DMXが亡くなった数日後、またしてもニューヨークをはじめとするヒップホップシーンに悲しい知らせが駆け巡った。ヒップホップの黄金期のひとつを2000年代初期だと言うのなら、間違いなくその一端を担っていたラッパー、Black Rob(ブラック・ロブ)がアトランタの病院で亡くなった。51歳だった。
Diddy(ディディ)率いるレーベル、Bad Boy Recordsの一員として2000年にリリースした「Whoa!」がヒットとなり、今でも昔からのヒップホップファンにとっては欠かせない1曲として語り継がれている。
一線を退いた他のベテランラッパーの多くがそうであるように、Black Robの近況は知らされてこなかった。しかしニューヨークのラジオ局で活躍するDJ Self(DJ・セルフ)はいち早くBlack Robと連絡を取り合い、彼のDMXへの追悼コメントを発信した。そして多くのファンがBlack Robが病院のベッドに横たわっている様子を見て驚いたことだろう。
その後のメッセージによると、腎不全による闘病生活が約5年間も続き、ホームレス生活も余儀なくされていたとのこと。その後治療費などをサポートするための募金も開始されたが、帰らぬ人となってしまった。所属していたレーベルのボスであるDiddyも2人の写真を投稿し、追悼のメッセージを送っている。
最後に、先に紹介した「Whoa!」以外にBlack Robのキャリアを代表する曲を紹介しておきたい。デビューした2000年ごろにはBad Boy Recordsも成熟期を迎え、多くのリミックスも制作していた。112(ワントゥエルブ)「Come See Me」、Total(トータル)「What About Us」、Faith Evans(フェイス・エバンス)「Love Like This」といったR&B曲のリミックスにも参加し、フィーチャリングとして活躍。
そしてヒップホップサイドではやはりレーベルアンセムとも言うべき「Bad Boy For Life」への参加が印象的だ。「俺はハーレムのストリート出身だ」と地元をレペゼンする一節を最初にキックし、当時の勢いを感じることができる。またレーベルメイトだったMase(メイス)による「24 Hrs. to Live」では亡くなったDMXと共演していることも是非忘れないでいただきたい。
今人気のラッパーに比べると決して派手なキャリアではなかったかもしれないが、しっかりと記憶に焼きつく活躍をしてくれた紛れもないレジェンドの1人。この先も彼の曲を聴き続けたい。
written by BsideNews
source
https://www.complex.com/music/black-rob-dead-51
photo
https://www.youtube.com/watch?v=-gMQsMQDOzA