punkのヘルメットについては、自作するファンも多く、高度なものになってくると相当完成度も高い。また中にはその制作の様子がわかる動画をYouTubeにアップするファンも存在する。例えば、Volpin PropsというYouTubeユーザーが公開しているのが、完成まで4ヶ月かかったというThomas Bangalterのヘルメットと17ヶ月かかったというGuy-Manuelタイプのヘルメットだ。本家同様LEDライトなどが仕込まれており、ほぼ本物レベルの仕上がり具合に驚きを隠せない。
謎に包まれたDaft Punkのヘルメットの秘密が知りたい人は是非今回ご紹介した動画をチェックしておくべし!
written by Jun Fukunaga
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photo: Fabio Venni