björk(ビョーク)の歌声と雰囲気を堪能できる曲

björk(ビョーク)、独特の歌声は国をこえる
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2018.05.06 04:18


björk(ビョーク)、独特の歌声は国をこえる


björkの声は美しい。だがどう美しいのかと言えばたとえようがないのである。透明感とも表現できるし柔らかさともいえるだろう。しかしbjörkの歌は息遣いから話し言葉までが含まれる。それが彼女の独自の歌声であり素晴らしさなのだ。様々な曲のなかでもbjörkに魅了される曲を選出してみる。




世界的ヒットにおしあげた「I’ve Seen It All」


björkの曲の中で最も知られている曲がおそらくこの「I’ve Seen It All」ではないだろうか。何故ならこの曲、2000年の大ヒット映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の劇中曲としてbjörkが作曲したもの。映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の主人公であるbjörk、つまりセルマは耐えきれないほどつらい現実に直面したとき自分が好きなミュージカルのシーン空想をすることで辛さをしのいでいる。その際に流れる曲が「I’ve Seen It All」である。レディオヘッドのトム・ヨークとコラボしたこの曲はbjörkに触れたことのない人にぜひ聞いてほしい。björkの歌い方、その声に驚き魅了されるだろう。悲痛な叫びかと思いきや途端に美しい高音で歌い出す。彼女の魅力が詰まった一曲である。ちなみに映画の中で使われている曲は全て彼女の作品であることも記しておきたい。





初期björkの代表曲「Human behavior」


björkが前バンド「シュガー・キューブス」を解散したあとにソロ活動としてアルバム「デビュー」をリリースした。そのアルバムの冒頭を飾るのがこの「Human behavior」である。初期の頃の独特のリズム、テクノの技術が生かされておりプロモーションビデオでも自由に歌い表現するbjörkが美しい。1993年に発表されたものだが今でも古さを感じることなく堪能できる。このプロモーションビデオはグラミー賞の最優秀短編ミュージックビデオ賞を受賞しており、クオリティの高さがわかる。直訳すると「人の行動」という意味となるこの曲はこれからbjörkが歩む創作活動の道を表現しているかのように深い森へ入っていく。まさに当時の彼女には歌詞にある通り「地図もコンパスもない」状態であったのだ。




シンセサイザーベースの名曲「Army of me」


björkの2枚目のアルバム「Post」からはファンの間でも人気の高い「Army of me」を聞いてみたい。鉄工所のようなリズム音に攻撃的なbjörkの声が響く名曲だ。彼女は1枚目のアルバムで表現されば優しさや柔らかさを抜け出し今飛び立つ戦闘機のごとくその精神が高まっていることがわかる。プロモーションビデオ制作はミシェル・ゴンドリー。つまり「Human behavior」で名作を作り出した監督がまたもbjörkの世界を表現したのである。björkの音楽はあまりにも前衛的で受け入れられにくいという話も一部では言われている。しかしこの音楽の作りは非常にポップでダンスシーンでも流れそうなほどはっきりとした曲だ。björkの入門編には最適といえる一曲だろう。




進化したbjörkを見よ!「Hidden place」


アルバム「Vespertine」の冒頭曲として収録されている。現在のbjörkの曲風をよく表している曲といえるだろう。美しい歌声、透明感あふれる美しい旋律、それらを支えるシンセサイザーの音。全ての音楽の要素がぎっしり詰め込まれている曲だ。アルバムジャケットも美しく白鳥が描かれたものとなっている。初期の時代とは異なりbjörkの曲にはオーケストラのシンフォニーが使用されることが増えた。そのことがさらに曲の深みや奥行きを増幅させる結果となっている。初期のあらぶる魂をそのまま詰め込んだような音楽とは異なり、ここには幾年かの時代を経て経験を積んだ職人のような細かい細工、硝子のような美しさがある。彼女の生まれ故郷のアイスランドを包むオーロラのようにはかなくも大きく、壮大な音楽がここにある。




Photo:

https://www.facebook.com/pg/bjork/photos

Written by 編集部



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