幅広いジャンルのミュージシャンがファンであることを明かしている、ミュージシャンのBonobo(サイモン・グリーン)。独自の世界観と、メッセージ性が高いブレークビーツサウンドで、聞く人の心を揺さぶる繊細で美しい音楽を展開。確かな音楽技術と自由な感性が光るサウンドは、世界中のファンを魅了し続けている。
UKブレイクビーツの潮流を汲むエレクトロニック系ミュージシャンとして、今ではイギリスの代表的な人気プロデューサーに成長したBonobo。幼少期からピアノやギターなどを習い始め、ブリティッシュフォーク音楽の影響を受けて育った彼は、ブライトンへの移住で音楽的センスをさらに磨くこととなる。
第一作目となるアルバム「Animal Magic」は、Tru Thoughtsレーベルから発売。高い音楽技術と自由なセンスで、当時のエレクトロニカシーンで注目を浴びた。その後、2010年のアルバム「Black Sands」のリリースと同時に、もう一つのBonoboの真骨頂となる「DJグリーン・サイモン」として頭角を現す。
実は、一度ニューヨークへ引越した後、ツアーを始めてからは殆ど「家がない」状態だったというミュージシャンBonobo。移動をひたすら続ける中、色々な場所で沢山の人に出会い「刺激を受けた」と語っている。この間の経験が詰め込まれたのが、2017年の1月に発売されたアルバム「Migration」である。
幼少時代から渡り鳥のような生活を送ってきたこのミュージシャンは、現在、ロサンゼルスを拠点に活動を展開。「Migration」の制作は、壮大スケールの自然に触れながら、喧騒から離れた静寂の新天地において行われたのが特徴だ。そのため、このアルバムに収録された楽曲は、従来の作品と比べて一層神秘的で、音の広がりとストーリー性を感じる繊細な内容に仕上がっている。ずっとツアーを継続していた頃の彼は、街から街へと飛び回ることはあっても「家」と呼べるような場所がなかったという。そんな彼を取り巻く状況がインスピレーションとなり、楽曲に反映されている。
また、Bonoboは同アルバムの中で、旅に関して自分自身のアイデンティティを表現しているのも特徴だ。彼には独自の音楽哲学がある。それは「人々がもっと世界へと旅に出て、お互いのことをもっと理解できれば、世界は今よりも良い場所に変わる」というもの。Bonoboの考察は、現代社会に生きている人々にとって共感する部分が少なくない。なお、世界中のファンに愛されるBonoboは、日本にも訪れてライブを披露している。彼のダイナミックな世界観と、迫力溢れる映像がプラスされたステージはまさに圧巻だ。
Bonoboは、近年になってその人気を不動のものにし、1万人規模の収容人数を誇るアレキサンドラ・パレスやアリーナクラスの会場でツアーを展開している。2015年の3月6日(金)には、7年ぶりになる来日公演を開催した。前売りチケットは全て完売し、当日には入場規制が行われるほどの人気ぶり。当日券発売が一旦中止になった後も、チケットを要求するファンが集った。
音楽のジャンルも国境も超え、絶大な支持を集めるミュージシャンBonoboは、日本のメディアが敢行したインタビューでも紳士的な印象を与えた。その佇まいは、まさにモダンな雰囲気が漂う英国紳士。知的かつ上品な風貌に、セクシーさも兼ね備えるルックスも魅力だ。
さらに、先程も触れたように、Bonoboのグローバルツアーでは音楽はもちろん、映像にもこだわりがある。ステージで流れるムービーの中には、アルバム内のアートワークと同じ場所で撮影されたものも。最新の飛行カメラを駆使するなど、興味深いムービーに人々の視線が集まる。アルバムに収録された音楽は、ムービーを含めたライブの世界観に繋がっている。
Photo: https://www.facebook.com/bonoboofficial/
Written by 編集部