近年の音楽シーンにも影響を与える日本のクラシックなSFアニメ『AKIRA』。その影響を受けたアーティストによるユニークな特設サイトが公開された。
同サイトは、かつてBwana名義で『AKIRA』英語版の台詞と、芸能山城組が手がけた同作のサウンドトラック音源からのサンプリングによって構築されたEP『Capsule's Pride』を発表し、注目を集めたアーティストNathan Micayが、Nathan Micay名義での新作アルバム『Blue Spring』リリースにあわせて公開したもの。
サイト内では『AKIRA』風の漫画イラストが公開されており、その画面をスクロールダウンしていくことで、漫画のストーリーを読み進めていくことができる。またサイト内ではアルバム収録曲も再生されるため、インタラクティヴに漫画と音楽を楽しめる仕様になっている。
そんなユニークなサイトの元となったアルバム『Blue Spring』は、Nathan Micay考案による未来の警察国家に弾圧されるレイヴ・パーティーを舞台にした架空のストーリーがコンセプトになっている。リリース元はUKの人気レーベル「LuckyMe」で、先述のBwana名義の『Capsule's Pride』も同レーベルからリリースされたもの。
またアルバムにはプログレッシヴ・ハウス、トランス、テクノ、ハードコア・ジャングル、IDM、アンビエントといった多彩なクラブミュージックの音楽要素を集約。壮大できらびやかなシンセが印象的なアンビエントテイストのタイトル曲「Blue Spring」、90年代後半から2000年代前半に流行したプログレシッヴ系のブレイクスを彷彿とさせる「Moon Scepter Elimination」、Josh Winkの名曲「Higher State of Consciousnes」風のファットなベースラインを搭載したストレートなテクノ曲「The Party We Could Have」、そしてアルバムを締め括る美麗アンビエント曲「Romance Dawn For The New World」など、まさに近未来SFのレイヴを思わせるストーリー性の高い曲が多数収録されている。