MANONとLEXがKMのビートに出会う「AIR KISSING」、注目のカワイイベースラップクルー+VACATIONのuyuniの爽快な「Blueberry Gum」、SNEEEZE新作からの「Don't Touch」を紹介。
MANONが同年代の注目アーティストLEXを迎えた「AIR KISSING」。ビートはRED BULL MUSIC JAPANが仕掛けるエクスクルーシヴなラッパー企画「RASEN」の第1弾のトラックを手がけたことでも話題のKMが担当。
MANONは透き通った歌声とバブルガムチックな淡い世界観が人気を集める新世代のアーティストである。ラップクルー・Normcore Boys(ノームコアボーイズ)との共演曲「2 LIVE IN A REAL WORLD feat. Normcore Boyz」やSleet Mage(スレートメイジ)、Yuckle(ヤックル)など気鋭のアーティストとのコラボレーションを果たしている。
チルなMANONのパートから、だんだんとスピードがあがっていったのちにトラップビートに移行していくLEXパートとのコントラストが好対照。2人の個性のギャップを表現し、一貫した世界観を保ちつつ、ドラマチックに展開していくトラックの自然な転調はさすがだ。ANARCHY、田我流、BADHOPなど数々のヒップホップアーティストの楽曲を手がけてきたKMのビートメイキングの手腕が光る。
MVは分散型動画メディアluteからMVが公開されている。同MV内でMANONが着用するWEGO×MANONのコラボレーションTシャツは、WEGO一部店舗にて発売中とのこと。Tシャツもかわいいね。
【Apple Music】https://music.apple.com/us/album/air-kissing-feat-km-lex-single/1467716286
【Spotify】https://open.spotify.com/album/3Azqp8p0wFJjyApx1DsWO9
【Other】https://linkco.re/D8gEY5Zu
タイムラインからたまたま流れてきて、気になって聴いてみたらとてもツボだったuyuniの楽曲。自身の幼少期をノスタルジックにフューチャーベースサウンドに乗せてラップしている。多感なティーンエイジャーや同世代に向けられた楽曲なんだろうけど、こじらせたおっさんに刺さってしまった模様。アニメの主題歌になりそうな世界観。MVもアニメ『化物語』シリーズで描かれそうな街感がいい。
uyuniは6人組HIPHOP CREWの+VACATIONに所属しており、この+VACATIONもJursey Clubのキコキコ音を取り入れたり、フューチャーベーストラックを軸に独自のキュート&イケボのアニメチックな“萌え”感と、ヒップホップをツギハギにカット&ペーストしたような雰囲気を醸し出していて新鮮。2019年に+VACATIONとしてアルバム『あばんちゅーる』をリリース。
ニコ動やSoundCloudをメインに音源をアップしているので、いわゆるニコ動ラッパー、クラウドラッパーに分類されるのだろうか。僕はあまりその辺の出自にこだわりがないのでなんでもいいのだけれど(聴く楽曲の評価には影響しないということ)。爽やかで開放的なトラックにuyuniの特徴として、ダブルでローキーを重ねてるのも個人的に耳心地が良い。
知らなかったけど、SALUの「RAP GAME」のREMIXでもカマしてた。良くない? ドス黒いハードなビートのヒップホップ、トラップ、チルでローファイなジャジー。どれも好きだがこういうビビッドカラーなイメージのポップなラップも楽しい。
uyuni/Blueberry Gum:https://linkco.re/uhT5GV3b
ジャパニーズマゲニーズの「Real Stoner」 に参加したPERSIA(ペルシア)、J-REXXX(J・レックス)などレゲエアーティストを中心にヒップホップまで横断するDigital Ninja RecordsからSNEEEZE(スニーズ)の新曲が到着。
アルバムからの「Don’t Touch」はNINJAMOBとして活動をともにする、774によるバウンシーなビートと気だるそうなSNEEEZEのラップがキレキレ。
のっけから
スキルLike a Japanese Kendrick Lamar
と、そのスキルとセンスによって大それた文言も思わず納得させられる。Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)の 「Who Am I(What’s My Name)」の有名なフレーズをオマージュしたと思わしき小ネタをリリックに入れ込んできたり、思わず、おっ! と耳が反応する言葉遊び、ギミックが満載。
SNEEEZEはP-PONGとトラックメーカー774とともに兵庫を拠点とする3人で結成されたNINJAMOBとしても活動しているが、今月17日にソロ名義アルバム『Lonely Kings』をリリースする。当初はEPとして6月にリリースされる予定だったが、発売を延期しアルバムとしてのリリースが決まった。全ての楽曲を774が手がける。
「GOODBYE BADMIND」ではSNEEEZEのメロディセンスが存分に発揮され、伸びのあるシングラップがとても心地いい高揚感を生み出してくれたが、「Don’t Touch」では、良い具合に力を抜きながら、ファットなビート上を一定のテンポでリズミカルに駆け抜けていく気持ち良さがある。歌もラップもイケてるSNEEEZEのアルバムが楽しみだ。
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written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki
photo:uyuni link.co